【...はぁ?】ほらぐちともこ:日本が核ミサイルの配備を計画している~中核派洞口朋子杉並区議会議員の発言~
いつものことながらベッドでYouTubeを見ていると、このような動画が表示された。
安倍晋三元首相の国葬儀に関する、「ABEMA 変わる報道番組 #アベプラ 【公式】」の動画だ。
私は安倍晋三元首相の国葬儀に賛成の立場であったが、本筋とズレる、また済んだことであるのでここでは論じない。
本記事において論じるのは、上記動画における洞口朋子氏の、以下の発言についてである。
この発言付近を切り抜いている動画を発見したので、以下に張りつけておく。
私の確認している範囲において「岸田政権が核配備計画を進めている」などという話は聞いたことがなく、また日本には「非核三原則」が存在し、岸田首相はそれを堅持する姿勢を見せている。
仮に、洞口氏が言うように「岸田政権が核配備計画を進めている」のであれば、 安全保障上は喜ばしいことであるが 政治的に大問題である。
本記事では、この放送に関して洞口氏が自身のブログに掲載した文面に基づいて話を進めたいと思う。
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洞口朋子氏は杉並区議会議員をされており、自身を「中核派」であると位置づけている女性である。
本記事において洞口氏の人格を攻撃、人間性を否定するつもりはないが、彼女が公人である以上、彼女の言論は厳しく批判されて然るべきだろう。
私は洞口氏を、美人でいらっしゃるし、他人の話を頷きながら聴くなど、「政治思想を除けば」素敵な女性でいらっしゃるのだろうと思っている と媚びを売ったつもりだが、逆に「ルッキズム」だ「セクハラ」だと断罪されるかもしれない。ちなみに噓は言っていない。
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以下より、洞口氏のブログから引用を行い、指摘を行っていく。
まず第一に、「敵基地攻撃能力=先制攻撃」ではない。
「敵基地を攻撃する」ことは「敵基地を攻撃する」ことであり、それ以上の意味を持たない。
この「敵基地攻撃能力」の「発動要件をどこに設定するのか」によって、「反撃能力」となるのか、「先制攻撃」となるのかが意味づけられる。
「反撃能力」であればこれは明確に専守防衛の範囲内であり、「先制攻撃」の場合であっても、国際法および日本国憲法と照らした上で規定するのであれば、仮に名称が「先制攻撃能力」とされたとしても問題はない。
そして「私はこの2つの記事を読んで、アメリカは中国との戦争・核戦争を本気で準備しつつあると感じました。」のことだが、これは洞口氏の感想に過ぎない。
現時点で、アメリカは「中国との戦争・核戦争を準備している」などと発表していないのだから。
私は「アメリカが中華人民共和国との戦争を準備している」という考えには同意するが、これは中華人民共和国が力による現状変更を企てているためであり、これを理由にアメリカを責め立てるのはお門違いであると考えている。
また、中華人民共和国とアメリカの間には相互確証破壊が成立しており、アメリカが「核戦争を準備している」とは考えづらい。
洞口氏は「ちなみに自衛隊が保有する新型の中距離巡航ミサイルは、核弾頭搭載可能のものです。」と述べており、当該記事に記しているということは「日本が核配備計画を進めている」という主張の根拠としていると考えられるのだが、これを根拠とするのはあまりに暴論が過ぎる。
「核弾頭搭載可能なものを配備している(能力を保有している)=核配備を計画している(実行する)」という論は、「人を殺せる包丁を持っている人間(能力を保有している)=殺人を計画している(実行する)」、「包丁を持てる手を持っている人間(能力を保有している)=殺人を計画している(実行する)」と言っているのと同じことである。
このような論が通るはずがない。
また、「私は、戦争・核戦争を絶対に許さない立場で、危機感を持って訴えています。逆に言うと、ひろゆき氏らは戦争に賛成するような無責任な立場で、証拠を示せ、公文書を示せ、と言っているのだと怒りを感じました。」とのことだが、呆れてモノも言えない。
「証拠を示せ=戦争賛成」などという謎の論理は、「暇空茜氏がColaboの『不正会計』について住民監査請求を起こしたことに対し、『共産党と強いつながりがあるColabo代表仁藤夢乃さん(暇空氏より)』が暇空氏を誹謗中傷で提訴し、弁護団が暇空氏を『リーガルハラスメント』であると罵った」=「会計の証拠を示せ=リーガルハラスメント」という、Colabo事件に通ずるものがある。
公的な手続きや議論において、「根拠」となる「事実」の提示がなくては話が進まないというのは当然のことである。
「各々が自身の想像、空想、妄想をもとに話を進めてしまっては物事が進まないので、事実(ファクト)をもとに議論を行いましょう」というのが人類の知恵であり、「ファクトを示せ=戦争賛成、リーガルハラスメント、ミソジニー」であるなどという言動は、世間一般に見て「おかしい」ものであると評価せざるを得ない。
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これに関しては、岸田文雄首相が2022年3月7日の参院予算委員会において、非核三原則について「私の内閣としても国是として堅持をしている」と述べているため指摘に当たらない。
