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【詩】優しい夜

ほのかに照らされた
部屋の中、
手のひらの上に
ちょこんとある白い粉を
ぼくはフーッと吹いた

まるで魔法の粉が
風に乗るように
ひらひら淡く輝いては
暗がりに消えていった

ああ、ここはどこだろう?
まるで静かな洞穴のようだ

しばらく浸っていようか

みんなは眠りに
ついているのだろうね

外に広がる街に
聞き耳を立てた

ああ、みんなの寝息が
まるで波の音のように
聞こえるようだ

この街は静かで
美しいと思える

みんなはどんな夢を
見ているのだろうね?

楽しい夢かなあ?
幸せな夢かなあ?

もし、悪い夢に
うなされていたのなら

楽しい夢に
書き換えてしまおう

でも、きっとぼくには
そんな力はないだろう

それにぼくは
あなたの夢に
触れることはできない

もしあなたを
助けることができるなら

ぼくは魔法を届けよう

静かな夜よ、
この街に子守唄を
歌ってくれませんか?

きっとそんな魔法が
あなたの耳にも届き、
悪い夢は去ってくれるだろう

そう信じている

穏やかな夜
きっとみんな、
優しさに包まれる

そんなことを
思い描きながら

ぼくは朝を待った

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