小倉城庭園 書院棟組頭(館長)

小倉城庭園から、城下町小倉の面白さをお伝えします。

小倉城庭園 書院棟組頭(館長)

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マガジン

  • 城下町小倉~小倉城・小倉城庭園~

    福岡県北九州市に立つ小倉城。その周辺エリアである城下町小倉。その歴史や文化を掘り下げるマガジン。小倉城庭園館長他、地元の有志で運営します。

最近の記事

香道の面白さについて~「香を聞く会」開催に向けて~

香道においては、香りを「聞く」と表現する。なぜ「聞く」のだろうかと疑問に思っていたのだが、それは記憶と対話しているのだと、理解できたような気がする。 小倉城庭園では「香を聞く会」を11月23日に開催。 香の初心者向けの企画を、この週末の11月23日に開催するので、ぜひ参加を検討してほしい。香道はとても面白い。その説明をしたいと思うので、その面白さを少しでも伝えられたらと思う。読んで(または読まなくても)、ちょっと参加してみたいと思った人は、以下のホームページから、電話で申

    • ギラヴァンツ北九州とスポーツツーリズム実証実験

      小倉城×ギラヴァンツ北九州イベント報告! 10月26日に開催された「ギラヴァンツ北九州」VS「ツエーゲン金沢」戦に合わせて、小倉城とギラヴァンツ北九州のコラボレーションイベントを実施しました。北九州市におけるスポーツツーリズムの実証実験として、小倉城でアウェイサポーター向けのバーを開催しました。 小倉城庭園の中川館長と、ギラヴァンツ北九州の玉井会長が相談して作ったイベントで、ギラヴァンンツサポートショップでもある「パーツオブライフ」という珈琲屋さんが当日運営されました。

      • 江戸時代の小倉の「食」について

        FM KITAQという地元のローカルラジオ局で、小倉城庭園の館長が毎月第2月曜日にお話ししております。「北九州 時の轍」という番組で、庭園の歴史講座をされている瀬戸先生と共に、地元の古く詳しい歴史を紹介しております。その内容を、テキストで簡単に紹介したいと思います。まずは、9月9日放送分の前半をお届けします。 導入部分 今日は、小倉の食文化についてじっくりお話ししていきたいと思います。前半は江戸時代の食文化について、後半は明治時代や戦後の食文化を中心に、さまざまな視点から

        • 小倉城の鏡石について

          小倉城の入口には、大きな鏡石があります。 近世城郭の石垣には、石の表面が平らで、他と比較にならない大きさの石材が使用されている場合があります。これを鏡石と呼びます。石垣の構造上はむしろ作りとしては弱くなるのですが、権力の象徴であり、入り口付近でよく目にします。 城への通路である門は、訪れる者に城主の威厳を示すための重要な場所。 そのためのツールとして使われたのが、鏡石なのです。 虎ノ門口の鏡石 小倉城の場合は、大手門口の石がそうだと言われていますが、実際には小倉城庭園

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        • 城下町小倉~小倉城・小倉城庭園~
          20本

        記事

          『小倉祇園展』と、祭りの始まり

          6月29日から「小倉祇園」の企画展が始まりました。 北九州市にぎわいづくり懇話会発行の情報紙「雲のうえ」を編集されている、「牧野伊三夫」さんのイラストが特徴のポスターが各地に貼られています。今、だいたい月に1万人くらい小倉城庭園に来ていただいてますので、2万人ちょっとの方に小倉のお祭りを紹介できる形になります。 小倉城庭園の館長が月に一度ラジオをやっていて、そこで小倉祇園の詳しい話をしたので、その一部を紹介します。※ラジオのリンクはこちら 小倉祇園の始まり 元和4年(1

          『小倉祇園展』と、祭りの始まり

          小倉城庭園リニューアル!

          小倉城庭園が池泉回遊式になり、ぐるっと回れるようになりました。夜のライトアップが開放され、無料で見れるようになりました。 詳しく言うと、今までは回遊式と言いながらも、回遊できなかったんです。行って戻るだけの庭となっておりますので、綺麗なんだけど短いのが問題点。 案内のガイダンスなんかも「池泉回遊式の日本庭園…」なんて言うので、お客様から「どこが回遊式なんですか」と聞かれて、答えに窮する始末でした。 それがこの度、回遊式になり、とても嬉しく思っているところです。せっかくな

          小倉城庭園リニューアル!

          筆心会と西村天峰先生

          小倉城庭園で行われた筆心会の展示が、4月25日まで開催されました。 筆心会は、小倉城庭園にて開催されている書道講座でも、お世話になっております。各生徒さんが多数の作品を展示してくれています。工藤先生、いつも大変お世話になっております。 隔年で開催されており、次に開催されるのは2026年となります。 西村天峰先生 さて、小倉城庭園ができた25年前は、筆心会は西村天峰(にしむら てんぽう)先生が講座をされていました。1930年に生まれ、2011年になくなったそうです。生き

          小倉城 石垣の秘密~西の端へ~

          ブラタモリで小倉城が紹介された際に、『堀から少し歩いただけでまたすぐに堀?どこまでも守りを意識した小倉城』ということで、城としての防御力の高さについて語られていたのも、記憶に新しいところです。 その防御力の高さを体験し、「どこまでが小倉城だったのか」を調べるため、まずは西の端へ向かってみました。 小倉城は、紫川を中心として西側を流れる板櫃川と東側を流れる寒竹川(神嶽川)を利用し、城下を丸ごと河川や外堀で囲んでいました。紫川河口に常盤橋、上流に豊後橋を架けて、往来できるよう

          小倉城 石垣の秘密~西の端へ~

          足立山妙見宮と古市古流

          足立山妙見宮の春季例大祭で斎行された「茶道古市古流」の献茶式を見学しました。足立山も、古市古流も、江戸時代の豊前国小倉藩小笠原公と繋がりがとても深く、そのコラボ企画ということで足を運びました。 足立山には、小笠原藩の世継が正月に参拝していたという言われもあり、足立山の麓にある福聚寺は小笠原藩の菩提寺でもあります。また、古市古流は小笠原家の茶道師範だったそう。小笠原の文化を語るには欠かせない要素と言えるでしょう。 儀式の様子を見ながら、それぞれについて少しご説明させていただきま

          「横山大観展」コラボ!

