月兎紬

詩、音楽の紹介など/// 一目でも読んでくださった皆さま、感謝です。 ◎夜、月、光、音楽、痛いの痛いの飛んでいけ ///

月兎紬

詩、音楽の紹介など/// 一目でも読んでくださった皆さま、感謝です。 ◎夜、月、光、音楽、痛いの痛いの飛んでいけ ///

マガジン

  • 月の経過観察 その弌

    自作詩のベストアルバム的なものです。 紬さんといえば、まずはこれ、的な。 ごめんなさい、反省します。。。

  • 詩「しりとり 2回目」

  • 幕間 「色」:音楽紹介

    好きな音楽の紹介

  • 短歌 「words」

  • ショート 「名前」

最近の記事

乱れ紙 _ 詩

平仮名とか逆に猛々しいよ 優しくあなたの曲線美をなぞりたいのに カタカナを混ぜないと気がすまないの 角がある方が素敵でしょとか 語尾の煩雑さが擦れ合って 筆の滑りまで悪くなり 外来語が僕の閉ざした心を開こうとして 題名にまで干渉し摩擦がおこる いよいよ崩壊アンプリファイド 語句も意味も点でバラバラの宇宙かな どうもうまくいかないのなら こうもうまくいかないのなら 乱れてしまうか紙の上 解いてしまうか髪の結 了

    • 耳に残るは君の悲しみ _ 詩

      ねぇスイミー、君は何処へ行ってしまったの 曖昧な月明かりでは灯せない僕の寂しさ 目で追うだけじゃ勿体無いから、音読したの 退廃的で幻想的で簡素で深淵な君の悲しみ 滞りなく千切れる夜空を白い波が背伸びして 偽りなく溶け込む朝陽を黒い髪が懐かしんで ねぇミッキー、君も何処かへ行ってしまうの 最愛はいつだって残されない僕の悲しみ 真似事したって何の意味もない、届きやしない 偶発的で運命的で引力で不安な君の寂しさ こんなにも言葉は君を思って どうしてかひとり君を詩って 僕はいま生きて

      • ミは、みんなのミ _ 詩

        どうか、あなたの一日が素敵でありますように 連続する悲しみも不安もいつか終わりますように ミは、みんなのミだそうです ファは、ファイトのファだそうです そんなこと、言われなくてもみんな頑張ってます らぶですよみんな、大丈夫です 幸せをその手で掴んでやりましょう どうか、あなたの未来が素敵でありますように 連続して嬉しいや楽しいが起こりますように ミは、みんなのミなんだから ファは、ファイトのファなんだから そうなると、たとえ一人でも怖くないはずです らぶですよみんな、大丈夫で

        • 魔弾で撃て、あの日の君の微笑み _ 詩

          呪詛を呟いて魔女たちが生み出したのなら 僕はあの日の君の微笑みを消せやしないだろう 蛸の吸盤や自転車のチェーンのオイルのように ぎりぎりのラインならまだしも 染まる紅葉が雷雪を恐れ高速道路を閉ざしたから 現実世界でも夜の世界でも逃げ道はもうない 五芒星や六法全書のように 数字に意味があるならまだしも 要するに、他に手はないのだ もうできることは何もないのだ まだ溢れ溢れるひたむきで未完成な後悔はあるし 無駄に乱れ途切れる不快で不完全な関係もあるが 迷うことなく真っ直ぐ放て、忘

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        • 月の経過観察 その弌
          16本
        • 詩「しりとり 2回目」
          41本
        • 幕間 「色」:音楽紹介
          17本
        • 短歌 「words」
          5本
        • ショート 「名前」
          2本
        • 詩 「しりとり」
          100本

        記事

          かたぐるま _ 詩

          背伸びをしても、飛び跳ねても 少しも見えなかった景色が今はここに 誰かに負われて、それを忘れて 我が物顔で時を刻むのは悲しいことか 欠伸をしては、鼻をほじって 見える景色の様も言えなくなって 自分の目が、耳が、頭が、 腐っていくのに気づかないのは幸せなことか 言葉でもいい、手紙でもいい、 突然でもいい、計画的でもいい、 思い出してほしい景色が今はここに 誰かに負われて、それは始まって たまぁに電話してみたりするのは素晴らしいこと ぽつりと感謝を思うだけでも十分素敵なこと 了

          かたぐるま _ 詩

          黄身は遠吠えのレプリカ _ 詩

          フライパンに落として、跳ねる滴の音を聞く 蓋に跳ね返るなら、この頭にも響くのかもね 黒いお皿に移して、それはまるで夜空の満月 僕の弱い所を鷲掴みにして離さないあの満月 言わば今は午前七時の食卓であり、寝ぼけ眼 布団に舞い戻るなら、あるいは、夜が恋しい そうすれば僕は狼になれる、君を食べられる 柔肌に噛み付いて、夜空に向かって遠吠える されど今は午前七時の食卓であり、朝ごはん 醤油をかけようがソースをかけようが色は黒 黄身は遠吠えのレプリカであり想いは届かず 君は野菜炒めのパプ

          黄身は遠吠えのレプリカ _ 詩

          つき _ 詩

          どこもかしこもはなをかざって いつかどうしてはなはかれ みっかもつづけばはなまるで いつかこうしてたねはかれ たとえなみだがじょうはつしても ふねはどうにかおしてやるから たとえばなしにはながさき ふねはいつしかじょうげんのさき ふろしきひろげてもちものならべた おもいできずあとよびかたをきめた ふえもへりもせずみたされたのは このみやこころやうみやよぞらや されどかけてはあるいはかげりが かげんをしらないだれかのせいか たとえばなしをたとえはなしても かじはいつしかかげんも

