『生まれてきたことが苦しいあなたに』  最強のペシミスト・シオランの思想



読んだ。

以下、ChatGPTいわく。


エミール・シオラン(E.M. Cioran)は、20世紀を代表するペシミズム(厭世主義)の哲学者・作家です。彼の思想は、人生の苦しみや無意味さを直視しながらも、その中に独特の洞察やユーモアを見出すものです。「生まれてきたことが苦しい」と感じる人にとって、彼の言葉は共感と新たな視点を提供してくれるかもしれません。


シオランの基本思想

1. 生まれてきたことそのものが苦しみ
シオランは「人間の最大の不幸は生まれてしまったことだ」と述べ、存在そのものが苦しみの根源であると考えました。彼はこの視点を悲観的というより、むしろ冷静な事実の観察と捉えています。

2. 生の無意味さ
シオランは人生に「意味」を求めることを批判し、無意味さを受け入れることが人間の自由を広げると考えました。この無意味さを悟ることで、執着や強迫観念から解放される道を示唆します。

3. 皮肉とユーモア
シオランは厭世的な思想を持ちながらも、皮肉やウィットに富んだ表現を多用しました。これにより、人生の苦しみをただ悲観するのではなく、笑い飛ばす視点も提供しています。

4. 絶望の中に見出す美しさ
彼は絶望そのものの中に美しさを見いだし、「苦しむことができる」という感情の深みを肯定的に捉えることもありました。

シオランの言葉の一部

• 「生まれてきたことは誤りである。」
シンプルで衝撃的な言葉ですが、これはシオランが存在そのものの矛盾を冷徹に見つめた結果です。

• 「幸福とは麻痺した状態に過ぎない。」
幸福の追求が苦しみを隠す一時的な状態であることを指摘します。


生きることに苦しむあなたへ

シオランの思想は、必ずしも苦しみから救ってくれるものではありません。しかし、彼の言葉を通じて、「苦しみを感じるのは自分だけではない」「その苦しみを直視してもいい」と感じることができるかもしれません。そして、苦しみを笑いや皮肉で包む視点を持つことで、心に少しの余裕を持つことができるでしょう。


以上、ChatGPTより。



本文から、印象的だった箇所を抜粋。



シオランによれば、この世界で成功するためには悪徳を利用しなければならなかった。
それを利用できない人間、憎むことのできない衰弱した人間には、失敗が待ち受けていた。

しかし、失敗を選んで何が悪いというのだろう?
何も悪くないのだ。

それは怠惰人間には破滅が待ち受けているが、怠惰人間であること自体は何も悪くないのと同様だ。
失敗だろうと破滅だろうと結構だ。

とことん失敗してやろうではないか。
こう考えることで、また違う道が開けてくる。

第一部 第三章 憎悪と衰弱 筆者の言葉




けさ、ある天文学者が、宇宙には何十億個かの太陽がある、と喋っていた。聴いたあと、私は洗面をやめてしまった。いまさら顔なんぞ洗っても仕方がないではないか。

第一部 第五章 人生のむなしさ シオランの言葉




人はペシミストであるかぎり、解脱に至ることはできない。世界と和解することはできない。

ペシミストとは人生を嫌悪し世界を呪詛する存在のことをいうのだから。

だからシオランから解脱をはばんだのは、彼のペシミズムであるといえる。

ペシミズムは嫌悪と呪詛に固執してしまう。言い換えれば、人生と世界を憎むことを愛してしまう。そのような愛こそ、解脱の道において捨てなければいけない最たるものだ。

第二部 筆者の言葉








図書館で、もうニヶ月くらいずっと借りていたのだが、つい最近、次の予約が入ったことを知り、この本を読みたいという人がいるのだ、と嬉しい気持ちになった。


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