「構造塾」のnote  佐藤実(構造王)

noteでの発信内容です ・木造住宅の耐震、防災に関する情報 ・日々考えていること ・…

「構造塾」のnote  佐藤実(構造王)

noteでの発信内容です ・木造住宅の耐震、防災に関する情報 ・日々考えていること ・難しい専門知識を分かりやすく伝える方法 ご覧いただく皆様の安心して暮らせるヒントになれば嬉しいです!

最近の記事

心理的リアクタンス

心理的リアクタンスとは、自由に対する侵害に反発する心理的過程のこと。自由を制限されると逆のことをやりたくなる心理のことです。 具体的には、 見るなと言われると見たくなる、やるなと言われるとやりたくなる心理です。 そこで考えました、 「構造塾」やセミナーで「耐震等級3の木造住宅を建てましょう!」という話は、耐震はほどほどで良いと考えている建築士や建築業者にとって心理的リアクタンスではないかと・・・。 「耐震等級3を建てろ」と言われるとやりたくなくなる。 こんな心理が働くのか

    • 日本人の思いやりは偏っている?

      日本人は世界の中でも思いやりのある国民と言われています。 多分、多くの日本人もそう認識していると思います。 でも、本当にそうなのでしょうか? 例えば、優先席。 電車やバスに優先席があります。 思いやりのある国民ならば、優先席などなくても席を譲るはず。 しかし、 見方によっては優先性がないと譲らないのかもしれません。 そこで、思ったことは、 思いやりのバランスが悪いのではないか?ということです。 本来、思いやりは誰にでも平等であってほしいところですが、 日本人は思いやり

      • 構造計算を覚える上で困ったこと

        構造計算を覚える上で困ったことが3つありました。 1つ目は、セミナー、講習会に参加しても難しくて理解できない。 2つ目は、構造を相談する人、構造を聞ける人が身近にいない。 3つ目は、構造に関する本が難しくて理解できない。  構造計算の勉強を始めたころ、構造に関するセミナー、講習会にいくつも参加しましたが、講師の話している内容が難しくて理解できない・・・。 そこで、構造の初級セミナーを見つけ参加しました。 すると、講師は同じ方で、初級セミナーはわかりやすく話してくれると思いき

        • 経験と勘は、鉛直荷重だけ

          「経験と勘」という言葉があります。 とても良い言葉ですが、木造住宅業界ではネガティブに捉えられる場合があります。 例えば、現場で施工を行う大工さんが「経験と勘」という言葉を発します。 家造りの経験豊富な大工さんは、当然、勘も働きだします。 現場施工の経験のない者からすると羨ましい限りです。 しかし、 この経験と勘でマウントを取ってくる方も多いことも事実です。 設計業務は机上の作業、現場施工でできない者が家造りを語るな!とか、 俺たちが施工しなかったら家はできないんだ!など

          料理を教えているだけ、料理をしないと料理は作れないし上手くもならない

          料理番組をたくさん観ても料理はうまくならない。 これは誰でもわかることです。 料理がうまくなりたいのであれば、 行動(料理を作る)をしなければうまくならないのです。 もっと根本的な話で言えば、 料理をつくるという行動を行わなければ、料理はできません。 何を当たり前のことを言っているのだ?と思うかもしれません。 これは「いくら勉強しても行動しなければ何も変わらない」ということなのです。 「構造塾」で何年も勉強して、耐震等級3の必要性を強く思っても、 耐震等級3の建物をつくら

          料理を教えているだけ、料理をしないと料理は作れないし上手くもならない

          構造計算を行わない「普通」、「今まで」とはなにか?

          構造計算を行わない建築士や建築業者が 「普通」という言葉で構造計算結果を否定することがあります。 構造計算を行い、大きな断面の梁が出ると 「普通はこんな大きな梁が出ない」と言われます。 基礎がゴツくなると 「普通はこんなゴツい基礎にならない」と言われます。 構造計算を行い、吹き抜けが大きすぎることにより水平構面がNGとなると「今まではこのくらいの大きさの吹き抜けをつくっていたのに」と言われます。 構造計算を行わず勝手に決めた梁断面を「普通」と位置づける意味がわかりませ

          構造計算を行わない「普通」、「今まで」とはなにか?

          構造計算がコストアップ原因という誤解

          木造住宅は構造計算をされずに建てられてきた歴史があります。 構造計算経験が少ない建物は、構造計画という概念がない。 そのため、間取り作成を行う設計者は、 自由設計と称し構造計画を無視したメチャクチャな絵を描く。 それを構造計算すると力業(ちからわざ)の構造計算となり、 大きな梁が出る、ごつい基礎が出てきてコストアップに繋がります。 しかし、 この全体像が見えていない設計者の多くは、 構造計算すると大きは梁が出る、ごつい基礎が出る、 「構造計算はコストアップ」と言い出す始末。

          構造計算がコストアップ原因という誤解

          間取りのルールと自由度の誤解について

          よくある勘違い ①間取り作成に関する構造のルールについて ・ツーバイフォー工法:ルールあり ・在来軸組工法:ルールなし ②間取りの自由度 ・ツーバイフォー工法:自由度低い ・在来軸組工法:自由度高い これだけ見ると、在来の方がよさそうに見えますが そうではない・・・ ①間取り作成に関する構造のルール これは、工法に関係なく当たり前に考えるべきもの。 それをツーバイフォー工法は明確にしているだけで、 在来はそこを無視しているだけ。 ルールを無視しているから、 間取りに自

