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ガーベラみたいな恋の思い出 ASDの恋愛作法1
ガーベラみたいな人に恋をしました。
ガーベラは決して高い花ではありませんが、華やかさを感じさせる花です。
その人も決して高い服で着飾っているわけではなく、いつもノーブランドの服をセンスよく着こなしているのでした。
昨日私はその人宛ての手紙を書いて、今日渡しました。
渡すかどうかは今日の相手の様子を見て決めようと思っていました。
前置きの話題をしながら様子を探っていて、渡してもいいかなと思ったのです。
その手紙は自分で言うのも何ですがよく書けていて、書き上げて推敲して完成した時点でこれはもう渡せってことなのかなと思いました。
A4二枚に私の気持ちがぴったり収まっていたので。
断られることはわかっていて、実際その通りになりましたが、驚いたのはその方の返答でした。
断られてるにもかかわらず、私はその人に大切に思われてるんだと実感しました。
孤独な人生を歩んできたと手紙に書いたので、その方も意を決してそんな発言をされたのかもしれません。
思えばその方だけでなく、単に私をふるだけでなく誠実に向き合ってくれた方は他にもいたのでした。
私はその誠実さに応えることができませんでしたが……
しなくてもいいことをわざわざして、私の気持ちに応えてくれました。
真摯に向き合ってもらえて幸せだと思いました。
そしてそれが単に手紙の内容によるのではなく、今まで積み重ねた時間の信頼によるものなのだとしたら、めんどくさい性格にもかかわらず愛されてたんだなと感じたのです。
愛は親子愛や友愛もありますが、男女の愛(同性愛もふくむ)や性愛こそがそうなのだと思っていました。
私は愛からは遠い場所で生きていて、寂しさに身体を震わせていることもよくありました。
その方は「○○さんのことをみんな大切に思ってますよ」ということを伝えたくて、自分が先んじてそれを示してくれたのだと思います。
フラれたのに嬉しい出来事でした。涙が出そうなくらいに。
自分はこんなにも愛されていたのかと思いました。
めんどくさいだけの人間だと思っていましたが、それでもよく思ってくれていたんだって。
他の誰より真剣に私の書いた文章を読んでくれたその人と話した時間の尊さを私は忘れたくない。
孤独に慄いて死にたいと嘆く日はこの時間に帰ってきて、私のことを愛してくれた人がいたことを思い出したい。
愛情が男女の愛でしかないと思っていた私は浅はかでした。
世界の上澄みしか見えていませんでした。
その方と巡り会えてよかったです。
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