2023年5月の記事一覧
クラシック音楽の行方
クラシックのファンが高齢化している、とはよく聞く。
コンサートに行っても、中高年が目立つ。
特に「本格派」のプログラムだとその傾向は強い。
若いクラシックファンは減っているのだろうか?
このことから、ファン層を開拓しないとクラシック文化は衰退する!という声もある。
しかし、私の考えは必ずしもそうではない。
私はクラシック以外に、演劇、能、歌舞伎、落語、囲碁、将棋なども好きだが、みなオワコ
美術館で撮影する人たち
私は美術館で写真撮影する人が苦手です。
その理由はおそらく複数あります。
最近の日本の美術館は撮影OKになってきてる、と教えてもらいました。
なので、ルールに違反してないのだから文句は言わないにしても、内心嫌だなと思っているということです。
それは喫煙OKの中華料理店で自分がこれから食べようという段になって隣からタバコの煙が流れてくるようなものです(私は嫌煙家ではありませんが、食事の席で吸
ハイドンが好きな男はいない (連作短編1)
違いのわからない男・小清水健一は、ブルックナーの版の違いはわからなくても、ハイドンとモーツァルトの違いは聴きわけられるようになってきた。
こんなことを言うと当たり前だろとオタクに笑われそうだが、もちろん「リンツ」と「軍隊」の違いを言ってるのではなく、ピアノ・ソナタや弦楽四重奏曲のことなのは言うまでもない。
世間でハイドンの評価が極めて低いことを小清水は苦々しく思っていた。何を聴いても同じに聴
ブルックナーが好きな女はいない (短編小説)
小清水健一が運命の女と出会ったのは大学二年のとき、場所は赤坂のサントリーホールだった。
小清水は六歳でクラシックと出会った。音楽を聴く習慣のない教育熱心な母が習わせたいくつかの習い事の一つがヴァイオリンだった。
技術習得のために研鑽を積むという地道な行為に向いていなかった小清水は三ヶ月で教室を辞めてしまったが、先生のおじさんは「ヴァイオリンは辞めても、クラシックは嫌いにならないでください」と