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静 霧一/小説
2021年4月21日 21:41
子供の頃、1度はこんな妄想に耽ったことはないだろうか。「もし、魔法が使えたのなら」「もし、私に秘められた才能があったなら」「もし、白馬の王子様に求愛されたなら」恥ずかしながら、私も幾度となくそんな事を妄想していた時期はある。そんな思春期を乗り越え、一旦落ち着いたかと思いきや、社会人になって大多数の大人がこの妄想病を再発させるのだ。自分の思い描いた理想とは程遠い生活、淡々と過ぎてい
2021年4月12日 00:04
私は子供のころ、どちらかと言えば悪者であった。悪者と聞くと、なにか不良行為をしでかしたとか、誰かの上に立って人を馬鹿にするような言動を吐いたりだとかを想像すると思うが、決してそういうことではない。私はいじめられていた。その事実を振り返れば、それは正義によって理不尽に仕立て上げられた悪者だったと言える。正義のヒーローと世界を滅ぼす悪者という、「勧善懲悪」は昔から誰もが夢焦がれたものである。
2021年4月7日 21:19
「文字は人格を表す」そんな言葉を久しく感じるほどに、私たちは文字を打つことに慣れすぎてしまった。誰かに向けたメッセージさえ、私たちは無表情で文字を打つ。ビックリマークやはてなマーク、絵文字やスタンプと、文字を装飾する煌びやかな表現は発展しつつあるが、画面に映る顔は果たしてその装飾と釣り合う表情をしているのだろうか。私はテクノロジーの発展による筆記の利便性向上には大いに賛成である。第一に
2021年4月2日 20:00
①言葉を定義する「無償の愛」とは、なんとも不可思議な言葉である。なぜ、愛の前にわざわざ「無償」などという言葉を置くのだろうか。まずはこの「無償」と「愛」の言葉を分解してみようではないか。①無償:報酬のないこと。また、報酬を求めないこと。②愛:個人の立場や利害にとらわれず、広く身のまわりのものすべての存在価値を認め、最大限に尊重して行きたいと願う、人間本来の暖かな心情。国語辞典には
2021年3月29日 22:26
私は昔から「将来のこと」を考えることが苦手な子供であった。当然、将来の夢なんてものも考えたこともなかった。「10年先のことを考えろ」「未来の自分のなりたい姿に向かって行動を変えなさい」私は、未だにそんな言葉たちを許容することが出来ない。言いたいことはわかる。目標を立て、それに向かって計画的に行動していくのは、子供の夏休みの宿題でも言われていることだし、なんとなくは理解できる。だが