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【心理療法の疑問】フォーカシングはどんな場面で使えばよいですか?

ご相談者さんからのご質問
「フォーカシングはどんな場面で使えばよいですか?」
にお答えいたします。


✅フォーカシングをどんな場面でおこなえばいいのか?

最初は一人でいるときに、静かな場所でおこなうとよいでしょう。

心と身体はつながっているので、上半身を2~3分ほどストレッチしてからおこなうと、より効果的です。

フォーカシングは、ネガティブな感情を対処する方法として有効ですが、リアルな現実がある場合では、対処することは難しいです。

たとえば、苦手な相手があなたの目の前にいて、イヤな気分になったとします。

このイヤな気分をすぐに対処するのは難しいですね。
なぜなら、そこには、リアルな現実(相手がいる)があるからです。

どうしても、感情が強くなってしまうので、目の前に苦手な相手がいる場面では時が過ぎるのを待つか、その場から逃げるしかありません。

目の前にリアルに相手がいる場合と、いない場合ではイヤな気分の感じ方や強さが違うはずです。

まずは相手がいない状況で対処してみるといいですね。

たとえば、家に帰ってきて一人になってもイヤな気分を引きずることがあります。

相手のイメージや言われてイヤだったこと、どう思われているのかなどを想像してしまい、つらくなってしまうのでしょう。

相手は目の前にはいないけど、相手のイメージがあなたの頭の中にあるのです。

つまり、相手のイメージに反応して、イヤな気分になっているわけです。

イヤな感情を対処することができれば、相手のイメージも変わります。

あなたの頭の中にいる相手のイメージが変わることで、リアルな場面でも、相手に対する「捉え方や感じ方」が変わり、必要以上に相手を恐れずにすみ、「接し方」も変わるかもしれません。

あなたの接し方が変われば、相手も何かを微妙に感じとり、あなたに対する接し方を変えてくるかもしれません。


✅フォーカシングとは?

フォーカシングをひと言でいうのであれば、「身体の感覚を通じて、心の声を聞く」心理療法です。

心と身体はつながっています。

だれしも緊張するとおなかが痛くなったり、不安で胸がざわざわしたりなど、心の変化が体の症状として表れた経験があることでしょう。

「(心配事があって)頭が痛い」
「胸が張り裂けそう」
「肩の荷がおりる」

など、体の一部を用いて感情を表す慣用句がたくさんあるのも、人は昔から心と身体がリンクしていることを感覚的に知っていたからだといえます。

「フォーカシング」は、そんな心と身体のつながりを利用して、感情をコントロールする心理療法です。

これは、カウンセリング技法の基礎を築いたカール・ランサム・ロジャーズと共同研究をしていた心理学者ユージン・ジェンドリンによって体系化されました。

フォーカシングとは、日本語で「焦点を当てる」という意味です。

フォーカシングでは、悩みや不安があるときに感じる「心がもやもやする感じ」「肩が重い感じ」といった、言葉では言い表せない身体の感覚に焦点を当てます。 

そして、そこから心の声(おもにネガティブな感情)を探り、その感情にどう対応すればいいか、自分に合った対処法を見つけます。

フォーカシングでは、この漠然とした身体の「なんとなく嫌な感覚」を「フェルトセンス」と呼びます。

フェルトセンスはいつでも自分の内側にあるものですが、日常生活では重要視されていなかったり、まったく気づかれなかったり、放っておかれることも多いでしょう。

しかし、これは逆に言えば、気づいてほしいという心の叫びが、身体の感覚となって現れているものといえるかもしれません。

フォーカシングでは、普段やり過ごしてしまいがちなフェルトセンスに注目することで、今まで自分でも気づかなかった本心に気づくことができます。

実際のカウンセリングでは、3回~4回目くらいにおこなう心理療法ですが、ご希望があれば、1回目からでもおこなえますので、おっしゃってくださいね。
(前田泰章)

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