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【実例紹介】テレワークでの営業のポイント 〜企業力のリトマス試験紙〜

完全テレワークに移行して5ヶ月。先日以前の所属先の営業部門の者と話をしたのですが、数字の落ち込みから想像するより前向きで驚きました。
よくよく聞くと部門全体の数字からは分からないテレワークでの営業のポイントと、今は大変なチャンスと分かったので、メモ。

最後までお読みいただくと得られる情報は?
✔︎ BtoBもBtoCもテレワーク営業はできる
✔︎ むしろ問題は既存先なのか新規先なのか
✔︎ テレワークではっきりしたハイパフォーマーの違い
✔︎ テレワーク営業は会社の今のリトマス試験紙

1、営業チャネルでテレワークでの営業の差はあるか?

私の働いている会社では営業チャネルがBtoBもBtoCもあります。
営業は非常事態宣言後、非対面、テレワークで行っていました。
現在はお客様側と調整がついた場合のみ訪問、対面での営業も行いますが、割合的にはまだテレワークでの営業が多い状況です。
そこで、どのような状況か聞いたところ、以下の通りでした。

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図にするほどの話ではないですが、つまりは、チャネルでの差というより、既存先か新規先かという方が大きいということです。

既存先は、お客様も「対面は厳しいよね」という話になって、「テレワークというかTV会議って試してみようか?」という感じで始め、今では問題なく活用しているとのことで、想像以上にうまくいっているようです。

新規先は営業部門として未だ試行錯誤中ではあるそうですが、未だ一部のハイパフォーマーの事例はあるものの、会社としてこれだ!というものは見つけられていない、とのことでした。

最大の問題はリーズがない、あってもメールで連絡できるところはすでに全部連絡してしまった、ということで、アポがそもそも設定できないということです。
これまでは、顔を出すことで相手のキーマンを探り情報を収集し、どうにかしてアポを取る、という工程がありましたが、対面ならではの手法だったことが、テレワークに移行したことで成立しなくなった訳です。

2、一部で成功しているテレワークでの新規開拓事例

なお、一部ハイパフォーマーの新規開拓の例、というのは、BtoCなのですが、既存先のお客様にお願いして、新規先を紹介してもらう際、既存先のお客様と新規先のお客様、そして営業、の「三者面談」を設定してしまう、というものです。

物理的に一箇所に集まる必要はないので確かにテレワークならではの方法で横展開したら有効では?と思いましたが、お客様との関係がかなりきちんとしていること、双方の個人情報にも留意をしながら会話を組み立てる必要があること、など、会社として横展開して、形だけ真似する営業担当が出てくるリスクを考えると安易に横展開できない、とのことでした。

まぁ、確かにしっかりとした舵取りが必要そうではあります。商材や業界によっては問題ないところもあるかもしれませんね。

3、テレワークでもハイパフォーマーはハイパフォーマー

興味深かったのは、対面でハイパフォーマーは非対面でもハイパフォーマーだったということです。

一部報道や調査では、テレワークの営業では、テクノロジーに抵抗感がない若い世代やこれまでは時間に制約のあった時短勤務の方などの新たな担い手が伸びているような話が多い印象だったのですが、当社の場合は、そういう事例もあるものの、ハイパフォーマーが調子を落とすことはない、ということでした。

その要因ですが、聞けば納得の以下のようなものでした。

○もともとしっかりしたアポ(何をするためのアポなのか明確なアポ)を取って面談していた
 → テレワークでもアポの取得がしやすい
○もともと面談中の話の要点が整理されていて明確
 → 画面越しという情報が限られる状況でもお客様にとってわかりやすい
○もともと時間を守る意識が高く、面談も質疑応答も含めて時間内に終わるよう組み立てられてい
 → TV会議で時間オーバーにならない
○もともと事務面もきちんとしている
 → ハンコが必要な書類のやり取りがミスなく1度できちんと終わる。
○もともと面談数は多かった
 → 通勤時間と商談と商談の間の移動時間がなくなったことで、面談に使える時間が倍になったと喜んで、実際に活動量が倍になった。

