悲しい話は綺麗だから好きだ
魂の一番根っこでは救済を願いながら、その手前では全部を諦めて、ただ運命のままに堕ちていきたいと思っている
本当の願いを神は仏は閻魔様は聞いてくれなくて、嘘ばっかり叶う
できそこないの神様だ(だから本当は違う)
自分の人生の舵を自分で取っていくようなアメリカ映画の文脈を、自分はどこまで信じているのか分からない
ちゃっかり女までゲットするヒーローは、しらけるから嫌いだ
気難しくて嫌われ者の老人を、最後には好きになっちゃうような話も嫌い
報われない者は報われないまま、運命に絡めとら