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レシピ考案・レシピ開発について私が思うこと|フードライター・管理栄養士

料理家や管理栄養士でレシピをお仕事にしている方はとても多いですね。誰でも気軽にレシピを発信できる時代。どんな風にレシピ考案・開発をしていこうか?という悩みを抱えてしまうかもしれません。

これまでに私は、バリバリ活躍する方々のアシスタントに入ったり、WEBや雑誌掲載のレシピ考案の経験があります。リアルな現場を見てきたうえで、自分なりのやり方を模索したく、このnoteを書いています。


レシピ考案のやり方は人それぞれ

レシピ考案といっても、とく決まった方法はありません。レシピサイトがにぎわっているように、プロアマ問わずチャンスはたくさん転がってます。多くの方が関わるこそ、レシピの盗作や転載の問題もよく目にするようになりましたね。

これからは個性のあるレシピや、本当に価値のあるレシピが求められていくのかもしれません。

そもそもレシピとは?

「そもそもレシピってなに?なんのためにある?」
「レシピに値段なんてつけられるのか?」
これらの問いに、あなたはどう答えを出しますか?

つい先日も私は、「そもそもレシピとは何だろう?」と考えはじめ、迷宮へ入ったような感覚になりました。

レシピ考案ではまるでパズルのようにして考えたり、科学の観点からアイデアを出していったり、既存のレシピやユーザーの声をリサーチをしたり。いろいろなやり方があります。

ただ、あまりにもパズルや科学、リサーチといった思考が強くなると、レシピをただのデータとして見ているようで、無機質な印象を受けます。

レシピはたぶん誰かの小さな歴史

科学的な思考を一旦忘れて、レシピのあり方や意味を考えてみます。そもそもレシピには伝承・伝統という役割があるはず。

伝統というと重々しいですが、一人ひとりの人生にある思い出の味、おふくろの味のレシピにこそ意味があるのではと。

「あの人の料理をまた食べたい」
「あの人にまたおいしいと喜んでほしい」
レシピにさまざまな感情が込められていると想像すると、レシピは一人ひとりの小さな歴史であり生きた証です。 

無機質な考え方よりも温もりを感じて、ほっとしませんか。

作り手がどんな気持ちで生み出したのか?は、意図せず相手に伝わってしまうもの。と、聞いたことがあります。レシピ考案も、なるべく自分のなかに矛盾や違和感のない、自然体のレシピのほうが多くの方の心に残るのかもしれません。

どんなレシピを発信していこうか

これからの私は、どこまでも人間的で地道でお金になんて変えられないような……自然体で等身大のレシピを発信していけないかと思っています。

簡単レシピ・時短レシピというお仕事もいろいろ経験してみたうえで、本来の料理の楽しさ・魅力をもっと自由にじっくり追及をして、味わってみたい。というのが、最近の私のレシピへの考え方です。

人との交流、そのとき、その場所でしか生まれない味があるんじゃないか?という仮説も持っています。楽しく温かいコミュニケーションのなかで、家族や友人、大切なみんなと一緒に素敵なレシピを生み出していきたいです。

レシピは生きている

レシピは生きている……といったら、驚きますか?

レシピは時の流れとともに変化していく。まるで生き物のようだ。と思うんです。

自分の体調や好み、知識や技術が変われば、それに応じてレシピも徐々に変化していきます。趣味・お仕事問わず数年前のレシピを見返したときに、「もっといい作り方があるな」「そういえば最近は〇〇は使ってないんだよなあ」と、気づくことばかり。食べ物・調味料・調理器具にも流行りがあり、レシピは時代を映し出すツールにもなっています。

自分なりのレシピを育てよう

「そもそもレシピとは?」という問いに、正解はきっと正解はありません。レシピをお仕事にすると、お金をいただけるわけですが、お仕事のほうが優れているとか、優越もないように思います。お金や時間の制約が少ない、趣味のレシピでこそ追求できるものがあるからです。

実際、例えば2~3週間の納期で、根詰めて考えたレシピ(短時間でレシピを考案でき、それをお仕事をしている方々は素晴らしいです!)と、もしかすると何世代にも渡って作り続けるであろうなつかしの味(お金に換えるのは難しいけどプライスレスだよね!)。

どちらに価値があるかは、比べようがありませんね。

このnoteは、現状の不満とか、そういう小さな話ではないんです。さまざまな経験を通じて、私の生き方として、大事にしたい価値観が。かすかに見えてきたきがする……ので、書きとめました。

これから私が大切にしたいのは、自分なりのレシピを地道に育てようという姿勢。生きたレシピを発信していきたいという想い。かもしれないです。

お仕事としてテーマや要望に沿い開発するレシピもあるし、自分らしさを追求していく趣味のレシピもある。どちらも素敵です。

お金にならなくてもレシピサイトやSNSに投稿を続けていけば、誰にも真似できない自分だけの財産が作れる……のか。果たして死ぬまでにどんなレシピを生み出せるのか?(そもそも私って何歳まで生きられるの?)

この先何があるかは、本当に分からないけど。このnoteを機にレシピ考案をもっと自分らしく楽しんでいけたらと思っています。


インスタやスレッズでは書ききれない気持ちを整理してみました。30代になりレシピや料理に関して私なりの価値観が急にでてきたなと感じているので、ほかにも気づいたことをまたシェアしていきます。

これを読んだ皆さんに、どんな利益があるのか分からないけれど、何か少しでも心にのこればうれしいです。

▼レシピ開発や料理に関して、「おいしさ」に、注目した記事を書いてみました。






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