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2021年、本ランキング
2021年の本ランキングを発表いたします。
今年は昨年からのペースで読み進められていたのですが、途中でピタッと止まってしまいました。 なぜかというと原書が読みたい欲が出てきてしまったからなんですよね。 当然英語の本をそのまま読んでるのでペースは落ちます。 なので、冊数は少なめです。
例によって2021年に出版されたものではなくて、「2021年にわたしが読んだ本」なのであしからず。
番外編 広告 vol.415 流通 / 小野直紀
リニューアル以降全て読んでたのだけど今回はじめてシェアしたいとおもった。流通という視点が近年の世界中で同時に意識される状況下にあり、当然わたし自身身近に感じる内容もあったけど、一方でそんなことも起こってたのかとおもうこともあり、それがとても響いたんだなと。 #広告 vol.415 特集:流通 pic.twitter.com/Q2WBgVJ4El
— 足下研 / スニーカー文化研究家 (@KenAshimoto) February 27, 2021
雑誌なので番外編という扱いで。 もちろん近年兆候があったとはいえ、コロナ禍にグッと身近な話題となった流通に関する様々な視点。 それだけでなく、雑誌の体裁自体がその流通に対しての試みを含んだものであり、その部分に一番感動したかもしれない。 それこそ電子書籍では味わえないフィジカルな本ならではの体験ですよね。
10. 世界の紙を巡る旅 / 浪江由唯
手仕事の紙を未来に残すことを目指しブランドを立ち上げられた #浪江由唯 さんによるその書名のとおり #世界の紙を巡る旅 の記録。内容もさることながら造本に感動してしまった。本文でも触れられた紙を用いてシルクスクリーンされた表紙が計11種類。迷いに迷ってひとつ選んだ。いやようやったなこれ。 pic.twitter.com/i6WVxa9uEi
— 足下研 / スニーカー文化研究家 (@KenAshimoto) December 30, 2021
元々プロダクトとしての紙が好きというのもあるのですが、それを本の装丁にもしっかり落とされているところに感動してしまいましたよね。 コロナ禍以降は旅情を求めてパラパラ眺めるようになってしまいました。 うーん、現地に行ってみたい。
9. ここじゃない世界に行きたかった / 塩谷舞
装丁の印象とは裏腹に、中身はご自身が体感されてきた多様な要素を、時に悩み時に怒りすら感じられるくらい考えようとしてゆく様の記録だ。だから読後改めて表紙を見ると、そこにある白でも黒でもないグラデーションにハッとさせられることになる。 #塩谷舞 さん著 #ここじゃない世界に行きたかった pic.twitter.com/DkaMmV9moc
— 足下研 / スニーカー文化研究家 (@KenAshimoto) March 7, 2021
もしかしたら表紙の印象から読みはじめると面食らうかもしれないくらい実体験をベースとした地道で実直な思考の思索。 こういうものは世の中の変化とともに結びついているので、数年に一回出してほしい。 変わるものもの変わらないものもあるだろうから、それによってあぶり出されるものがあるはず。
8. Weの市民革命 / 佐久間裕美子
昨年「だれとどのように自分のまわりの経済をまわしていきたいのだろう」という文を書いた。以降起こった消費への考え方の変化を、これ以上ないくらい明確にしてくださった。またこの本も密かに応援している書店で手に取ったことも個人的に象徴的な出来事だった。 #佐久間裕美子 さん著 #Weの市民革命 pic.twitter.com/hta4BH1KO7
— 足下研 / スニーカー文化研究家 (@KenAshimoto) March 14, 2021
コロナ禍がはじまってすこし経ってから「だれとどのように自分のまわりの経済をまわしていきたいのだろう」という記事をポストしました。
ここ近年のもやもやをもやもやのまま抱えて一気に世の中の変化に入り、さらにもやもやしてしまったという気持ち。 そこに一足先に近しい状況下に入ったアメリカの視点とことばたちに、よりふさわしい言葉を定義していただいたきもちになった。 結局のところ自分で考えることを手放してはいけないのだよな。
7. 中国・アメリカ 謎SF / 柴田元幸、小島敬太、ShakeSpace(遥控)、ヴァンダナ・シン、梁清散、ブリジェット・チャオ・クラーキン、王諾諾、マデリン・キアリン、王諾諾
抜群、特に中国勢。特に #梁清散 さん #王諾諾 さんの作品にやられてしまった。加えて編訳おふたりの対談が良い。中身や背景、そして俯瞰して作品の立ち位置がわかる。希望の不在と未来への希望がはっきり分かれてておもしろかったな。 #柴田元幸 さん #小島敬太 さん編訳 #中国 ・ #アメリカ #謎SF pic.twitter.com/UbG51kpJ3E
