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#364 「ビジネス頭の体操」 7月14日、15日のケーススタディ

はたらくおとな向け。普段の仕事と無関係なケーススタティで頭の体操。
その日にちなんだ過去の事象をビジネス視点で掘り下げています。
普段の仕事を超えて、視野を広げ、ビジネスの頭の体操をするのにぴったり。
考えるための豊富な一次情報やデータもご紹介。

 →部分は、頭の体操する上での自分に対する質問例、です。


7月14日(水) 内視鏡は日本のお家芸!?

東京都渋谷区代々木に事務局を置き、内視鏡医学に関する研究を奨励助成するなどの事業を行う公益財団法人・内視鏡医学研究振興財団が2006年(平成18年)に制定した「内視鏡の日」です。
日付は「な(7)い(1)し(4)きょう」(内視鏡)と読む語呂合わせから。1950年(昭和25年)、内視鏡は日本において世界で初めて胃カメラによる胃内撮影に成功したことに因みます。


内視鏡。
調べてみました。

まず、内視鏡の市場規模ですが、NEDOの「平成28年度日本企業のモノとサービス・ソフトウェアの国際競争ポジションに関する情報収集」によると、グローバルで1,209億円となっています。

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驚くのは日系企業のシェアがほぼ100%であることです。

他の医療機器では日本企業のシェアは非常に低くなっています。
NTTデータ研究所「我が国医療機器・ヘルスケア産業における競争力調査」のなかで、NEDOのデータをもとに機器別の市場規模と日系企業の世界シェアと売上高をまとめたものがあります。

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これを見ると、日系企業が50%以上のシェアを持つのは、内視鏡、医療用光源、眼底カメラの3つであり、市場規模が大きく、シェアも高い、という右上に位置するものがないことが分かります。

ちなみに、日・米・欧を全て並べたものがこちら。

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右上は米系企業が占めていることが分かります。
ちなみに、右上4つの市場は右から、コンタクトレンズ、人工膝関節、人工股関節、ステント、です。

内視鏡が属する医療機器の市場規模は、世界的な人口増と高齢化によって成長が予測されていて、2016年実績で3,400億ドル(約37兆円)、現在では40兆円を超える規模となっていると思われます。

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日本の市場規模ですが、国立研究開発法人日本医療研究開発機構「医療機器開発を巡る社会・技術・産業の動向について」によると、日本における医療機器市場規模は、2015年時点で約2.7兆円となっています。

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同資料には2016年ではありますが、世界の医療機器メーカーの売上高順位上位五十社のリストが掲載されています。

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日系企業は7社が入っていますが、全てを合計しても上位2社単独の売上高より少なくなっています。


話が内視鏡を超えた、医療機器まで膨らんでしまいましたが、最後に、日系企業が強い内視鏡マーケット、具体的にどんなメーカーかをご紹介します。

消化器内視鏡シェアで7割のシェアを持つのがオリンパスです(出典:オリンパス資料)。そのほかには富士フィルム、HOYAが主なメーカーとなります。

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→内視鏡では世界シェアを日本企業がほぼ独占するが、他の医療器具では市場規模が大きい市場ではシェアが低いものが多い。この差はどうしてできたのだろうか?


7月15日(木) ギフトを贈る人ほど幸福度が高い!?


陰暦7月15日は「中元」と呼ばれます。
古く中国では1月15日を指す 「上元」、10月15日を指す「下元」と並び、重要な祭日として考えられて きました。 今日の日本では、7月初めからお盆にかけての時期に、感謝の気持ちを 込めて贈り物をする風習として「中元」の文化が定着しています。

「中元」調べてみました。

その前に、中元といえば歳暮、ですが、「歳暮」の起源は、死者の霊をまつる行事「御霊祭」の共同飲食に子孫 が食物を持ち寄ったことであると言われています。 本来は、塩ざけ、塩ぶりといった魚類が多く用いられましたが、これらが転 じて、現在では12月10日以降の年末に、中元と同様お世話になってい る方に贈り物をする風習のことを指すようになりました。

とのことです。なるほど…


矢野経済研究所の「ギフト市場に関する調査(2020)」によると、中元・歳暮市場は、年々減少し、2019年実績では、中元が7,210億円、歳暮が8,990億円となっています。2021年の予測は中元が6,670億円(7.4%減)、歳暮が8,330億円(7.3%減)となっています。

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これはライフスタイルの多様化や人付き合いに対する志向の移り変わり、虚礼廃止の風習の広まりなどが要因と考えられます。

また昨年2020年は市場自体は減少したものの、例年と異なる動きとして、帰省ができない代わりに歳暮を送る「帰歳暮」なる言葉も登場しています。

オリコンが行った「お歳暮・お中元に関する意識調査」によると、「過去に歳暮を贈ったことがありますか?」という設問に、
20代の81.8%、30代の57.0%が「ない」と答えています。
40代、50代では約70%の「ある」とは、はっきりと分かれています。

「今年、歳暮を送る予定がありますか?」と言う設問にも以下の通り年代による違いがはっきりと現れています。

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中元・歳暮という風習は今後無くなっていくのでしょうか…


では、贈答品の市場は縮小傾向か、というと、「カジュアルギフト」と呼ばれる市場が伸びています。カジュアルギフトとは、「母の日」や「父の日」、「敬老の日」といった記念日に贈られるギフトのことで、年々増加しており、中元歳暮も合わせたギフト市場は2020年こそコロナ禍の影響で減少したものの、2021年には10兆4,605億円と予想されています。

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DNP「日常生活とギフトの実施状況に関する調査」によると、ギフト実施率が高い記念日は
☑️ 「誕生日」:34.5%
☑️ 「母の日」:32.7%
☑️ 「お中元・夏ギフト」:32.4%

となっています。

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また、ギフトの単価が高いのは、
☑️ 「結婚祝い」:32,600円
☑️ 「合格、入学祝い」:30,900円
☑️ 「成人のお祝い」:30,300円

となっています。

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注目すべきは、「日常的なプチギフト」という項目があることです。単価は1,500円と最も低いものの、平均実施回数は4.9回と最も多く特別な記念日でなくとも、ちょっとしたギフトを贈り合う習慣が根付きつつあることが伺えます。

最後に、ギフトモールが行った、「コロナ禍でギフト購入が増える理由」を調査したものから、「ギフト購入頻度と幸福度の関係」を示すデータをご紹介します。

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ご覧のように、ギフトの購入頻度が高い人は幸福度も高い、という関係が読み取れます。

→ギフト。「プチギフト」「カジュアルギフト」という新しい動きが出ている。この背景にはどういった消費者心理の変化があったのだろうか?


最後までお読みいただきありがとうございました。

皆様の頭の体操ネタが1つでもあれば嬉しいです。

昨年からこうした投稿をしてきました。かなりの量になりました。以下のマガジンにまとめています。アイディアに行き詰まったら、覗いてみていただくとお役に立つかもしれません。


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