#167 「一般化のしずぎ」に注意 ~個別具体な問題に向き合おう~
こんにちは。ITベンチャーエンジニアのこへいです。
最近チームメンバーと一緒に読んでいるこちらの本の内容をまさに体験し学びを得ているという話です。
エンジニアの私の仕事は、まさにこのエンジニアリングです。
本書ではエンジニアリングを行うための思考様式として、不確実性を低くしていくために情報を得るために行動を起こし、その結果を観察することで問題解決を行う「経験主義」、限定されて情報から全体像を想定しそれを確かめることで少ない情報から問題解決に向かう「仮説思考」、加えて全体像を見極めて自ら正解を設定する「システム思考」が紹介されています。
限られたリソースの中で、より筋の良い解決を継続的に行うためには「システム思考」による課題の定義が非常に重要です。
例えば顧客が「このデータを削除したい」と相談してくれたとします。
課題を「データの削除機能を実装する」と設定した場合、解決策は例えば1か月かけて開発をし機能をリリースすることになります。
しかし、実は登録ミスをしたある一つのデータを修正したかっただけで、修正が面倒だったので「削除してほしい」という要望を伝えてきたのを、機能開発の依頼と勘違いした。というようなことは非常に良くあります。
そもそも、人間には『事実を正しく認識することは難しい』です。
例えば「雨が降った」という事実に「雨はジメジメして嫌だ」という感情が混じった「雨が降って嫌な気持ちになった」ということを事実として認識してしまうように、人間にはネガティブな気持ちによって『認知の歪み』を生み出してしてしまうものなのだそうです。
認知の歪みには、ある事例が1つや2つあると、それを根拠に全体をそうだと決めつけてしまう『一般化のしすぎ』によって生まれる認知の歪みがあります。
先ほどの「このデータを削除したい」という要望はそれ自体が非常に曖昧であり、課題の明確化と最適な解決策の検討が必要です。
最近、複数の営業担当とのやり取りで、課題の明確化が出来ていないケースに連続で遭遇し、『自分の関わる営業担当はみんな課題の明確化が出来ない』と思ってしまうことがありました。
同僚とその件について「自分の関わっている営業担当は課題の明確化が出来なくて困る」と相談した際に、「なんでそう思うの?」という問いかけから、営業担当とのやり取りを思い返すといつも課題設定が間違っているわけではなく、たまたま最近続いていただけで、一般化のしすぎによって認知が歪んでいたことにと気づけました。
そして、自分は出来てることより出来ていないことに目がいきがちで、一般化のしすぎにハマりやすいということが理解できました。
なるべく出来ていることに目を向け、出来ていないことに対しても一般化するのでなく、個別な問題として向き合うことでもう少し気持ち良く仕事ができるのかなと思いました。
ということで、「一般化のしずぎ」認知の歪みにハマっていたという話でした。「エンジニアリング組織論への招待」では、その他の認知の歪みを生み出すパターンも紹介されていますので、みなさんもご自身がどのようなパターンにハマりやすいかを点検してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。