JW535 二柱の祟り
【垂仁天皇編】エピソード64 二柱の祟り
第十一代天皇、垂仁天皇(すいにんてんのう)の御世。
紀元前7年、皇紀654年(垂仁天皇23)11月3日。
言葉を発しない、誉津別(ほむつわけ)(以下、ホームズ)。
その謎を解明するため、垂仁天皇こと、活目入彦五十狭茅尊(いくめいりひこいさち・のみこと)(以下、イク)は、夢で男の神から御告げを受ける。
一方、大后(おおきさき)の日葉酢媛(ひばすひめ)(以下、ひばり)も夢を見る。
しかし、その夢に現れたのは、阿麻乃彌加都比女(あまのみかつひめ)(以下、ミカ)という女の神であった。
謎が深まる中、太占(ふとまに)を終えた、中臣大鹿島(なかとみ・の・おおかしま)(以下、オーカ)が駆け込んで来た。
オーカ「大王! 出雲(いずも)! 出雲!」
イク「出雲? どういうこと?」
くにお「出雲は、島根県東部のことじゃ。」
オーカ「補足説明、ありがとうございますぅ。その・・・出雲にあらしゃいます。」
ニック「出雲の神様っちゅうことか?」
オーカ「はい。大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)にあらしゃいます。」
一同「ええぇぇ!!」×8
カーケ「『ホームズ』が喋(しゃべ)れないのは、大国主こと『くにやん』の祟(たた)りだったということかね?」
くにお「前回の『武甕雷神(たけみかづち・のかみ)こと『タケミー』と、経津主神(ふつぬし・のかみ)こと『ふつ』に、大きな社(やしろ)を建てて欲しいって言った』・・・の件(くだり)で気付けたと思いまするが・・・。」
イク「うっ・・・。とにかく、皇子を出雲に向かわせ、参拝(さんぱい)させよう。」
武日「お付きの者は、誰にするんや?」
イク「よし! 曙立王(あけたつ・のきみ)こと『アッケン』と、菟上王(うなかみ・のきみ)こと『うなお』の兄弟に任せよう。」
ひばり「しばし、お待ちください。『ミカ』様のことは、如何(いかが)致します?」
イク「そうだなぁ。そっちについては、建岡君(たけおか・のきみ)こと『オカくん』に任せよう。」
ちね「誰やねん!」
イク「『釈日本紀(しゃくにほんぎ)』に出てくる人物だよ。」
くにお「されど『オカくん』については、向かうべき地が分かりませぬ。何処(いずこ)に遣(つか)わされると申しまするか?」
ひばり「たしか・・・夢の中で『ミカ』様は、多具国(たぐ・のくに)の神と仰(おっしゃ)っておられました。」
オーカ「多具国・・・。島根県出雲市(いずもし)の多久川(たくかわ)の流域にあらしゃいますなぁ。」
カーケ「出雲市の多久町(たくちょう)と多久谷町(たくだにちょう)の間を流れる川なんだぜ。」
イク「よし! 『オカくん』を三野国(みの・のくに:現在の岐阜県南部)に向かわせよう!」
ニック「なんで、そうなるんや!」
イク「だって『釈日本紀』に、そう書かれてるんだもん・・・(´;ω;`)ウッ…。」
とにもかくにも、出雲と三野に、使者が遣わされたのであった。
まずは「オカくん」の方から見ていこう。
オカくん「・・・というわけで、ようやく登場出来た。して、ここが、三野国か・・・。蝮(まむし)の道三(どうさん)が現れる前の・・・遥か昔の三野か・・・。」
するとそこに、神大根王(かむのおおね・のきみ)(以下、ノーネ)がやって来た。
ノーネ「読者のみなさん! お久しぶり! 我(われ)は三野後国造(みのの・みちのしりの・くにのみやつこ)! エピソード508以来の登場!」
オカくん「こ・・・これは『ノーネ』様。合いの手にござりまするか?」
ノーネ「その通り! 思った通り!」
オカくん「して、我(われ)らは何処に向えば、よろしいのでしょうか?」
ノーネ「花鹿山(はながやま)に決定! 釈日本紀の設定!」
オカくん「では、山に登りましょうぞ。」
ノーネ「紙面の都合! すでに山頂!」
オカくん「えっ? で・・・では、神が何処におわしますのか、占(うらな)いまする。」
どのような結果が出るのか?
次回につづく