JW371 仙太郎と桃太郎
【桃太郎編】エピソード41 仙太郎と桃太郎
第十代天皇、崇神天皇(すじんてんのう)の御世。
ついに、讃岐(さぬき:現在の香川県)の賊を平定した一行。
そして、香川県高松市(たかまつし)の鬼無町(きなしちょう)に残る、桃太郎伝説について、解説がおこなわれる。
橋本仙太郎(はしもと・せんたろう)をゲストに迎え、地名を紐解いて(ひもといて)いくのであった。
ジュリアン「川へ洗濯(せんたく)に行った、お婆さんは、何処(どこ)で洗濯したんじゃ?」
仙太郎「その川は、前々回、みなさんが賊を撃退した、本津川(ほんづがわ)のことです。『射退橋(いのくばし)』って紹介されてましたよね? そこの袂(たもと)が、洗濯したところです。」
モモ「鬼無町側には『おばあさんの洗濯場』と書かれた表札(ひょうさつ)も有るのよ!」
仙太郎「お婆さんは、美しい娘とも言われていて、讃岐を訪れた、桃太郎は、一目惚れ(ひとめぼれ)してしまったそうです。そこで、桃太郎は、二人の養子になったのだとか・・・。」
芹彦「ん? 妻にするのではなく、養子になったと?! どういうことじゃ!? タケ!?」
タケ「わ・・・私に聞かれても困る・・・。」
アマンダ「とにかく、このころには、海賊が暴れよったんで、お爺さんたちは、神高(かんだか)と呼ばれる地に避難(ひなん)したんじゃ。二千年後の鬼無町山口(きなしちょう・やまぐち)と言われとるで!」
サントス「住んだ屋敷は『やらい屋敷』と呼んだそうじゃ。どこかは、聞かんといてな。」
ナビル「それだけじゃないで! お爺さんとお婆さんは、菟狭津彦(うさつひこ)の末裔(まつえい)と言われとるんで!」
芹彦「菟狭津彦じゃと!? 神武東征(じんむとうせい)で登場した『ウサ夫』のことか!?」
モモ「エピソード5で、初登場した人物ね・・・。」
たっちゃん「妹の菟狭津媛(うさつひめ)は、中臣氏(なかとみ・し)の祖、天種子(あまのたね)の妻となっておりまするな・・・。」
タケ「ここで、菟狭津彦と繋(つな)がるとは・・・。まさかの展開じゃな・・・。」
仙太郎「そして、僕は、西暦1930年、皇紀2590年(昭和5)、40歳の時に、四国民報という新聞に論文を発表しました。題して『童話「桃太郎」の発祥地は讃岐の鬼無』です。」
ロナウド「四国民報は、のちに、四国新聞となったぞ!」
仙太郎「そして、この論文が広まり、鬼無町鬼無(きなしちょう・きなし)の袋山(ふくろやま)の山麓に鎮座(ちんざ)していた、熊野権現(くまのごんげん)に、タケ様が合祀(ごうし)されました。」
猿王「これが、熊野権現桃太郎神社(くまのごんげん・ももたろうじんじゃ)ですぞ!」
モモ「ここには、桃太郎から、犬、猿、雉、そして、お爺さんとお婆さんの『お墓』が有るのよ!」
タケ「墓? 私の墓と申すか?」
ジョン「犬は、俺ってことか?」
アマンダ「ま・・・まあ、伝承じゃけん(だから)・・・。」
タケ「とにかく、これにて、桃太郎伝説の解説は終わりじゃ。仙太郎、大儀(たいぎ)であった。」
仙太郎「お会い出来て、光栄でした。」
こうして、讃岐に平穏が訪れたのであった。
つづく