#277 そういえば、ジョブ型の会社でした…
昨日、一昨日とジョブ型に関する投稿をしてきましたが、今の勤務先、そういえばジョブ型の会社でした…普段あまり意識していないのですが、思ったことをメモ。
1、ジョブ型だと何が違う?
すっかり忘れていましたが、私の勤務している会社はジョブ型です。
なぜ忘れるか、というと、確かに異動の時に「ジョブディスクリプション」をもらうのですが、運用が甘い、というか、適当、というか、大きな声では言えませんが、着任してからもらうこともあります。
(ちいさな声で言うと、もらわないこともあります…)
なぜそれで済んでしまうか、というと、大したこと書いていないのです。
○○の業務、またそれに付随した業務
○○の管理、その他管理に伴う業務
こんな感じです。
ですから、異動の打診があると、異動先、ポジション、仕事内容の説明を口頭で受けて、納得したら、異動、になります。
ジョブ型ですから、異動は断れるのです。
2、そもそも会社から言われる異動はない。その弊害が…
そもそもジョブ型ですから、部門別(ポスト別)採用です。新卒も若干採用がありますが、それも部門別です。よっぽどのことがない限り部門を超えた異動というのはありません。
ジョブポスティング制度はありますから、自ら応募して部門外の業務に就く、というルートはあるにはあるのですが、専門性が高い部門が求める人がいない、わざわざ慣れた仕事を離れて異動したいと思う者がいない、ということもあってほとんど実績がない状態でした。
ところが数年前から、その弊害が大きくなってきました。
部門はお互いに無関心です。一方で、外部環境の変化が激しくなることで部門間を跨ぐような業務が、特に営業側、つまりは顧客側のニーズによって出てきました。
お互いの業務は全く知らない、知ろうともしなかったところからスタートしますから、もう、大変です。
あまりにもひどいので解決策として、部門を跨いだ人事異動をすることになりました。
ジョブ型、そのポストに見合った能力の人がその仕事に就く(必ずしもそうではなかったりしますが…)という意味ではいいのかもしれませんが、逆にいうと、昇進するか、退職するかしないと、ずっとそこに居続けることになる、ということでもあります。
流れない水が腐るように、ポストが固定された組織は徐々に腐っていく、という弊害があるのです。
昔はうまく行ってました。理由は、会社が毎年2桁成長していたために、どんどん仕事が生まれ、ポストも生まれることによって、組織は流動的で、腐ることはなかったのです。
でも、ある程度の規模になり、成長率が鈍り、安定期に入ると、固定化が進み、よどみ、腐ることになったのです。
これがジョブ型の、会社都合の異動がないことによる弊害です。
3、まとめ(?)
いかがでしたでしょうか?
自分が15年以上ぶりに異動(実際は途中出向がありますが)して実感したのですが、異動は仕事内容が変わるという意味で「転職」です。やはり、新しいことをやれば、学びも気付きもたくさん出てきます。異動前は、過去の蓄積で省エネで仕事をするようになっていました。頭使わず…
日本企業の「異動」「人事ローテーション」には、こうしたメリットもあると思うのです。現状の振り返りをしないで、ジョブ型に飛びつく、というのは、個人的には違和感があります。
それに、ご紹介したように(たった1社の、ゆるーい運用しかできていない企業の例ですが)ジョブ型による弊害だってあるのです。
ジョブ型のキモは、ダメだったら辞めてもらえる、ということだと個人的には思っています。
でないと、既得権益化するだけ、です。
他に動いて貰えばいいじゃん、というところですが、そういう人を受け入れてくれるところを作るのも難しいですし、そもそもジョブ型ですから、辞令を発令しておしまい、という訳にもいきません。
なんか、目的に逆行する気配が濃厚なんですよね…
最後までお読みいただきありがとうございました。
個人的な経験談ですが、どこか参考になるところがあれば嬉しいです。