見出し画像

私たちはリアルコミュニティに回帰するのか?それともメタバースに移行するのか?

今から1年半くらい前、私がYouTubeに少しだけ飽き始めた頃に考えた「コミュニティに関する理論」がある。専門家でもなんでもないが、考えちゃったので今日はそれを書いてみたい。

もし、今記事へのアイデアや意見があれば、私の知見を広げる意味でもたくさんコメントしてほしい。

▶︎SNSはみんな好き。

2010年頃のFacebookブームから、Instagram、YouTube、TikTokブームと、スマホの利便性の高まりによって、SNSが隆盛を極めている。


Facebookは最初、若者だけのものだったけど、徐々におじさん世代も始めるようになって、今では逆に若者はやらないらしい。「Facebookはおじさん臭いですよね」とこの前も19歳に言われた。


YouTubeなんて、私は始め、YouTuberを少し小馬鹿にしていて、まったく見向きもしなかった。けど少しずつYouTuberたちが上げるコンテンツの面白さに気づいて、今では毎日見ている。


▶︎物事はどのように広まるか?

何が言いたいかというと、イノベーター/キャズム理論だ。この理論の細かなところを解説するのは、私の専門ではないから、この動画を見てくださるとよく分かる。

「Whyから始めよ」で有名なサイモン・シネック氏の有名なプレゼンだが、この中にイノベーター/キャズム理論が登場する。

●イノベーター理論=普及学

普及学とは、新しいアイデアや技術が社会になぜ普及したりしなかったりするかや、どのように普及するかを説明しようとする理論である。イノベーター理論とも呼ばれる。
wikipedia : 「普及学」

この理論を図示するとこう。


物事が流行るとき、どんな順番でどのように広がっていくのかの理論がイノベーター理論であるが、各種SNSもこのイノベーター理論に従って展開されてきた。



▶︎イノベーター/キャズム理論とは

物事は、以下の属性の人たちの存在によって、じわじわと、しかし爆発的に普及していく。

・イノベーター(2.5%)

・アーリーアダプター(13.5%)

・アーリーマジョリティ(34%)

・レイトマジョリティ(34%)

・ラガード(16%)


物事の普及は、イノベーターと呼ばれる「流行り物好き」の人たちから始まる。イノベーターはごく少数で、例えば新作iPhoneを手に入れるためなら、夜中から列に並ぶ人たちのようなイメージ。

アーリーアダプターがそれに追随する。
この人たちもまだ少数派で「なんか新しいもの出てきたぞ?買ってみるか」というように少し流行に敏感な層の人たち。

ここからアーリーマジョリティ、レイトマジョリティと広まるのだが、アーリーアダプターとアーリーマジョリティの間には「キャズム」と呼ばれる深い溝があって、このキャズムを越えるのが難しいらしい。逆にいえばキャズムを越えれば一気に流行る。


ちなみにラガードは何もしない。
意地でもガラケーを使ってたサンドウィッチマンみたいな人たちだ。彼らは「え、ガラケー使えなくなるの?それならiPhoneにするか」となるまでテコでも動かない。



例えば「iPhoneの普及」を考える。

私がiPhoneを手に入れたのは2009年頃のiPhone 3GSの世代の時だったから、アーリーアダプターの層に入るのかな。周りからは「お前、カッコつけやがって」と馬鹿にされたが「今にみんな使うようになる」と思ってた。本当にそうなった。キャズムを超えたのだ。


YouTubeの場合、私はアーリーマジョリティくらいだろう。キャズムをとっくに超えて流行り出したYouTuberたちの動画に、遅れて乗っかった。



▶︎結局、物足りない私たち

そこからInstagram、TikTokと色んなSNSが登場したが、全てをひと通り体験して数年経つと、飽きてくる。なぜ飽きるのかと言うと、以下の記事にも書いたが、


「スマホは情報を私たちに発信してくるだけで、私たちの日常や意見をうんうん聞いてくれないから」


ここには「人は人間関係の中でこそ生を感じる社会的な動物である」ということが根底にある。人は人間関係をこそ求めるのだ、と思ったことについては以下記事を空き時間に見てみてほしい。




