
新刊で本を買ったことへの長い言い訳。あるいは本を読むことへの賛歌。
基本、本は新刊で買うようにしている。図書館やブックオフはあまり使わないようにしている。
読みたい本があると居ても立っても居られなくなって、図書館に行って借りたり、ブックオフで探すのが嫌だから。それにこんな素晴らしい本を書いてくれる著者の方に本を買うことによってわずかばかりでも対価を支払いたいという気持ちもある。
けれど、先日久しぶりにブックオフにいった。
理由は米だ。米が高すぎてびびった。
5キロで4000円くらいする。昔は安いのだと2000円ちょっとで買えた気がする。2倍以上に高騰する米の価格をアマゾンで呆然と眺め、心に誓った。生活を防衛せねばと。
本当に著者の方には申し訳ないが、少しでも安い本を求めてブックオフに久しぶりに訪れた。
ブックオフという楽園
昔読んだ奥田英明さんの短編集「我が家の問題」「我が家のヒミツ」がまた読みたくて、ブックオフの棚を探すとすぐに2冊見つけることができた。
値段は110円と350円。それに山田太一さんの「偉人たちとの夏」を合わせて220円。計680円。アプリ登録したら100円引きになって、580円なり。
安すぎる値段に驚愕した。
普通にアマゾンで新刊で買ったら、1969円。約3倍だ。
米や野菜、文庫本など、ありとあらゆるものが価格高騰する中で、ここはオアシスなのかと見紛うブックオフに酔いしれてしまった。
もうこの蜜を吸ってしまったからには新刊本には戻れない。ブックオフや図書館をフル活用しようと180度宗旨替えしてしまった。
なのに。新刊本を買ってしまったわけとは
にもかかわらず、つい先ほど岸田奈美さんの「もうあかんわ日記」を新刊本で買ってしまった。
図書館ではおそらく予約が必要ですぐには借りられないと思うし(まだカードをつくっている途中なので推定)、ブックオフでもあまり安くなっていないからだ。
図書館で予約がくるまで待ちなさいという話だが、今のところは本は読みたいと思ったときにすぐに読みたい。やはりそれは譲れないなと思った。
なぜなら本は人生を変える可能性がある数少ないものだからだ。
人生を変えるというと大げさに聞こえるかもしれないが、実際本は、正確にいうと情報は人生を変えうると思う。
この本や、この本をベースにした記事によって、明らかに自分の行動が変わった。
簡単にいうと、自分なりに人との関係をもっと大事にしたいな。人生の優先順位の最上位に人との関係をもってこようと思った。そのくらい影響を受けた。
「75年に渡る研究から はっきりと分かった事は、私たちを健康に幸福にするのは、富でも名声でも無我夢中に働く事でもなく、 良い人間関係に尽きるという事です。」
それまで自分はわりとひとりの自分が好きなこともあって、自分の時間を最優先することもあった。
でもこの本のメッセージに触れて、人生の優先順位が変わり、行動が変わった。
その結果、明らかに意識が変わる前よりも人生が変わっている感覚がある。
読書の影響力の大きさ
気になる本は早く読むに越したことがないのは、可能性は低くても人生を変えるくらいのインパクトを秘めているからだ。
そんな本は滅多にないのも事実だけど、自分の人生を変えるような本に本当は今日出会えるはずだったのに、明日、一週間後に先延ばしする気になれない。
人生は短い。いつ終わるかわからない。
人生変わらくなくとも、本を読んでいると震えるほど美しい瞬間だったり、自分には持ち合わせていないやさしさの形だったり、信じられない苦難に陥って、それでも小さな希望を灯りに粘り強く生きる人に出会えることがある。
だからこの先は新刊本を買い続けるだろう。という長い言い訳。
お金がないのに調子に乗って新刊本を買ってしまった言い訳。
後悔はない。数少ない趣味にお金を少し使ってもばちは当たらないだろう。
とはいえブックオフも活用する。図書館も。ようはバランスだ。
つまらない結論だけど、結局何事もバランス。極端なことは長続きしない。