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梅雨到来!雨の日に読みたいおすすめ作品5選。小説から大人向けの絵本まで、おうち時間は読書で楽しもう!

2021年は、例年よりも梅雨入りが早いようで。関東もそろそろ梅雨入りかな?

福岡の方なんて、去年より27日も早かったんですって。気象庁によると。だって、まだ5月だもんね。5月なんてまだ、ぽかぽか春気分よ。

さて、雨の日が多くて、家にこもりがちな梅雨の季節。

今回は、そんな梅雨の時期に読みたい、おすすめ作品を集めました。

『羊と鋼の森』宮下奈都――繊細で静かなピアノの調律の世界

2016年の本屋大賞受賞作。2018年には、山崎賢人さん主演で映画化もされた作品です。

一人前の調律師を目指す青年が、先輩やお客さんとのかかわりの中で、調律の奥深さに触れ、成長していく物語。心理描写、情景描写が繊細で美しく、言葉の美しさを味わいながら楽しめる1冊です。

雨音を聴いていると、ふだんよりも自然を身近に感じたりするじゃないですか。『羊と鋼の森』は、その雰囲気に、ゆるやかに溶け込んでくれる作品だと思う。

じつは冒頭、「秋の森」についての描写がでてくるんだけども。

森の匂いがした。秋の、夜に近い時間の森。風が木々を揺らし、ざわざわと葉の鳴る音がする。夜になりかける時間の、森の匂い。

わたしの中では、しとしと雨が降る中で、静かに読みたい1冊なので、取り上げました。いつ読んでも素敵な作品なのは、間違いない。



『三度目の恋』川上弘美――時空を超えた、柔らかくひそやかな恋の物語

こちらは以前、単独でご紹介したこともある作品です。

主人公は、恋多き男と言われた在原業平をモチーフにした男性と結婚した梨子という女性。不安が消えない毎日のなか、あることをきっかけに、毎日夢の中で時空を超え、別の女性として生きることに。

夢物語のようなふわふわとした読み心地で、雨音をBGMに、腰を据えてじっくりと楽しめる恋愛小説です。



『インストール』綿矢りさ――押入れのコンピュータからのぞく、大人の世界

前の2作とは視点を変えて、梅雨のジメジメした雰囲気と同じ空気をまとった作品も紹介したくて。

女子高生と小学生の男の子が、インターネットを通じて、大人の世界に足をつっこんでいくお話。2人は押入れに隠したコンピュータから、架空の人妻「みやび」を装い、チャット嬢として人気者になるが――ってお話。

20年ほど前の作品なので、インターネットの世界との距離が、今とまったく違いますが、隠れてこそこそ楽しむこのジメジメ感、ドキドキ感。体験してみてほしいです。



『何もかも憂鬱な夜に』中村文則――じっくりと考えさせられる、暗く重いテーマの1冊

こちらは、ちょっと重めのジトジト感。

2021年5月に『カード師』が発売されたばかりの、中村文則さんの作品です。施設で育った刑務官の主人公が、死刑確定が目前の、山井という男を担当する中で、自分の過去と向き合っていくお話。

死刑制度や、生と死など、重いテーマを取り扱っており、好みは分かれると思いますが、部屋でひとり、ゆっくりと時間をかけて読みたい1冊です。



『せかいいちのねこ』ヒグチユウコ――心温まる、優しい気持ちになれる絵本

最後は、画家で絵本作家の、ヒグチユウコさんの絵本をご紹介。

以下の記事でも取り上げた『せかいいちのねこ』という作品です。絵本としてはページ数が多く、文量も多いので、大人が楽しめる絵本だと思う。

ぬいぐるみのニャンコが、本物の猫を夢見て大冒険!行く先々で出会う本物の猫たちのやさしさに触れて、成長していくニャンコの姿に、心が揺さぶられます。

ジメジメでイライラしたとき、気持ちをさっぱりさせてくれる
と思う。


以上、梅雨の時期に読んでほしいおすすめ本紹介でした。あなたのお気に入りが見つかりますように!

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熊野ねこ
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