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ミッドナイト映画会

土曜の夜。思わぬ体験をした。
以前から気になっていた韓国映画を観たのだ。その作品は、わたしが昔から大好きだった邦画のリメイクで、いつか観てみたいなと思いながらも機会がなく放置してしたままだったのだ。ひょんなきっかけからその作品の存在を思い出し「あ。いま観よっ」と、なって、最近では珍しく集中して鑑賞。正直に告白すると、近頃サブスクで話題のドラマや、好きな俳優さんが出ている過去作品でも、なんだか集中できないことが多くて、思わずスマホに手が伸びてしまったり(!)
あろうことか早送り。なんてことが続いてしまっていた。
作品は驚くほど淡々と進行し、もしも日本版を先に観ていなければ「何?何が言いたいの?」と、投げ出していたかもしれないけれど、ストーリーの結末を知っているが故の「どう〆るのか見届けたい欲」にかられ完走まで漕ぎ着けた。

悪い作品ではなかったと思う。メインのふたりの俳優さんどちらも好きで、出演作もわりと観てきていたという贔屓目も多少はあるかもしれない。
韓国映画では多用されがち(わたし内)な雪景色も効果的に使われていたし、ともすればヘビーになりがちなエピソードも全て、薄いヴェールの向こう側にあり、叙情的にパッケージングされていて、全体的に雰囲気重視。主役のふたりはとてもきれいに撮れていた。と、思う。
だけど、「これは全くの別物だ!」という心のモヤモヤがぬぐえず、どうしてもどうしても、日本版にふたたび出逢いたくなってしまった。

検索→発見→再生ボタン押す!「徹夜になったらやばいな。。」なんて思いは、始まった途端とんでいってしまい、とにかく作品世界に一瞬で引き込まれ、数年ぶりに観たので新たな発見(この人出てたんだ!系など)や、登場人物に対する感情も、初見や、何度目かの鑑賞の時とは違うものが芽生えたりしていて、歳を重ねてから、また同じ作品を観る醍醐味もきっちり味わえた。

とにかく疾走感と「青春の1ページ感」「知らない世界を知ることへの複雑な感情」「人を好きになること」についての、よろこび、しあわせ、哀しみ、失望、そして明日への希望。若さなりの達観や諦念。俯瞰で人生をみる視点。
すべてがものすごいスピードで迫ってきて怒涛だった。
やっぱり好きな作品。その気持ちは変わらず、とても感情がたかぶった。何とも形容し難い気持ち。
ああ。語彙力がほしい。

うん。使ってみたいから言います。土曜深夜のひとり映画会はエモ。でした。

そしてまだ、今よりも若かった頃に観た作品に心を揺さぶられる自分がいて。感性の錆びに怯えていた最近のわたしには安堵に似た気持ちすらもたらしてくれたのです。

ひたすらほとばしる想いのまま過ごす夜も、バクバクするココロを抱えながら眠る夜も、たまにはいいなと思いました。
規則正しい暮らしと、お手軽エキサイト体験に揺れる初秋?晩夏?な、わたしなのでした

「ジョゼと虎と魚たち」を観た。おはなし。
ではまた。


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ひらり
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