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清-note(幼児教室の現場から)

幼児教室の先生をしています。じっさいにお受験を指導してきた立場から、お若いご両親に知っていただきたいことやお受験への取り組みかたなどをわかりやすくお伝えしていくマガジンです。週に…
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#面接

願書に書くことは足で探そう

ご両親相手に願書の指導をしていてよく聞くお悩みが、「書くことがない」「なにを書いたらいいかわからない」というお言葉です。 その前にひとつご説明すると、願書には大きくわけて二つの書く欄がございます。 「入学希望理由」 と、 「お子さまを育てる上で大事にしてきたこと、またはお子さまががんばってきたこと」 です。 一般的にお母さまは自分のお子さまのことを書くことに関してはあまり苦にしません。それが願書という文脈に適切かどうかはともかく、さすがに長くいっしょにいるだけあってお

ご本は読み聞かせしていますか?

ちまたでは年々街中の書店の数が減っているとか、成人の年間読書量が落ちて言っているといった、いわゆる「読書離れ」のニュースが報じられることの多い昨今ですが、お受験界隈では今も「本」と「読書」は重要なテーマのひとつです。 面接で定番の質問に、 「お子さまのいちばんすきな本はなんですか?」 「お父さまは一日にどれくらいご本の読み聞かせをしていますか?」 というものがあります。 これはけっこうな確率で訊ねられる問いで、訊ねられたらむしろラッキーと思うほどの鉄板質問です。当然

お受験にのぞむこどもたち

これまでこのnoteではさんざんご両親のことばかり書いてきたので、このあたりで一度お受験の主役であるこどもたちについて書かせていただきたいと思います。 と言っても、ぼく自身は「お受験の主役はこどもである」とはあまり思っていませんで、むしろ「どう考えたってお受験の主役は親御さんだろう」という思いを長年抱え続けてきました。このことをわかっておられないご両親が多いこと、そしてそのことに気づいてほしいという想いがこのnoteを公開するに至ったひとつの動機になっていますが、お子さまの

意外とむずかしい兄弟で同じ学校

お受験指導の仕事をしていると、たまにひどく楽天的なご両親に出会います。受験年に入ってものんびりしているし、出願の時期が見えてきた夏頃になってもご家族全体がどこか鷹揚としている。 ぼくが「のんびりしすぎじゃないですか、お母さま。そろそろエンジンをかけた方がいいですよ」と言うと、「大丈夫です、先生。うちは上の子がもう受かってるんで」とどこ吹く風です。ですがこういうご家庭がいちばん危ないのです。 ご兄弟、あるいは姉妹で同じ学校に通いたいというご家庭は多いと思います。学校が同じで

父親の底力

このページではいつも父親を腐してばかりいるので、たまにはお父さまの素晴らしいエピソードも紹介していこうと思います。 育児界隈やお受験界隈ではとかく影の薄いお父さま。主役であり、フロントマンであるお母さまにくらべると、その存在感はあまりぱっとしません。お受験をドラマに例えれば、主役をはり、セリフも多く、物語の中心にして主演女優であるお母さまに対して、お父さまの存在はその他大勢の役者たちに紛れてしまうほど小さなものです。出番は一話つき一度あるかないか。セリフも少なく、その扱いは

シングルマザーは受験に不利か?

冬、お受験シーズンが終わると、お受験志望のお子さまを持つお母さまからお問い合わせの電話がかかってきます。 「あのー、息子が小学校受験したいのですが、大丈夫でしょうか? 四歳なんですけど」 「もちろんです」 「でもあの、わたし、先年、夫と離婚しておりまして……」 お子さんのお受験を志望される、いわゆるシングルマザーのお母さまからの問い合わせをいただく機会は年々増えています。ぼくが担当するご両親のうち、何割かが母子家庭/離婚されたお母さまであることはめずらしいことではありませ

おけいこは子育てではない

面接練習をしていて「これまでに子育てでがんばってきたことはなんですか?」という質問に対し、お母さまの中には自信満々で、 「三歳の頃から毎日ピアノを続けています。レッスンは一度も休んだことはありません。先日のコンクールでは入賞を果たし、拍手喝采を受けました」 とお答えになる方がいます。そんなとき、わたしはこう訊ねます。 「それって、がんばったのはお子さん本人とピアノの先生ですよね? お母さまは何をしてたんですか?」 まあ、いじわるな指摘なのですが、この方に限らず、おけい

お受験が原因で離婚!?

お受験指導の現場ではときどき予想だにしなかったことが起きます。中でも困るのが、面接練習の最中にけんかを始めるご夫婦です。 はじめは質問の受け答えがうまくいかない、ご夫婦でおたがい言うことがちがうなど、ささいなことがきっかけなのですが、次第にどちらもエキサイトしてきて、面接官役の我々の前で派手な夫婦げんかがはじまります。 お母さまは責めます。曰く、「あなたは日頃から協力的でないのよ!」「質問事項くらいちゃんと予習してきて」といった感じで、対してお父さまは「ぼくは最初から受験

子の成長速度≫≫≫親の成長速度

「お受験は親で決まる」と前項で書きました。 こういうことを申し上げると、「じゃあこどもはどうなんだ。お受験をするのに子どもの学力やレベルは関係ないのか」という疑問を抱く方もおられるかもしれません。 結論から言うと、そうした問いに対してぼくは、「関係ないわけじゃないけど、こどもはすぐ伸びます」とお答えします。 じっさいこの年頃のお子さまの成長スピードは尋常ではありません。いわゆる「幼児期」と呼ばれる4歳~6歳の時期は心身共に人生でいちばん成長する時期と言っても過言ではあり