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営業はいらない、と言われる時代に営業をマネジメントすることで得られること③〜営業プロセス標準化〜

いま、営業を統括する立場のマネージャーは、様々な変化、プレッシャーで悩みは尽きないでしょう。しかも営業はいらない、とまで言われる時代に…

営業の研修講師をしていた関係もあって、様々な相談が増えています。
そうした相談内容をケースに分けてメモしています。

これまでにご紹介したケース
一生懸命部下を助けようとするあまり目線が下がってしまったケース
営業プロセスが標準化されていないケースの「まずできること」

今回は、営業プロセスの標準化をすべき理由とその方法ご紹介します。


1、なぜ営業プロセスは標準化すべきなのか?

まず、営業プロセスに関しての段階を書き出してみました。

第0段階 営業プロセスがない
第1段階 営業プロセスは作ったが誰も使っていない
第2段階 営業プロセスは知っているし言葉も使っているが統一されていない
第3段階 営業プロセスは浸透し、定義も統一されている

第3段階のつもりだが、実際は第2段階、というのが一番多いパターンです。

実は、この状態が一番マズいのです。

なぜか?

同じコトバを使っていても、そのコトバに対する解釈が違っていると、ミスコミュニケーションが起こり、報告を受けた上司は事実とは異なる認識に基づいて指示や対応を行なってしまうからなのです。

例えば、
営業プロセスに「アプローチ」というプロセスがあったとします。

でも、そのプロセスでなにをするか、という認識が、

部下は「最初の面談」
上司は「次のプロセスに進むために興味を引きつけるプロセス」

であるとすると、同じ「アプローチ」というプロセスを話していても、会話としては通じるかもしれませんが、その本質、なにをするのか、というところが噛み合っていないまま、ということになります。

なまじ、お互い同じコトバを使っているがために、このようなことが起こるのです。

まだ、第0や1段階の方がお互い分かっていない認識がある分、噛み合わない、ということは起こりません。

ですから、もし、営業プロセスがあるのであれば、各プロセスがどのようなプロセスなのかまで、きちんと共通認識がある状態まで持っていくことが出来なければ、逆効果になります。

これが営業プロセスを標準化すべき理由の1つ目です。


2、DXには営業プロセスの標準化が絶対条件

営業プロセスの標準化が必要なもう1つの理由は、DX移行の準備です。

DXに最も向かない営業組織は、結果だけが重視され、営業手法は完全に個々に任されている組織です。

Aさんはとにかく仲良くなることから始めて、その後売る。
Bさんは提案型営業でロジカルに売る。
CさんはDMと電話を組み合わせた新規開拓で売る。

このような営業組織でDXを導入はかなり難しいでしょう。

3種類のプロセスを管理することまでは可能かもしれませんが、単に一人一人の進捗管理をデータ化するだけに終わり、それに投資する意味はないでしょう。

企業がDXを導入する目的は、当然ですがより儲けるためです。

会社全体で、担当者が変わってもきちんと対応できる体制を構築することで、例えば、営業がアフターフォローに時間を取られることがなくなり、顧客満足度も上げながら、生産性を上げることができる=より儲かる、ということです。

もちろん、顧客データを分析して云々、というのもありますが、それは導入前には読めない数字です。

むしろ、ボトルネックとなっているリソースがあるならば、その負荷を軽減させる(例えば、アフターフォローは営業にさせないでコールセンターでする)ことで生産性を上げる、というのは導入前でも読める数字です。

そのためには、まず、営業部門で、営業プロセスの標準化をしておく必要があります。

これが営業プロセスを標準化すべき理由の2つ目です。


3、標準化をどのように行うか

では、標準化はどのように行えばいいのでしょうか?

標準化、というとガチガチの管理を想像するかもしれませんが、その逆です。

標準化する際のポイントは、

❌そのプロセスでなにをするのかを決める
⭕️そのプロセスでは、顧客にどういう状態になってもらうかを決め、その次に、そのためになにをするのかを(仮に)決める

です。

ですので、そのプロセスで顧客になってほしい状態にするために、もっと効果的な方法があれば、それを他のメンバーでも共有し、場合によってはそのプロセスでなにをするのか、を変更しても良いわけで、メンバーに創意工夫の余地は残されています。むしろ改善を奨励します。

しかも、何のためにやることなのか、が明確ですから、他のメンバーも取り入れやすく、全体の成長にもつながります。


4、まとめ

いかがでしたでしょうか?

「営業はいらない」と言われていますが、あの本の趣旨としては、頼まれてもいないのに通い詰めることで販売するような営業手法はもういらない、ということです。

この感染症で飛び込み営業や足繁く通う営業も難しくなるでしょう。

となると、新規開拓をWebで、とか、商談をWebで、とか、いう話になりがちです。

でも、今でも歓迎されていない営業手法を、Webにしたところで対面を非対面にすること以上の効果は得られないでしょう。

そうではなく、顧客の購買プロセスに合わせた営業プロセスを営業部門だけでなく、会社全体で共通認識認識を持つレベルまで「標準化」できれば、DXで何らかのシステムを導入せずとも、全社レベルでの最適化が可能となるはずです。

そのためにも、まずは、営業部門内で、営業プロセスを標準化することが重要なのです。

もし、今、突然経営陣が、「DX導入だ!」となったときに、標準化した営業プロセスがなければ、ベンダーやコンサルのプロセスを押し付けられることにならないでしょうか?

そこまで見据えれば、今困難な状況であるからこそ、営業プロセスの標準化に取り組む意味、理由があるのではないでしょうか?


最後までお読みいただきありがとうございました。


本日は、営業プロセスの標準化をすべき理由とその方法についてメモしてきました。
明日は、営業プロセスの標準化がもたらす効果についてご紹介したいと思います。


お役に立つところがあれば嬉しいです。

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