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高堂つぶやき集。
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#覚醒

蝶形骨はほぼ頭骨の中央にあり、文字通り蝶のかたちをしている。目に入らぬところに蝶がいる神秘といったところになるが、この骨盤と相似律の蝶は微かに舞うことができる。小脳の肥大化で、人がサナギ以降の道に過度な恐怖を感じるようになって久しいものの、羽化の道は眼前にあるのではないだろうか。

概して目に映らぬ者を神という。つまり物質化とは神の自己否定から生まれたとも視られる。神が人としての肉体を保ちつづけるためには、神の領域の氣が人体を破壊するのを防ぎながら(といっても身体は相当に傷つけられるけれども)、動くことも、語ることもなく、ただ在ることのみしか許されていない。

人が五感という牢獄に閉じこめられて久しい。たとえ第六感をいれたとしても、その狭さにさして変わりはない。さらに母語が牢獄の鍵として、根強く人を脳内に閉じこめる。ある程度の娯楽が獄中生活でもよしとさせるものの、やはり人は広大無辺の宇宙の外にいるべき存在なのだろう。ASAP脱獄されよ。