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『詩〜童謡ふうに〜』青い時間の向かうでは
青い時間の向かうでは
海月が歌つてゐるのです
少女は赤いべべを着て
高いお山のたうげ道
海月を追つてゆきました
海月の歌ふその歌は ほんたうの
月が水面に浮かぶとき
流した銀のひとしづく
海月はそれを集めては
海底深く秘めました
少女はどこでその歌を
淋しく耳にしたのでせう
月の浮かばぬあの夜に
青い時間のその向かう
おとうはひとり波のなか
秘めたしづくをかき集め
海月は高い空のうへ
舞ひあがり 舞ひあがり
しづくは哀しい歌となり
海月の手からこぼれ散る
青い時間の向かうでは
海月が歌つてゐるのです
海月の歌ふその歌は
月のしづくの銀の歌
少女は赤いべべを着て
海月の手からこぼれ散る
銀のしづくをたどるごと
青い時間のその向かう
少女は赤いべべを着て
お空へ昇つてゆきました
少女は赤い
べべを着て
ハロウィンとは全然関係のない、童謡ふうな詩。読む分には別に変わらないけれど、見た目の印象として旧仮名遣いがふさわしいのではと考えました。文字をずらしたのも視覚的なイメージのため。こんなのも好きです。いかがでしょうか?
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