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#249_たとえば肉親をあやめられたひとが、何十年もかけて怒りの感情を手離していくというようなことがあります。

たとえば肉親をあやめられたひとが、何十年もかけて怒りの感情を手離していくというようなことがあります。

怒りの感情は、社会の共感によって強化される状況などにおいて、とても長い期間持続することがありますが、それでも時間の経過とともに少しずつやわらぎ、弱まり、もっとも幸福な状態に向かって、ゆっくり変化していきます。

そこに死期に間に合うかどうかの評価はありません。

それはコップに入った泥水のように、揺さぶられることで何度となく振り出しに戻りますが、将来のどこかの地点ですべて沈澱することが運命づけられているものです。

ヨガでは、揺らぎのない長い時間の最後にもたらされる幸福な状態に最終的な価値を定め、揺らぎを手離すことで、限りない微分と、深い静寂に向き合うことを、その行とします。

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