岸田政権は、「核を持ち込ませない」という趣旨が盛り込まれた非核三原則を堅持すると明言しており、これは「核弾頭は持ち込まない」に匹敵する発言である。
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安倍晋三元首相が議論を提起された「核共有」について、私は現実的に議論すべきであると考えているが、安倍氏に決定権はなく、また岸田政権は非核三原則の堅持を明言していることから、現時点において「沖縄・南西諸島を中心に配備される中距離ミサイルに核弾頭が装備される可能性が高いと考える」のは「妥当」ではない。
このような論が「妥当」なのであれば、「自衛隊を維持する 軍事力を保有している ことは、侵略戦争を企てていると考えるのが妥当だ」などという論も通ってしまう。
我々は「法」や「決議」に縛られているのであり、決定権を持たない個人の発言や「能力の保持」によって公的な行動を左右することはできない。
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麻生元首相の「台湾でドンパチ」発言というのは、麻生氏が「沖縄、与那国島にしても与論島にしても台湾でドンパチが始まることになれば戦闘区域外とは言い切れないほどの状況になり、戦争が起きる可能性は十分に考えられる」と語ったものを指していると考えられる。
また、安倍元首相の「台湾有事=日本有事」発言というのは、安倍氏が「台湾への武力侵攻は地理的、空間的に必ず、日本の国土に重大な危険を引き起こさずにはいない」との認識を示し、「台湾有事は日本有事だ。すなわち日米同盟の有事でもある。この認識を習近平国家主席は断じて見誤るべきではない」と指摘したことを指しているのだろう。
中華人民共和国が台湾への武力侵攻を開始した場合、第一に、日本はシーレーンを封鎖されることとなる。
「シーレーン」とは「海洋国家の経済・貿易などにおいて戦略的重要性を有する海上交通路」を指し、この「シーレーン」が封鎖された 通航不能になった 場合、物資やエネルギー資源の大幅な値上げが起き、物価の極端な高騰が考えられる。
また、戦闘領域が拡大した場合、最悪の想定として石油資源の輸入が不可能となる事態も有り得ないとは言えない。
加えて、このシーレーンの問題に関連し、台湾有事において使用が想定されている「機雷」が浮流し、日本近海および港湾に漂流するような状態になった場合、船舶交通に大きな制限を受け、船舶に接触した場合は人命に関わる甚大な被害を及ぼすこととなり、これは「存立危機事態」の要件を満たす可能性がある。
さらに、南西諸島は沖縄よりも台湾に近い地理にあるため、戦闘領域に含まれる可能性も充分に高いー-というかほぼ確実に含まれるー-と考えられる。
これは明確に、我が国の領海内において戦闘行為が行われることを指しているのであり、日本として動かざるを得ない状況になる。
また、機雷戦が行われた場合には、潜水艦などをはじめ海軍が迂回路をとり、我が国の領海を大きく犯し、沖縄県民の安全を脅かす事態となる。
加えて、2022年8月4日、中華人民共和国が軍事演習として発射した弾道ミサイルが日本のEEZー-排他的経済水域ー-の内側に着弾しており、これは与那国島を攻撃対象とした訓練であると考えられている。
つまり、台湾有事において沖縄が明確な戦闘領域および攻撃対象となり得る可能性は充分に考えられるのであって、これを念頭に置いた安倍氏・麻生氏の発言を「米日政府による中国政府転覆をめざした侵略戦争」と捉えるのは歪んだ認知であると言える。
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本記事において解説してきた通り、洞口氏の「核ミサイルの配備計画がある」という発言の正当性を証明するものは何ひとつとして存在しないのであって、これを議員の立場で口にされるのは如何なものかと思う。
「私は日米が核ミサイルを日本に配備して中国を侵略しようとしていると思う」というのであればそれは「現実から目を逸らしている一意見」として認められるが、「核ミサイル配備計画を岸田政権が進めている」と断言するのは「デマ」であると言うほかないだろう。
また、安倍晋三元首相の国葬儀は「安倍政治の美化」などではなく、「テロに屈さないという国家意思を示す」ものであり、「弔問外交」を行うものでもあった。
さらに、憲法9条の改正は「核戦争への道」などではなく、「侵略戦争を否定したまま そもそも国際法によって禁じられている 、自衛権の存在を明記し、自衛隊の存在を明記する」ことであり、日本国憲法が制定された当時とは大きく変化した安全保障環境に対応した改正を行うということである。
加えて、憲法改正を「憲法の破壊」と言う者もあるが、日本国憲法そのものに改憲条項が明記されており、また改正の是非は国民投票によって決定されるものなのであって、「自民党が独裁政治で恣意的に改憲する」などということは有り得ない。
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洞口氏におかれては、自身が公人であるとの自覚を持っていただき、根拠に基づいてご発言いただくよう願うばかりである。
以上。
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