【詩】ものたちの心
たそがれた部屋で
椅子にだらしなく
座ったぼくは
時が止まっているようだ
と、思った
この部屋にある
ものたちは
呼吸をしていないかの
ように思えた
唯一、呼吸をしているのは
ぼくが手にしている
ペンだけのようである
このペンはまるで
虹色の魔法を
兼ね備えているかのようで
ぼくは期待を込めた
ぼくはこの部屋の
息づかいを聞きたい
ペンは駆け回った
虹色を振りまくように
さあ、みんな
歌を歌え!
ぼくはなんとなく
ささやき声を
聞いた気がした
それは淡い期待が
そうさせる
幻かもしれない
でも、ペンは
駆け回った
まるでぼくに
部屋にあるものたちが
心を見つけてほしい
という声を届けたいかのよう
それは、
ぼくにはなかなか
見つけられないかもしれない
でも、時間はかかるかも
しれないけれど、
ものたちの心を
いつか感じ取れたのなら
と、思えた