JW526 曙立王の息子?
【垂仁天皇編】エピソード55 曙立王の息子?
第十一代天皇、垂仁天皇(すいにんてんのう)の御世。
紀元前8年、皇紀653年(垂仁天皇22)。
天照大神(あまてらすおおみかみ)(以下、アマ)が、遷座(せんざ)を宣言した。
次の宮の名は、飯野高宮(いいのたかみや)。
御杖代(みつえしろ)の倭姫(やまとひめ)(以下、ワッコ)は、従者たちと共に旅立つのであった。
前回は、飯高県造(いいたか・の・あがたつくり)の祖、乙加豆知(おとかづち)が登場したが・・・。
ワッコ「次は、誰が出てくるのじゃ?」
するとそこに、弥志呂宿禰(みしろ・のすくね)(以下、ミシロ)という男がやって来た。
ミシロ「よっ! 俺が『ミシロ』だぜ。佐那県造(さな・の・あがたつくり)の祖先と言われてるんだぜ。そんで、神田(かんだ)と神戸(かんべ)を献上するぜ。すげぇだろ?」
ワクワク「ところで、佐那って、どの辺なの?」
ミシロ「三重県多気町(たきちょう)の辺りになるぜ。そこに、佐那神社(さなじんじゃ)が鎮座(ちんざ)してんだけどよぉ、まあ、そういうことだな。」
カット「佐那神社? どのような神が祀(まつ)られておるのじゃ?」
ミシロ「祭神(さいじん)は、天手力男神(あめのたぢからお・のかみ)と、曙立王(あけたつ・のきみ)こと『アッケン』だ。すげぇだろ?」
ワッコ「えっ? 『アッケン』? 又従兄弟(またいとこ)の『アッケン』殿のことか?」
するとそこに「アッケン」がやって来た。
アッケン「読者の皆様、お久しぶりにござる。エピソード468以来の登場にござる。」
ワッコ「お初にお目にかかりまする。私が『ワッコ』にござりまする。して、なにゆえ、汝(いまし)が祀られておるのです?」
アッケン「それは、我(われ)が、佐那県造の祖先だからじゃ。」
ねな「ちょっと待ちなさいよ! さっき、佐那県造の祖先は『ミシロ』って言ってなかった?」
ミシロ「だからよぉ、俺の親父ってことになるんじゃねぇか?」
市主「えっ? そうなりまするか?」
アッケン「そ・・・そうじゃな・・・。特に記載は無いが、そういうことになるのかもしれぬな・・・」
おしん「はっきり、してけろ!」
乙若「まあ『倭姫命世記(やまとひめのみこと・せいき)』は、鎌倉時代に編纂(へんさん)された書物じゃ。このようなことも起こり得(う)るのであろう・・・。」
ワッコ「なるほど・・・。伝承が語り継がれるうちに、変なことになったしまったのじゃな?」
乙若「分かりやすく申せば、そういうことですな・・・。」
ミシロ「と・・・とにかくよぉ、佐那神社は、多気町の仁田(にた)に鎮座してるんだぜ。すげぇだろ? なあ? 親父? すげぇだろ?」
アッケン「う・・・うむ。凄(すご)いと思うぞ。」
ミシロ「じゃあ『ワッコ』様。いつものアレ、やってくんねぇ。」
ワッコ「汝(いまし)が国の名は、何ぞ?」
ミシロ「こもりく、志多備国(したび・のくに)。毛佐向国(くさむかうくに:草向かう国)。」
インカ「どういう意なのじゃ? 志多備国とは?」
ミシロ「お・・・俺に分かるわけねぇだろ。お・・・親父? なんか知ってるか?」
アッケン「『ミシロ』よ・・・。これがロマンじゃ。」
アララ「あらら・・・。そういうことになっちゃった。」
ワクワク「じゃあ『ワッコ』様。次は、僕に尋(たず)ねてよね。」
ワッコ「なにゆえじゃ?」
ワクワク「そう書かれてるからに決まってるでしょ! さあ、尋ねて、いいんだよ。」
ワッコ「い・・・汝(いまし)が国の名は、何ぞ?」
ワクワク「百張(ももはる)、蘇我国(そが・のくに)。五百枝刺(いおえ・さ)す、竹田国(たけだ・のくに)!」
ワッコ「どういう意じゃ?」
ワクワク「竹田国は、三重県南部のことみたいだね。よく分かんないけど・・・。」
ワッコ「はぁぁ(*´Д`)。いつになったら、宮の解説が出来るのじゃ?」
そのとき「ワッコ」の櫛(くし)が落ちた。
どういうことであろうか?
次回につづく
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