          間取りのルールと自由度の誤解について

          著書の再改定について

          著書「楽しく分かる!木構造入門(改訂版)」を 再度改定中です。 主な改定内容は、2025年の4号特例縮小関連。 実はこの本、 2012年発行のムック本「最高に楽しい木構造入門」が 元になっています。 この度、本の内容をじっくり読んでみたら ・内容が古すぎる・・・ ・誤解を招く表現が盛り沢山! かなりヤバい状況です。 そこで、4号特例縮小関連だけではなく、 本の内容を全体的に見直すことにしました。 世の中にある問題点 ・耐震等級3相当 ・4号特例縮小の誤解 などなど、こ

          その課題は「内向き」なのか「外向き」なのか

          知事の辞任が話題になっています リニアの反対をしていましたが この反対が「内向き」か「外向き」かが 気になっていました 「内向き」とは、県のため県民のための反対 「外向き」とは、選挙のため人気のための反対 もし、「内向き」の反対であれば 知事を辞任しても何らかの活動をするはず もし、「外向き」の反対であれば 知事を辞任したら後は勝手にどうぞとなるはず 辞任の記者会見をみていたら どうも後者のようなイメージを持ちました 政治的な話題ではなく 人が課題に取り組む本質はど

          その課題は「内向き」なのか「外向き」なのか

          「相手の時間」という感覚

          「相手の時間」を大切にできる人とできない人がいる 「相手の時間」を大切にできない人の特徴 ■打ち合わせ回数が異常に多い人 例えば、セミナー依頼があり事前打ち合わせをする もう一回、更にもう一回と 同じような打ち合わせを何度も行う 基本、決断力がない、段取りが悪い、不安 こんなイメージです ■セミナーの場合、数時間前に会場入りをさせる 数時間前に会場入りしてリハーサルと言われ 行ってみると主催者が来ない、リハが数分で終了 こんな事がよくあります 基本、段取りが悪い、不安 こ

          人はなぜ、耐震補強を行わないのか?

          能登半島地震で住宅が倒壊被害を受けた方々のアンケートで、 45%の方が「家が倒壊すると思っていなかった」 と答えています 多くの方は、 住んでいる住宅の耐震性能のことは考えていないのです 地震で建物倒壊の経験を持つ方は少なく 多くは、建物倒壊を初めて経験するのです だから、住んでいる住宅が倒壊するという想像力は働きません 当たり前のことだと思います 能登半島では2007年にも大きな地震があり、 ここ数年は何度も地震があったはずなのに なぜ耐震補強しない? と、思うかもしれ

          人はなぜ、耐震補強を行わないのか?

          複合店の問題点

          飲食店+雑貨販売+家具販売+住宅設計 このような組み合わせの複合店があります 飲食店の待合スペースで雑貨販売 待合スペース、飲食スペースには販売している家具を 実際に使ってもらう 更に、待合スペースでは、 家具と住宅設計をセットで行っているPR うまい仕掛けです しかし、問題もあります (僕だけが思うことかもしれませんが) この飲食店、 サラダやスープ、軽食などのプチバイキングがあり ランチが来るまでの時間も楽しめる! 良い感じの店でした ある日、お子様用のパンケーキ

          スケジュールは時間割

          仕事のスケジュール調整に小学校の時間割をイメージしています 就業時間が9:00-18:00 例えば、1.5時間割の場合 1限目9:00-10:20 2限目10:30-11:50 お昼休み 3限目13:00-14:20 4限目14:30-15:50 5限目16:00-17:20 例えば、1.0時間割の場合 1限目9:00-9:50 2限目10:00-10:50 3限目11:00-11:50 お昼休み 4限目13:00-13:50 5限目14:00-14:50 6限目15:0

          Voicyデビュー!!

          音声配信メディアである「Voicy(ボイシー)」 ついについにデビューしました!! Voicy - 音声プラットフォーム Voicyで話すには、パーソナリティ審査を通過する必要があります なかなかの狭き門で、 過去に何度もパーソナリティに応募しましたが、落選し続けました・・・ この度、Voicyパーソナリティになれたのは、 Voicyパーソナリティである建築家の竹内昌義さんのおかげなのです 竹内さんとのVoicyによる対談をさせて頂き、竹内さんの推薦もあり ようやくパーソ

          それなりにバランスで成り立つ社会

          地震が起こる度にでる人工地震説 コロナ陰謀論などなど  信じる人、信じない人がいる  それぞれ同じ土俵で議論できていない  だからずーっと平行線  建築も同じ  気密必要派と気密危険派  耐震派と柔構造派  それぞれ同じ土俵で議論できていない  だからずーっと平行線  悪いこともあるけれど、良いこともあるのかも 反対派がいるからこそ、 より深く考えるキッカケになる  反対派がいるからこそ、 一方に突っ走らずにバランスが取れることもある  でも、 耐震はしっかりやってほし

          それなりにバランスで成り立つ社会