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河合隼雄から学ぶ嫉妬の対処法

「心のストレッチルーム」前田泰章です😊

当ルームのカウンセリングは、話を聴くだけではない問題解決型です。

📢このnoteでは、日本ではさほど主流ではない「問題解決型カウンセリング」をより多くの方に知ってもらいたく、情報発信をしています。

★嫉妬=自分の可能性

先日、相談者さんから、「嫉妬の感情をどう対処すればよいのか?」というご質問をお受けしました。

「嫉妬するということは、自分にもそれができる可能性がある!」

という内容のお答えをしましたが、その考えをどこで知ったのか、今回のnoteではお伝えしたいと思います。

僕には本を読んで気づき・発見などを記録しておく習慣があるのですが、ユング心理学を日本に広めた第一人者『河合隼雄さん』の著書「心理療法個人授業」(新潮社)が参考になるので、一部をご紹介したいと思います。

嫉妬を対処するヒントにしていただければ幸いです😊✨



▼引用ここから▼


嫉妬という感情は、人間だからあって当たり前でしょう。

あるに決まっているものをなくそうと努力するから疲れるのでね。

だから、自分の中で嫉妬心がムクムクと頭をもたげてきた時は、「ああ、俺にも嫉妬心があるんやなあ」と思うのが一番いいんです。

人のことを嫉妬したり、うらやましいと思っている間は、望みがあるんですよ。

なぜ人のことを妬むのか。

それは、「同じことを自分でもできるかもしれん」と思うから、うらやましくなるわけでしょう。

ですから、人を嫉妬した時には、相手をやっつけに行くよりも、その力を自分の可能性を伸ばすほうに振り向けたら、結果はだいぶ変わりますよ。

そのためにはまず、自分が嫉妬しているのを認めることです。

それをみんなどういうわけか、「自分は嫉妬なんかしていませんよ」と大声で人に言って回るし、自分にもそう言い聞かせようとする。

そんな無理なことをするから、疲れてしまうんですね。

例えば、英会話がよくできる人がいたとして、そのことを素直に「いいなあ」と言える人は妬んでいない。

つまり、自分は英会話なんか無理やと思っているんでね。

ところが、「英会話なんて大したことないよ」とか否定的なことを言いたがる人は、本当はすごくうらやましいんですね。

つまり、本当は、自分も英会話をやりたいと思っている、やれば自分にもできると思っているんですよ。

だから、自分の中にちょっとでも嫉妬心が動いたら、それは自分に可能性があるからだと思ったらいい。

そして、それに対応することを考えたらいい。

例えば、今の話なら、自分も英会話を習えばいい。

そうすれば、ただ嫉妬して周りにイライラをまき散らしたり、人の足を引っ張ることにエネルギーを浪費したりしてるのと、結果が全然違ってくるでしょ。

よくある例として、会社で自分より先に出世した奴に嫉妬するというのは、やっぱり自分も出世したいという気持ちがあるわけですよ。

その気持ちがあるだけじゃなくて、可能性を持ってるんです。

出世を認めていたなら、嫉妬なんかしないですよね。

よくいるでしょ。

同期の社員が自分より先に部長になったからと言うて、「俺は出世なんか考えていないから、あんなの全然うらやましくない」とか大声で触れ回っている人。そういう人は怪しいですね。

そういうときは、自分の嫉妬心をやっきになって打ち消そうとするのではなく、「ああ、俺もやっぱり出世したいんやな」と思って、それなりの努力をしたらいい。

そこで日本人がよく失敗するのは、嫉妬はいけないと思うから、それを否定して潰すことにエネルギーを消耗して疲れてしまうんですね。

自分に嫉妬心があることを認めない人ほど、変なことをするんです。

嫉妬心なんて誰でもあるに決まっているのに、「ない」ということを前提にやるから、よけいおかしなことをするわけですね。

「やっぱり俺にもあるのか」と思ったら、だいぶ楽になります。

『心理療法個人授業』著:河合隼雄・南伸坊(新潮社)より


▲引用ここまで▲

★有名人でも嫉妬はするの!?

嫉妬について、河合隼雄さんの書籍の文章をそのまま引用させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。

有名人になり全てを手に入れたように見える人でも嫉妬してしまう、こんなエピソードもあります。

ある超売れっ子お笑い芸人がTVでこんな話をしていました。

「私は、自分より活躍している人のテレビは見れない。それがお笑い番組でなくても、プロ野球だったり、スポーツの試合だったり、自分より活躍して脚光を浴びている人が羨ましくて仕方がない。」

この超売れっ子お笑い芸人は何かの分野ではなく、「自分より活躍している人」に嫉妬してしまうのだと思います。
僕も同じような傾向があるので「わかる!わかる!」と思いながら聞いていました。

また、あるM-1グランプリチャンピオンは、嫉妬するから小説が読めないとTVで話していました。

*M-1グランプリは、吉本興業と朝日放送テレビが主催する日本一の若手漫才師を決める大会。通称『M-1』。

「小説はひとりの作家に全てをもっていかれる。物語を読んで泣いたり、笑ったり、考えさせられたり・・・そういったことが悔しくてたまらない。だから、人生で1冊しか小説を読んだことがない。」

このM-1チャンピオンは、自分でもネタを書いている芸人で、世の中の全てを手に入れているかのようにも見える人です。

そんなすごい人でも嫉妬するんだなあと、ほっとしたといいますか、少し安心しましたね。

それと、嫉妬するかどうかは年齢も関係しているのではないでしょうか。
自分より年齢が上の人であれば嫉妬しないことでも、年齢が下の人だと嫉妬してしまうこともあるようです。
自分がその年齢で「本当は望んでいたこと」を叶えている人を見ると、嫉妬するのでしょう。

人それぞれ、何に反応して嫉妬するのかは違うようですが、嫉妬すると自己嫌悪に陥ったり、なんとも言えない複雑な心境になります。

僕も嫉妬することは日常生活の中でたびたびありますが、そのたびに河合隼雄さんの嫉妬の話を思い出して、「やっぱり自分にもあるのか」と思うようにしています。
(前田泰章)


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