本屋大賞2位作品の魅力を語りたい!
2023年の本屋大賞候補が出そろい、4/12に発表のようですね。
本屋大賞は、書店員さんが投票して、売りたい本を選ぶ賞です。近年、注目度も高く、大賞受賞作は映像化もされることもしばしばあります。
もちろん、大賞に選ばれた作品は多くのメディアに取り上げられたり、
本屋さんで、見えやすいところに置かれたりします。1位作品──本屋大賞受賞作は、本当にはずれがなく、面白い作品ばかりです。
しかし!
面白いのは大賞受賞作品だけではないと思います。
候補作品に入った他の9作(候補作は毎年10作選ばれます)も十分な魅力を備えています。
そこで、今回の記事では、本屋大賞2位になった歴代作品のうち6作を紹介していきます。本屋大賞の候補作は、ジャンルもバラバラだったりするので、面白そうって思える作品があるかもです!
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2021年2位『お探し物は図書室まで』
読みやすい。本を普段読まない人におすすめしたくなります。寝る前に少しずつ読み進めると1週間は快眠できそうです。
独特な司書さんがフェルトの"付録"を添えて、本を勧めてくれます。この本との出会いが少し、日常を変えてくれます。
作者は言葉の力を信じてるのだと思います。
普段の生活に不意に響く言葉が居心地よく、キャラクターに届いていきます。本でしか体験できない経験をすることができて、とても満足の1冊です。
2019年2位『ひと』
優しい世界です。町の惣菜屋のコロッケから、こんなに優しい物語が始まって、読後も清々しい気持ちになれます。「人の縁」を大事に描いた作品で、恩をもらって、どうにかして返す…というような成長を読者は見守ることになります。
弱くて空虚な青年が、優しくて芯のある青年に少しずつ変わっていきます。日常が特別な日になるような気がして、心温まる作品です。「ここにいていい」って肯定してくる存在ってめちゃ強い味方ですね。
2016年2位『君の膵臓をたべたい』
泣ける青春小説です。映画化もされたのでタイトルは聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。この青春は、2人だけの秘密からスタートします。ちょっとした冒険があったり、不意に響いたり傷つけてしまうことがあったり、新しい感情に出会っていきます。
10代の不安定さとまっすぐさが共存していて、特に最後の感情がこぼれてしまうシーンは印象に残ってしまいます。家で読みましょう。泣いてしまうので。
2012年2位『ジェノサイド』
圧巻のサスペンス小説です。新人類が誕生したら、我々旧人類がどう考え、どう動くのかを圧倒的なスケールで描きます。「新人類の出現」というトピックが斬新です。アメリカ、アフリカ、日本と場所が様々で、登場人物も様々な肩書を持った人が登場します。
新薬開発に取り組むパート、傭兵としてアフリカで特殊任務を遂行するパートで、静と動を書き分ける筆力もうなります。それぞれのパートで物語が進むと、大きな1つの物語になる構成が後半の読むスピードを上げていきます。
未知とか、悪みたいな何かと戦っていて、読む価値がある本だと思いました。これが本屋大賞になったら、どうなっていたか気になりますね。
2008年2位『サクリファイス』
青春小説で、サスペンス小説です。ロードレースを扱っていて、「そういうルールなんだ!」みたいな発見もありました。テレビでロードレースをみると、以前より解像度があがったような気がします。
ロードレースってチーム戦なんですね。主人公はエースを勝たせるために、アシストする役割です。このあたりに戦術があって、チームスポーツのよいところ、悪いところがしっかり描かれています。
陸上選手から転向したという背景も主人公の魅力を引き出しています。さらに、アクシデントがあったりハラハラドキドキな展開で、表題の意味がわかると、「おぉぉ~!」ってなります。
2007年2位『夜は短し歩けよ乙女』
バタバタ青春小説です。とある大学で同じサークルの「黒髪の乙女」にある先輩が恋をしていまいます。マイペースな乙女と、不器用な先輩の距離間が最高です。ゲリラ公演しかり、我慢大会しかり、バタバタ感が疾走感に変わっていって、ページをめくる手がとまらなくなります。
舞台はおそらく京都大学なのですが、、毎年、京大の卒業式には必ずこの「黒髪の乙女」の仮装をする人がいます。
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本屋大賞作だけに注目が集まるのですが、候補作も十分に面白いです。何を読もうか迷ったら、大賞受賞作、そして候補作を読んでみるのはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。