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子育ても学級経営もゲーム化しちゃおう【がんばらない戦略】

「ゲーム」という言葉に対して、
あなたは良いイメージですか?

それとも、悪いイメージですか?


子「ママ!ゲームしてもいい?」
母「だめよ、今日はもうたくさんやったでしょ」
子「もっとゲームやりたい!」
母「だめ!」
子「ゲーム!ゲーム!ゲーム!」
母「(怒)」

こんな親子の攻防が、世界中で繰り広げられていることでしょう。

ゲーム=遊び
ゲーム=依存

こんな風に、ゲームをネガティブなものだと思う大人はまだまだ多いのではないでしょうか。


でも、やっぱり楽しいものであることに違いありません。

楽しい部分だけ、うまく取り入れることはできないでしょうか?


➣ゲームで得られる「ドーパミン」の正体

世界中の人がゲームにハマるのには理由があります。

それは脳内物資の「ドーパミン」。

ドーパミンは、「達成」や「成功」によって得ることのできる脳内物質です。

欲しいものを手に入れる、目標を達成する、成長を感じる、他者に認められる、などがドーパミンが出る瞬間です。


ゲームは、このドーパミンを絶妙に刺激して、脳に快楽を与え続けます。

その快感が忘れられず、
「もっと、もっと、もっと!」
と、さらに強い刺激を求めていきます。
これもドーパミンの性質で、ここにハマっていくと「ゲーム依存」の状態に陥ってしまいます。

ここがドーパミンの怖いところ。

ゲームだけでなく、お金、恋愛、ギャンブル、お酒、スマホ、SNSなど、ドーパミンによる快感が欲しくて依存してしまうものは、私たちの周りにたくさんあります。


しかし、私たちの「モチベーション」や「やる気」の源もドーパミンです。ドーパミンが出るから「頑張る」「努力できる」し、結果として「成長」「達成」につながります。

「楽しい気分」や「おもしろい」といった感情もドーパミンです。


ドーパミンの特徴をまとめると、
「楽しい・おもしろい」→「やる気が出る」
→「頑張る・努力できる」→「成功・達成」
→「もっとやりたい」

というサイクルになります。

さらに大きな成功や達成を求めて依存していくのは怖いところですが、ドーパミンのこれらの特徴は、子育てにおいて重要な要素がたくさん詰まっていると思います。


➣学級経営をゲーム化する

このドーパミンの特徴を、学級経営をゲーム化することで組み込んでいくことはできないでしょうか。

例えば、「ビー玉貯金」というものが、有名です。

みんなで目標を決めて頑張り、達成できたらビンや箱などにビー玉を入れる。10個たまったらお楽しみ会など、みんなで楽しいことをする、といったものです。

「楽しいこと」という報酬があると「やる気」が出て、大変なことでも「頑張る」ことができます。ビー玉貯金は、子どもたちのドーパミンを上手く刺激して、学級経営の一部をゲーム化した例です。


子どもの個人的な取り組みだと、「がんばりカード」というものがあります。

発言や給食の完食、宿題の提出など、がんばる項目を達成し、「がんばりカード」にシールを貼っていきます。全部貼れると賞状がもらえる、そんな仕組みです。

これもゲーム化ですよね。


そう考えると、学校生活や子どもたちの学びの中の様々な場面において、ゲーム化された仕組みが組み込まれています。

この仕組みのよいところは、うまくゲーム化できれば子どもたちが勝手に動き出すという点です。いやなことや苦手なことにも頑張るようになります。

すると、大人が必要以上に注意する機会が減り、子ども同士が助け合うチームになっていきます。大人は管理者となるイメージです。

単純に、子どもたちが自ら動くようになるので、大人の負担がとてつもなく減ります。この効果はかなり大きいです。


➣ゲーム化は「義務」を「娯楽」に変える

いやなことをゲーム化することについては、「がんばらない戦略」(著 川下和彦、たむらようこ)という本でも分かりやすく紹介されています。

一部を引用します。

勉強でも運動でも仕事でも、やることを義務だと思うとそこに苦痛が生じるよね。(中略)ところが、やることを娯楽だと思えば、子どもがゲームにハマるように夢中になっていく。(中略)一見つまらないと思うようなことでも、自分がゲームの開発者になったつもりでルールをつくることができれば、しんどいことも楽しく続けられるようになるのさ。

本書は、とてもゆるーい感じでおもしろくて読みやすいです。がんばっている人が、もう少し楽にがんばれる方法がたくさん紹介されています。


現在、コロナ禍の学校生活は、なかなか子どもたちにキツい生活を強いられています。

授業中も、給食も、掃除も下校も。
無言、無言、無言・・・。

休み時間には三蜜を避け、ことあるごとに手洗いをする。

今までとは全く違う生活様式も一年続き、疲れと慣れが見られます。


そんなつまらない学校のきまりが「義務」だと、そこに苦痛が生じます。これが「娯楽」になるのなら、しんどいことも楽しく続けられるようになるかもしれません。

毎日子どもに注意をして、疲れ切っている教師(親)も解放されるかもしれません。



ゲーム化したり、報酬を与えたりする子育てについては、否定的な意見もたくさんあることと思います。

でも、今まで苦痛な思いで頑張っていたことが、頑張らなくてもできるようになるのなら、僕はそっちの方がいいと思います。

人間は慣れる生き物ですから、次第にできる方に慣れ、できていないと気持ちが悪いと感じるようになるでしょう。

簡単にできるようになったら、ゲームのステージが上がるように、少し課題を難しくすればいいだけです。


ゲーム化してドーパミンを操る。

大人も子どもも、目標を達成し楽しい人生を歩むために大切な考え方なのではないでしょうか?




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