          つき _ 詩

          穿つ _ 詩

          線を引いたからどっちがどっち側か考える 線を引いたのはどうしてかなど、もう関係ない 選ぶことはいつでも難しく ずっと見つめていたら、穴があいた 穴が開いたからその向こう側を見てみる 穴を覗いたからどっちがどっち側か考える 出会うことはいつでも新しくあるはずで なんなら新しくあるべきだと、鋭さが 鋭くあるから鈍さが生まれて幅が生まれる 鋭くあるなら鈍さも理解して幅も理解する 線は、弧は、円は、つまり どれも個であり、特別であり、ありのままである この悩みも、その逆剥けも、あの怒

          穿つ _ 詩

          東京 _ 詩

          燻んだ空が夢を盗んだような日々 それを何にも言わずに見つめるビル達 氷が溶けても気づかないような脈々 どれも言い訳にしかならない脇道 原色を様々ばら撒いて電飾まで添えて 伝書鳩すら目移りして染色体も震えて これが東京だ、それが東京だ、って きらきらにメイクして星まで騙して くらくらに夜更かししてそれでも華やかで お面が案山子をつけて闊歩する大通り 公園のベンチも駅前の広場も心は見当たらず これで東京だ、それで東京だ、って 水槽の泡が不規則に捻れて浮かび上がるのを見て 私の心が

          東京 _ 詩

          late at night _ 詩(English ver.)

          Late at night, I choose not to meet you. The light flickers, finally breaking the dark. Late at night, I whisper, “Stop,” or maybe, “Don’t stop.” Tight yet loose. Late at night, I store, I crawl, I release, Sit in the void. Late at night, I

          late at night _ 詩(English ver.)

          レイト アット ナイト _ 詩

          レイトアットナイト あえて会ってないの ライトやっと点いて レイトアットナイト やめてせめて責めて タイトバットライト レイトアットナイト 溜めて這って出して シットアンドボイド レイトアットナイト 剥いで抱いて吐いて ライトもっと消して こんなこと言うとあれだけど このまま夜に閉ざされてたい 了

          レイト アット ナイト _ 詩

          ボルカニックに綴れ _ 詩

          空想無傷流転暗転 表情瞬間延命黎明 咲いた咲いた二人の花が 抱いた抱いた心の真ん中 正常異常無冠鈍感 情状酌量延命懸命 泣いた泣いた別れの際で 剥いだ剥いだ心の外側 弁天皆伝供養煩悩 読破弾劾延命除名 焼いた焼いた生命の紐が どいたどいた光の彼方 愛に浮かぶ飛びも沈みもせぬ心 命に潜む幾度も桴で叩いて鼓 了

          ボルカニックに綴れ _ 詩

          通せんぼ _ 詩

          散らかった自分の部屋を出て 廊下を突き当たって右に折れて その先の白いドアの前で立ち止まる 今日はなんとかここまで来れた でも結局、ドアを開いたりはできない もしかしたら、次はここまで来れない可能性も 一緒に見た桜が舞い散っては通せんぼ 書き溜めた手紙の文字が降り注いでは通せんぼ 呼ばれた気がして振り返っては通せんぼ どんなに目を瞑っても思い出せなくて通せんぼ 街の灯りに電車の音に台無しにされて通せんぼ この胸の蓋に鍵穴なんて元からなくて通せんぼ 梔子の花とチェックのマフラー

          通せんぼ _ 詩

          トワイライト _ 詩

          橙に、ピンクゴールドで、藍の走る、光の帯が 何故か自分のものに思えるから まるで土を耕すように、一ミリも逃さないで ぼんやりと曖昧に垂れ流す生という一瞬を ばっさりと的確に切り結ぶ死という永遠を まるで水が行き渡るように、掻き集めようと 永久に泣いて、トワイライト もう一度だけ夕落ちてみたい その一瞬に焼け焦げてみたい 本当に命は燃やせるんだという程に、生きて 本当に命に限りがあるんだと、思い知って それでもなお左の胸に真っ赤な花が咲き誇るなら その茎と葉で浮力も重力も速度も

          トワイライト _ 詩

          脱兎 _ 詩

          跳ね回れ言葉の平原 逃げ回れ現世の表現 餅をつくなら月の海 韻を踏むなら文の月 脱兎脱兎と叫んでは だってだってと翻り 迷い込め言語の迷宮 思いつけ幻夜の狂言 嘘を吐くなら眼の紅 真に迫るなら紅の唇 脱兎脱兎と詠っても 待って待ってと希い ただ春の夜の夢の兎 塵のような言葉の嵐 了

          脱兎 _ 詩

          手作りの三日月のソーダ _ 詩

          空っぽになった胸を丸い瓶の代わりにして 炭酸水に、蜂蜜と、砂糖を大さじ四杯 ラズベリーに葡萄にオレンジ 星屑を少々、三日月は一つ ゆっくり、静かに、そぉっと混ぜて 炭酸の泡も、この夜も、何処へも行かないように 確かに、角度によっては満月に見えるかもね でも、三日月でないと意味がないんだ 一つの嘘と、多めの涙と、ほんの少しの強がりを 浮かび上がる時、底から掬ってくれるから 見たこともない太陽を深海魚が待ち望むかの様な 暗く冷たい冷蔵庫の淵 その扉が開いて、グラスに注がれる時 夜

          手作りの三日月のソーダ _ 詩