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KODO
2023年12月24日 06:18
過日、治療家の浅井俊介と雑談をした。曰く、冬眠から醒めた直後の熊が弱った体でようやく手に入れた鮭を横盗りしたいのだという。本能的に熊同士でもやらぬであろう最低限の掟を人が安易に破りて鮭を奪う。人としての道も逸れた姿勢に爆笑し、その瞬間わたくしの仙骨の舟が何処からか外れたのである。
2023年12月20日 04:39
この世はマトリックスだという考えは古くからあった。問題はマトリックスからの抜け方だが、デジャヴのやうな相似を見逃さぬ他に、影を觀る姿勢なるものも肝要だと先人たちは云う。そのなかで真に五感から脱獄できた者は如何ほどおいでたのだろうか。幻想世界の先にはさらなる幻想世界が拡がっている。
2023年12月18日 05:04
一昨日、或るみかん農家の畑に生えていた竹を頂戴し、昨日は茶室で竹垣用に磨いていた。遅い冬風で落ちた庭の紅葉は袋につめ、別の畑に腐葉土として用いる予定である。竹→紅葉→土。この後、どのような循環が生まれていくのだろうか。願わくば、自然界のわらしべ長者になりたい今日この頃である。
2023年12月14日 04:38
日本一ちいさな蜜柑なるものが我が家にやってきた。たしかにちいさいが、もともと自然の蜜柑はこの程度の大きさであったという。いつもなら余計な品種改良をしたために、不自然な肥大化が起こったと難癖をつけたであろう。しかし、大きな蜜柑で育ってきた身としては、今更戻れぬというのが本音である。
2023年12月13日 08:20
もう故郷には還らぬつもりで家をでて、海外にも住み、私なりの時間を過ごしてきたつもりだが、何の因果か現在は生まれ育った街に暮らしている。今朝、窓辺から子どもが走っているのを眺めていたら、ふと林のなかに消えていった。そんなところに通れる道などあったであろうか。写真は家内が撮った一葉。
2023年12月7日 12:42
人の身体は文字通り身と体に分けられる。神社等で清めるのは前者の身のほうで、こちらは触れることができない。同様に木にも身体があり、木の体はご存じのように不動であるけれども、その身は物に囚われず絶えず動いている。清まった身で晩秋の木に触れれば、あたかも紅葉が我が身に沁みるようである。
2023年12月2日 11:15
秋がひらひらと落ちてきた。ことしほど「秋なのか・・・」と独り言を畑で呟いた年はなかった。それほど今や私には季節感がわからない。十一月のはじめ、ようやく遅い秋風が吹いたとおもったら、日中にはそれが春風に感じられた。そのようななかで紅い一葉が落ちてくると、どこかホッとするものがある。