          小倉城庭園と言えば、日本文化を海外から旅行で来られる方々に紹介することも、大きな役目のひとつです。多くの海外の方が、お抹茶を楽しむことで、茶道を体験していただいています。 お抹茶を英語で世界に紹介した人と言えば、1906年に、ニューヨークで自身の英語で『茶の本』を出版した岡倉天心です。私たちも岡倉天心のような精神を大切にしながら、しっかり日本文化を伝えていきたいと思う日々です。 美術館×小倉城庭園コラボ企画実施! このたび、北九州市立美術館50周年「横山大観展」とのコラ

          小倉城庭園入場者10万人達成

          令和5年度は小倉城庭園に来ていただいた方々が10万人を超えるという、とても嬉しい結果となりました。来ていただいた皆様はもちろんのこと、運営側として関わっていただいた皆様にも、多くのご助力をいただきました。心より感謝を申し上げます。ありがとうございました。 小倉城庭園ができた初年度(平成10年)は、9月末開館から年度末(3月末)までと開いている期間が短い中で9万人超の方に来られていますので、もちろん多くの方が来られたのですが、年間10万人を超えたのは開館以来25年目となる今年

          小倉城庭園入場者10万人達成

          小倉城 石垣の秘密~誰が積んだ石垣なのか~

          今回も、更に深堀した小倉城の楽しみ方をお伝えします。前回は炎上した小倉城とその焼けた石について触れました。今回は、それぞれの石垣について誰が積んだのかという話をします。 小倉城、「南蛮造り」の石垣 小倉城を現在の規模にしたのは細川忠興で、「南蛮造り」と呼ばれる、円教師の土木技術が用いられた独特の建築法でした。 多くの石垣には「野面積(のづらづみ)」という技法が使われています。形も石質も不揃いな自然石を積み上げているため、一見崩れやすそうに見えますが、重力による移動、転落

          小倉城 石垣の秘密~誰が積んだ石垣なのか~

          小倉城 石垣の秘密~焼けた石垣~

          今回は少し深堀して、小倉城の更なる楽しみ方をお伝えしようと思います。前回の「白黒騒動」について書いた記事の中で、小笠原忠固公の世に小倉城が燃えた話を少し書きました。関連する形で、小倉城の「石垣」について触れていきます。 小倉城の目玉と言えば、やはり「石垣」です 小倉城天守閣は天保8年(1837年)に火災で焼失しました。また慶応2年(1866年)8月1日、長州征伐の「小倉口の戦い」際に、お城を自ら燃やし逃れました。 そして小倉城は昭和34年(1959年)に再建されました。

          小倉城 石垣の秘密~焼けた石垣~

          小倉城武将隊の新作舞台「白黒騒動」への予習

          前回の記事で、小倉城武将隊の新作舞台が小倉藩の御家騒動である「白黒騒動」だとお伝えしました。舞台の内容について私は全く知らないのですが、作品を楽しむためには予習が必要だと思いますので、簡単にまとめてみます。 小倉藩の御家騒動は、5代藩主小笠原忠苗時代の「小笠原騒動」と6代藩主小笠原忠固時代の「白黒騒動」の二つがあります。前者については、これらの記事にまとめていますのでご覧ください。 白黒騒動の前段 江戸幕府の第11代将軍(在任:1787年 - 1837年)徳川家斉(とく

          小倉城武将隊の新作舞台「白黒騒動」への予習

          小倉城武将隊 ランチパックになる「小倉城桜まつりへ向けて~小倉藩、2つの御家騒動」

          今回はご存知「小倉城武将隊」について大きなお知らせが2つあります。 まず、ひとつめ。 ヤマザキパンさんの、ランチパックに採用されました! 小倉城の歴史を演劇で伝える「小倉城武将隊」は、江戸の小倉藩を舞台にした演劇を既に3本完成させており、そのどれもが大好評で舞台の際には毎回多くの来場者でにぎわい、最近は各地からオファーをいただき出張案件も増え、城や庭園でもほぼ毎日どなたかが来場者をお出迎えいただき写真撮影も快く応じられており、認知度も大幅アップ中ではあるのですが… ま

          小倉城武将隊 ランチパックになる「小倉城桜まつりへ向けて~小倉藩、2つの御家騒動」

          小倉城庭園の成人式と、連歌、かるた、風呂敷

          今週の小倉城庭園は、楽しめる和のイベントが盛りだくさんで、まさに小倉城庭園らしいイベントだと言えるようなものばかりでした。その中には、小倉城庭園主催ではないイベントもありましたので、少しだけ紹介します。 200年振り?に復活した小倉城連歌の会 豊前国文化事業団さんによる「小倉城連歌の会」が開催されました。連歌をリードされたのは、行橋の今井須佐神社様で室町時代から約500年の間、一年も途絶えることなく連歌の会を続けてこられた流派の皆さんです。詳細はこちらのnote(小倉城マ

          小倉城庭園の成人式と、連歌、かるた、風呂敷