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それでも船は進む

前々から手描きでイラストを作成したタロットカードが、先日やっと届いた。恐る恐る開けてみると、つやつやしたコーティングのかけられた、紛れもなく自分が描いた絵が刷られたカードが入っていた。保護シートを剥がして一枚めくってみた。カードは厚く、そこに確かにあるという確信と安心感があった。私はついに成し遂げたのだ。自分の作品をなんらかの形で物にするという夢を。


こんばんは。お久しぶりです。みなさまいかがお過ごしでしょうか。私は相変わらずずっと創作に浸っており、前に描いた通り先日自作タロットカードが届いてとても気持ちが昂揚しています。


前々から書いている通り、ジャンルは伏せますが、私は6年前から二次創作を続けています。忙しい時期は休止したり別のジャンルに引っ張られたりと色々ありましたが、結局ずっと今のジャンルが好きで創作を続けたまま今に至ります。二次創作、というか絵描きを始めたのは高校に入ってからで、ずっと、いつか自分の絵を形にしてイベントで売ることを夢にしていました。本に憧れて、自宅のプリンターで自分のためだけに漫画を刷ってみたりと今振り返ると懐かしい限りです。

私は創作自体はずっとやっていたけれど、行動力が無く、自分から進んで本を出すようなことは出来ないでいました。しかし、今年の夏前に、推しカプのオンリーイベントがオンラインで開催されると知り、これを機に何か作品を出して見よう、と思ったのです。

絵本、画集、塗り絵など、さまざまな案がありましたが、自分の絵柄とタロットカードが合う、という過去のふぉろわーさんのお言葉を胸に、タロットカードを自作してみる運びとなりました。大アルカナの22枚+裏1枚を描くのはかなり大変で、デザインも工夫を凝らしたので、制作にかかった1週間は毎日1日中作業をしてました。しかし、その努力が実り、無事8月の頭に入稿をして、先日ついに実物が届きました。


ずっと夢に見た自分だけの作品を手にした時、ああ、色々あったけど、ここまで生きていてよかった、と心から思いました。生きていなければ、生きて創作を続けていなければ、このカードは決して手に入らなかったのです。過去の自分にもし会えるなら、自殺しようとする過去の自分に、笑顔でこのカードを手渡ししてあげたいです。


夢を成し遂げた今も、毎日は辛いし、孤独だし、自分のことは愛せないし、正直、早く死んで楽になりたいと思うことは多々あります。

それでも。

創作と、創作を楽しんでくれる人がこの手にある限りは、まだ生きてみよう、と思う自分が確かに存在するのです。


創作は大海への船出であり、実は誰にでもできます。創作とは私の光であり、6年前に創作という大海に筏を出した私は、今、無事に岸に着いて、自分の作品を手にしています。

この先も航海は続きます。これからも決して楽ではない航路が私を待っていると思います。それでも、私は、船を出そうと思います。

「過去の私、見てるー?私ね、やっとね、自分の作品を形にしたんだ!6年かかってやっとだよ。今のあなた、辛いよね、死にたいよね、やってらんないよね、分かるよ、私はあなただから。でも、もう少し、もう少しだけ、生きてみようよ、せめてこのカードを出すまで。」


これを読むあなたが自分だけの光を得られますように。それではまた。

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