見出し画像

#86 九九暗唱の弊害:算数学習に与える影響とは?

いよいよ文章題です。
まずは、文章題を解くには、順序があります。
その順序を確認していきましょう。

①問題文を読み、内容を理解する。
②理解したことを図に表し視覚的に捉える。
③式を立てる。
④計算する。

文章題を苦手にしている子どもはたくさんいますが、どの段階でつまずいているのかを分析する必要があります。
そしてそのつまずきに合わせて支援しなくてはならないのです。

子どもたちに
「算数のテストの時、文章題の文をきちんと読んでる?」
と訊くと、
「あんまり読んでない」
「数字だけ見てやってる」
「かけ算のテストのときはかけ算になるから、でてきた数字かけちゃえばできる」
などなど…目が点になるような返答がすぐにかえってきます。

なぜか?
九九学習の弊害です。
九九暗唱に力を入れすぎるあまり、覚えること自体はよいことなのですが、無理やり計算を自動化させただけで、九九さえできていればなんとかなるという思い込みから、算数の問題場面と素直に向き合うことができなくなってしまっているのです。
このような思考回路になっている状態を

「九九暗唱脳」


と名付けました。

なので、①②をとばして(問題文をよくに読まず、図に表すこともせず)いきなり式を立て始めてしまうのです。
数を量として捉えずに暗記にたよった結果とも言えます。

九九暗唱完璧=算数できる
という勘違いが生じるのです。

九九暗唱が完璧なのはいことではありませんが、算数の本質ではありません。
九九の答えは忘れてもなんとかなります。
むしろ、大切なのは、忘れたときにどうやって解いたらいいのかがわかることなのです。

さて、本当に個別支援が必要なのは、このような子たちではありません。

文章題を読んでも問題場面を想起できなかったり、「2こずつ」「1人あたり」といった言葉の意味がわからなかったりする子には支援が必要です。
こうした子はASD傾向が強く、語彙力も少なく、言葉から想像することを苦手にしていたり、抽象的な言葉が理解できない子たちです。
わかりやすい言葉に置き換えたり、具体物を使って場面を示したりしてあげる必要があります。

また、意味は理解しているけれども、読み飛ばしてしまうのはADHD傾向のある不注意な子たちです。
読み飛ばさないよう、1文ずつ読めるように残りの文章を隠すなどして確実に読ませる支援が必要です。

何か算数の指導や支援のことで質問や、お困りの方がいらっしゃいましたら、気軽に連絡下さい。
コメントもしくは、クリエーター問い合わせからメールを下さい。


論理的思考力が身に付くパズルです。
大人も1度やったらやみつきになるパズルですよ。
親子で一緒にやってみたらいかがでしょうか?

今日はこのあたりでおしまいにします。
次回、実際の文章題を使いながら説明していきたいと思います。

参考になる方がいたら幸いです。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?