せつないゆめ
「そういえばこの頃見てないなあ」
と、時々考えてしまうほどに、わたしの頭の中の
ラインナップから、長年、外れなかったもの。
それは。これまで生きてきた道の途中、途中で
出逢ってきた人たちが登場するゆめ。
けんかしたわけではもちろんない。
なぜか、なんとなく、すこしずつ、気持ちが離れてキョリができていった、友だち。
今はどこで、どうしているのかわからなくなった
友だち。が、出てくるゆめ。
決まって、間柄が近かった時代のままの姿で、
おしゃべりしてたり、笑ってたり、音楽きいてたり、テスト勉強してたり。旅行してたり。
とにかく楽しげにしている。
「あっ!また会えたんやぁ。よかった。」
そう感じた瞬間、目が覚めている。いや、目が覚めると同時に、そう信じきって安心している。
だけど、ぼやっとしたあたまが、ちゃんとまわりの状況を把握するまでの時間を経たら、
「ゆめやったんや。。」と、理解する。
その類いのゆめを見てしまった日は。
すこしかなしくて、
場合によってはつらくて、
自分が何か過去に対して大きな後悔をしているのか?とか、
ひとにたいする執着が強すぎるのか?とか、
不安や不穏な空気でぱんぱんの風船をふくらませてしまう。
でも。ごく最近のことだけど、この、
「胸がチクっとする系」「ギュューっとする系」の、ゆめ。みる頻度がググーッと下がった。
記憶ボックスの更なる上の段階、忘却ボックス入りしかけてるのかもしれないし。ちょびっとだけわたしのココロがセイチョーしたのかもしれない。
昔の彼氏の顔も透明に近くなってきてるんだから当然の摂理なのかもしれない。
しょっちゅうみてた頃は悩んでたっぽいのに、
みなくなって来ると、じぶんで掘り起こすようなことして。何がしたいんだかまったくわからない。
でもそんなときもあるよねー。
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