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スマホが奪う学力、脳力、幸福感 ~ スマホに生活を支配されないことを目指して
ある調査では、日本人は1日平均7時間もスマホを使用しているというデータがあります。
脳科学者の川島隆太先生は「スマホが学力を破壊する」という新書で、スマホが脳に与える悪影響についてまとめています。
特に、仙台市教育委員会の協力も得て、7万人の子どもを対象にした、数年間に及ぶ大規模調査の結果として、
「スマホを見ている時間が長ければ長いほど、子供たちの数学の平均点が低くなった」
グラフなどを紹介しています。また、
「勉強時間30分以下でスマホを使わない生徒」より、「勉強時間4時間以上でスマホを使う生徒」のほうが、成績が低い、
という結果も出ています。
これは、スマホを使うことで、勉強した効果が消える、無効化されるということでもあります。
さらに、中国の新郷医科大学の研究によると、
スマホ使用が長ければ長いほど、脳の前頭葉の活動が低下、弱まっている
ことが分かったそうです。
そして、スマホで検索して情報収集をしても(記事を読んでも)、記憶に残っていなかったり、思考力や想像力が落ちたりして、機能低下に陥ると警告しています。
前頭葉は、頭の額の下当たらにある部分で、「脳の司令塔」です。
そんな司令塔が上手く働いてくれなければ、「脳力」「生活」に悪影響があることは、火を見るより明らかです。
他にも、ミシガン大学の研究によると
Facebookの利用時間が長いほど主観的幸福度が下がる
ことも明らかになりました。SNSの利用時間が長くなればなるほど、孤独感や抑うつは強まるという、何とも皮肉な結果が出ています。
そして、ピッツバーグ大学の研究では、
SNSの利用頻度が高いほどうつ病になりやすく、利用時間が短い人と比べるとうつ病リスクが2、7倍に高まるそうです。
他にも「スマホ脳」と言う本を始め、多くの研究結果からも、長時間使用によって脳が何かしらの悪影響~睡眠障害、依存症、記憶力、集中力の低下などがあることも分かってきました。そして、幸福度も下がります。
スマホの開発者であるスティーブ・ジョブズやマイクロソフト開発者であるビル・ゲイツ、ツイッターの共同事業者らが、自分の子にスマホを持たせなかった(使用を厳しく制限した)という、笑えない話もあります。
それぞれの悪影響、中毒性があることを熟知している開発者だからこそ、我が子へは無制限に使用させなかったということでしょうか。
とはいえ、これだけ生活の中の一部として入り込んでいるスマホを全く使用しないということも難しくなりました。
よって、少しでも、悪影響を受けない使い方、付き合い方を考えないといけません。
まず、何と言っても、勉強や仕事に向かう時にスマホから距離をとる事です。
例えば、別の部屋にスマホを置いたり、カバンなりにしまって、
「目に見えない」状態にします。
一番いいのは、とにかく、スマホに限らず作業に必要なもの以外~テレビ、漫画、ゲーム・・・を周りに置かない事です。それで集中力を保てます。
ただ、カバンにしまうにしても
必ず「電源を切る」事が、必要にあります。
カバンに入れて、目につかなくても、着信音やバイブレーションなどで、集中できなくなるからです。
あるいは、連絡が入るんじゃないか、自分が投稿したものに、「いいね」がついているんじゃないか、など、頭の中で勉強や仕事とは別の事を考えてしまうからです。
「スマホが気になって仕方がない」状態は、自分の周りに、絶えず、蚊やぶんぶん飛びまわる虫がいる状態と同じです。
これでは、集中できずに、記憶しづらくなりますし、ゆっくり落ち着いて考えることもできなくなります。そして、よい判断も下せなくなります。「学力が落ちる」のは当然ですし、ひょっとすると、仕事の質も落ちていくかもしれません。
次に、
「寝室に持ちこまない」事です。
特に、寝る1時間前以内にスマホを見てしまうと、ブルーライトの効果によって、睡眠の質を落としてしまいやすいです。また、寝る前に通知が届いて、やり取りで睡眠時間を削ってしまったり、気持ちが落ち着かなかったりということも防げます。
スマホには依存性、中毒性があります。自分の意志の力でやめよう、とめようとしても難しいです。そんな時に有効なのが、「スクリーンタイム」機能を使うことです。
いろんなパターンがありますが、例えば、設定した特定の時間だけ「使用できなくする」内容や、1日に使用できる時間を例えば3時間などと決める方法もあります。
ロックや制限をかけることで、自分の意志で止められず、ずるずると使用してしまうことを防げます。
さらに、ゲームなど、どうしてもやめられない場合は、そのアプリ自体を削除してしまうのも、一つの方法ではあります。
それぐらい、心を鬼にして、「断つ」ことをしないと、なかなか依存状態から抜け出せません。
スマホはただの「ツール」です。生活自体を支配されないように、付き合い方を見直す必要がありそうです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます
皆様の心に残る一言・学びがあれば幸いです