さらに、対お客様に留まらず、以下のようにチームメンバーにもよい影響を与える場合が多く見られるそうです。

○もともと新しいことを試すことが好きで、テレワークでの営業も面白がって取り組んでいるし、自分の事例も積極的に共有、フィードバックを求める。
○もともと謙虚だが、テレワークの営業ではみんな一斉スタートだということで、従来にも増して謙虚な姿勢で若手からもヒントを得ようとしたり、自身のネットワークで他の営業所などから情報を仕入れ共有する。

一方で対面でのローパフォーマーは非対面でもローパフォーマーで、その理由が明確になり始めている、とのことでした。
ほとんど、ハイパフォーマーの裏返しです。

●もともと既存先であっても、しっかりしたアポがなく、「近くに来ましたのご挨拶に〜」で面談数を稼いでいた
 → お客様が面談の必要性を感じず、アポが入らない。
●もともと事前準備が不十分で面談に臨んでいた
 → 時間管理もできておらず、話の要点もよくわからないので「なんだったのか?」とお客様が感じてしまい、次のアポが入らず、どんどん空き時間が多くなっている。
●もともと事務ミスが多い
 → 運よく契約となっても、書類の不備が発生し、郵送でのやり取りで日数がかかったり、契約が流れたりする。

営業部門の管理職である彼は、ローパフォーマーにも気づきがあっただろうから徹底的に育成し直しの機会にする、と意気込んでおりました。。。

4、営業だけでは解決できないことが分かる、企業力のリトマス試験紙

一方で、会社としての体制面の課題も炙り出されたようです。

☑️新規開拓は営業任せの部分が多かったが、会社としてマーケティングを強化し見込みの高いリーズを営業に供給できる体制を構築すべき
(当社の場合、マーケティング担当部署はあるものの、ふわっとしたコピーの入ったイメージポスターとか広告物とかを作ることと、外部ベンダーを使った顧客調査(必ずしも当社顧客ではない先)をして市場分析をすること、が中心です。。。)
☑️テレワークで営業となると、それに合わせた事務処理フローの構築が必要。最後がいきなり郵送でのやり取りというのは解消したい。
☑️同様に顧客フォローもテレワーク前提でフローを見直す必要がある。

つまり、営業に頼ってきた部分で会社で代替をすべき課題も多く出てきたことが分かったということです。いわば会社の「リトマス試験紙」です

巷で言われるMA(マーケティングオートメーション)、SFA(セールスフォースオートメーション)、CRM(カスタマーリレーションマネジメント)もそのシステムを入れればよい、ということではなく、現在のように課題が明らかになり、何を置き換えるのか、何を強化するのか、ということがわかって初めて有効かどうかわかるものです。

今のように顧客開拓から契約、その後のフォローまで営業が、しかも1担当者がやっているのでは、単に報告に入力するシステムが変わるだけになりかねません。
会社全体として、マーケティングに何をどこまでさせるのか、営業に何をどこまで、サービス部門に何をどこまで、という分業があって初めて意味があるはずです。

これまで最大の壁(と思っているだけ?)のお客様の「1人の担当に言えば全部済むのがいい」という意識も今回のことでかなり変わると思います。
営業側の反対も今なら少ないでしょう。

今は改革の絶好のチャンス、と言えるのではないでしょうか。

5、まとめ

久しぶりに長くいた営業の話を聞いてたいへん楽しかったですし刺激になりました。

お客様とのコンタクト方法が変わったとしても、購買に至るまでのステップは変わらないはず(もしここまでに影響を与えるような兆候があれば早く掴みたいです)なので、実は重要なことは変わらないのだと再認識しました。

だからこそ、単に形でなく真にその意義を理解しているハイパフォーマーは対面だろうが非対面だろうが成果を出せるということなのでしょう。

この点については昔とった杵柄がまだ有効だとちょっとホッとしました。

でも、個人でできることは限られています。部門を超えた会社単位での全体最適を目指して私も今いる本社部門で動いていこうと思いを新たにしました。


最後までお読みいただきありがとうございました。

皆様のお仕事に少しでもお役に立つことがあれば嬉しいです。

営業については以下のようなものを投稿しています。
ご興味がありましたらぜひご覧ください。


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