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筋力について

 患者さんからよく「もっと筋力をつけた方が良いでしょうか?」という質問を受けます。非常に難しく考えさせられる質問です。
確かに筋力をつけた方が現状よりは疲れにくくなるでしょうし、いわゆる筋肉痛などの症状は出にくくなります。
 ただ筋力が高ければ良いのかというと勿論そんなこともありません。筋骨隆々な人が身体を傷めにくいという訳ではありませんし、華奢な人が不調を抱えやすいということもありません。結局はその人それぞれの生活様式や活動の質・量に応じた筋力があれば良いわけで、重要なのは筋肉の性状です。
 分かりやすく言えば柔軟性があってスムーズに動くかどうかです。そのためには筋力をつけることよりも、日常的に身体を動かすことの方が重要です。

 普段デスクワークが多くあまり身体を動かさないという人は休みの日や空いている時間に意識して身体を動かすようにした方が良いですし、肉体労働などで身体を酷使される人はゆっくりとお風呂に浸かったり、寝る前などに軽いストレッチをして筋肉の柔軟性を高める必要があります。

 そしてどのような人に対しても効果的なのがウォーキングです。ウォーキングをすることで骨格的な安定性と筋肉の柔軟性の両方を同時に高めることができます。習慣的に行うことで身体の不調が出にくくなります。

 ご自身の生活やお仕事内容に合わせた適切なケアをしていただいて、日々健やかに過ごしていただければと思います。

(※写真 アンドレアス・ヴェサリウス 『ファブリカ』より)

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