▶︎で、冒頭に戻る。 

今から1年半くらい前、私がYouTubeに少しだけ飽き始めた頃に私が考えてた理論があって、今日はそれを書いてみたい。


Facebook→Instagram→YouTube→TikTok

と来て、次は何が来るのか?何が流行るのか?であるが、つい最近までの私の結論はこう。


人はリアルコミュニティに回帰する。


理由は言わずもがなで、上に書いた通り。

スマホは私たちの話を聞いてくれない。だけど私たちは人間関係(コミュニティ)の中に属してこそ生を感じる。

オンラインサロンも一瞬流行った。だけど、イノベーター理論で言うと、キャズムを越えることはなかった。だからオンラインサロンは流行っていない。何かが違うんだろうな。生を感じないんだ多分。あと、なんかクールではない。


以前、新卒採用で悩む人事担当と意見交換することがあった。そこでこの理論の話をしたところ出た結論は「コミュニティ重視のインターン」を増やすべき、というものだった。なぜならWEB内でああだこうだ会社自慢をしても大学生は興味がないから。


だから、リアルに会えるコミュニティを作ることがこの先の時代に合ったものになる、と思っていた。


▶︎新たな概念の登場

うん、我ながらきちんと理論が構築されている、と思っていたのだが、ここに新たな概念が登場してきた。




メタバースだ。

こんな感じ?



メタバースと聞くと、こんなものをイメージする。

マツコさん楽しそう。

なんか変なゴーグルつけて、謎の物体を手に持って…みたいなゲーム的な空間。ここで断っておきたいが、この状態だと多分キャズムは超えられない。現状、まだイノベーターだけがやってて、アーリーアダプターまでも浸透しきっていない。つまりキャズムを超えていない。

Web3.0とか、あのあたりもたぶんそうだ。一部のイノベーターだけが盛り上がっている。キャズムを超えていない。

キャズムはマジで超えられない。


なぜなら、現状のメタバース体験にしても、Web3.0にしても、理解が困難だからだ。さらにクールではないから。イケてない。なんかダサい。




でもどうだろう?

メタバースがどんなものになるか分からないが、これが理解しやすく、クールでイケてるものになったら。アベンジャーズの会議のシーンみたいな。


たぶん、いまMeta社(旧Facebook)はこのあたりを一生懸命に研究・開発しててもうすぐそこまで来てるはず。Meta社のHPを見ると、トップページにこう書いてある。

ザッカーバーグ氏は多分ガチ。

コミュニティ作りが目的でザッカーバーグ氏は会社名まで変更してしまった。

さらには最近「ボディーシェアリング」なんて概念まで出てきた。身体の感覚すら共有できるようになるとかならないとか。

この概念が進むと、たとえば、
・朝カナダで出産体験をして
・お昼はパリのカフェで食べ
・夕方になればインドでヨガをして
・夜には認知症の方の介護体験
ができるようになるらしい。人が一生をかけてする体験をわずか1日で追体験できるようになるんだとか。


※みんな大好き成田さんも悶絶




▶︎とにかくキャズムを超えうるか?


なんにせよ、問題はキャズムを越えるかだ。

「人と会う」という行為にはキャズムもへったくれもない。よって、私個人としては向こう数年はリアルコミュニティに回帰する流れが加速していくのでは?と思っている。


加えて言うと、そのリアルコミュニティにはリーダーや主催者がいないものが望ましいだろう。Web3.0的な概念のリアルバージョンだ。地方とかではもう取り組んでるところはあるよねきっと。

要は私たちの友だち関係に似た構造を、意図的に作り出す営みが必要になってくる。友だち関係のコミュニティにリーダーなんていないように。

※コミュニティ作りに関して、
以下の記事は100%私は納得。


だからこの記事のタイトル、すなわち私たちはリアルコミュニティに回帰するのか、メタバースに移行するのか?の問いに対しての答えは、


基本的にはリアルコミュニティだ。

なぜなら誰もが欲しているから。
そこにはキャズムが存在しないから。
しかし、もしもメタバースがキャズムを超えた時にはその限りではない。

なんてことを札幌の保険業界で考えてるのは私くらいのものではないか、なんて思うのであった。


いいなと思ったら応援しよう!