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JW388 鳴釜神事
【崇神改革編】エピソード15 鳴釜神事
第十代天皇、崇神天皇(すじんてんのう)の御世。
紀元前74年、皇紀587年(崇神天皇24)のある日・・・。
ここは、吉備国(きび・のくに:現在の岡山県と広島県東部)。
温羅(うら)の願いを叶えるため、妻の阿曽姫(あそひめ)が「ごはん」を炊くこととなった。
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ミマキ「大伯父上・・・。これにて、一件落着にござりまするが、温羅が申していた、吉凶(きっきょう)を占うというのは、どういうことにござりまする?」
芹彦「うむ・・・。それは、のちに、鳴釜神事(なるかましんじ)と呼ばれるモノになる! 二千年後も続いておるのじゃぞ!」
阿曽「ちなみに、この神事に仕えるオナゴ(女)のことを『阿曽女(あぞめ)』と言うんじゃ。」
サモリ「阿曽殿の故郷、阿曽郷(あそ・のさと)のオナゴ(女)が、代々、阿曽女になるんですよね?」
阿曽「その通りじゃ。ちなみに、阿曽郷は、二千年後の岡山県総社市(そうじゃし)の西阿曽(にしあぞ)と東阿曽(ひがしあぞ)のことじゃ。」
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トメ「二つに分割されたんですか?」
阿曽「よう分からんけど、そうみたいじゃなぁ。」
ミマキ「して、どのような段取りで、占われるのでござる?」
タケ「まず、阿曽女が釜(かま)に水を張り、湯を沸(わ)かす。」
ヨーコ「釜の上には、蒸籠(せいろ)が乗せられ、常に湯気が上がっている状態にするのよ。」
ジョン「その次に、祈りを込めた札を釜の前に祀(まつ)るぜ。これで、準備完了ってことだ。」
ジュリアン「それから、釜を挟むようにして、神官と阿曽女が向かい合って坐り・・・。」
犬「神官が祝詞(のりと)を唱えている間、阿曽女が、蒸籠の中に入れた、玄米を振りまする。」
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たか「そうすると、鬼が唸(うな)るような音が鳴り響き、祝詞を奏上(そうじょう)し終えるころに、音が止みまする。」
ショーン「この釜から出る音の大小長短から、吉凶を占うんじゃ。」
カネ「されど、神官も、阿曽女も、何も答えません。聞いた者が、音を感じ、判断するのです。」
ミマキ「それが、二千年後も続いておると?」
阿曽「その通り! ちなみに、釜が壊れたり、古くなったら、交換するんじゃけど、新しい釜を作るんは、阿曽郷の鋳物師(いものし)と決まっとるんよ。」
芹彦「ちなみに、かつては、他の社(やしろ)でも鳴釜神事が、おこなわれていたそうじゃ。」
タケ「されど、時が経つにつれ、廃(すた)れていき、二千年後は、吉備津神社(きびつじんじゃ)だけで、おこなわるようになったようじゃな・・・。」
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ミマキ「吉備津神社?」
芹彦「それがしの住まい、吉備津宮は、社(やしろ)になるのじゃ。」
犬「岡山市北区吉備津(きたく・きびつ)にござる。祭神は、芹彦様、タケ様、モモ様にござる。」
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トメ「それだけじゃないよ。御兄弟たちも祀られてるし、末社(まっしゃ)には、先妻の百田弓矢姫(ももたのゆみやひめ)こと『ユミ』様や『たっちゃん』。それに、御尊父の七代目、孝霊天皇(こうれいてんのう)も祀られてるんだよ。」
こうして、吉備津神社の紹介も出来たのであった。
つづく