— 足下研 / スニーカー文化研究家 (@KenAshimoto) March 13, 2021
前情報無しでみたら意外とおもしろいものも入ってた短編映画集みたいなアンソロジー。 それぞれにそれぞれの方向でおもしろいのでとにかく一度読んでみてほしいのですが、どなたかが言っていた「ふらっと入った映画館でたまたまかかってた映画がまあまあおもしろくて『そうそう、このくらいでいいんだよ。』とおもった。」という体験が文でできる。 お気に入りは焼肉プラネット。
6. 銀河の片隅で科学夜話 物理学者が語る、すばらしく不思議で美しい この世界の小さな驚異 / 全卓樹
普段読まないタイプの本なのですが #toibooks さんで気になって購入。結果びっくりするくらいおもしろかった。多数決の中身の変遷や言語による認知の異なり方、更には倫理観の地域性など、こんなにもすばらしく不思議で美しい事象が目の前に拡がっていたのかと。 #全卓樹 さん著 #銀河の片隅で科学夜話 pic.twitter.com/qhjvMYwsMd
— 足下研 / スニーカー文化研究家 (@KenAshimoto) November 20, 2021
この本は本当にさらっと読めるしおもしろいしなので気になった方はもうすぐサクッと読んでみていただきたい。 そして読むならフィジカルな本をおすすめします。 装丁や挿絵、なかの構成などもうつくしい。 寝る前に手元に置いておきたい一冊。
5. Wonder / R J Palacio
#ワンダー君は太陽 の原著。比較してみると映画は原著で語られなかったけれど気になってたところに光を当てたんだなとわかる。ところがそれぞれがそれぞれに良いので、別のものとしてそれぞれ味わってみることをおすすめする。いずれも「KINDNESS」を巡るひとつの答だとおもうから。 #wonder #ワンダー pic.twitter.com/zmB6KFCbzy
— 足下研 / スニーカー文化研究家 (@KenAshimoto) September 19, 2021
原著を読みたい場合まずはストーリーを知ってるほうがいいとおもいます。 なのでこの本の場合はまずは映画があるので映画を、
わたしは読んでないですが日本語訳がある場合は日本語訳版を、
そこから読むと割とサクサク読めるのではないかとおもいます。 内容はいわずもがな、もう本当すばらしい物語です。
4. The Martian / Andy Weir
#オデッセイ の原作 #火星の人 の原著。ひとつの問題が起きたらどうにかして解決する、その繰り返しを映画のようなテンポで読める。また映画では比較的淡々としてた主人公の内の声がわかるので、より感情的に入れるというのも比較してたのしめる。その上もう一回映画が観たくなるなこれ。 #TheMartian pic.twitter.com/LbZCOtallv
— 足下研 / スニーカー文化研究家 (@KenAshimoto) September 18, 2021
こちらも映画と
日本語版があるのでぜひ。
で、これは結構英語学習者にとって読みやすい本なのではないかとおもいました。 エピソードがSolで短く区切られているし、ユーモアもたっぷり。 飽きない。 もう一回映画が観たくなった。
3. 消失の惑星 / ジュリア フィリップス
#ロシア の #カムチャッカ半島 を舞台に姉妹の誘拐事件から物語は始まる。しかしそこから繰り広げられるのはその事件に呼応するかのように立ち上がってくる、その地に生きる女性たちの日々とその裏にある苦しみ、それに向き合っていく姿。見事過ぎて何も言えない。 #ジュリアフィリップス #消失の惑星 pic.twitter.com/1YnNllgBbZ
— 足下研 / スニーカー文化研究家 (@KenAshimoto) April 10, 2021
こんなにもたまらない気持ちになった物語ははじめてかもしれない。 作中でてくる人物たちのそれぞれにそれぞれの地獄があり、それらは描写されるもののうまい具合に絡みあうまでもなく関わり離れていく。 でも現実ってそういうものかもしれない。 題材は重く、読み進めるのは辛いものがありますが、その価値が読み終えた先にはあります。 気になった方はぜひ。
2. チョンキンマンションのボスは知っている アングラ経済の人類学 / 小川 さやか
初めて見たのは広州駅の服飾街、次は電脳街、その後香港の重慶大厦で見た人々が何をしていたのかがようやくわかった!歪、なのに理に適ってる。独特、しかしこれこそ変化し続ける世界で生き延びるための術なのでは。#小川さやか さん著 #チョンキンマンションのボスは知っている アングラ経済の人類学 pic.twitter.com/sUussscLQZ
— 足下研 / スニーカー文化研究家 (@KenAshimoto) February 13, 2021
こちらも普段だったら読まないタイプの本なのですが、抜群におもしろかった。 そもそも知ったのがコクヨ野外学習センターPodcastで、
これ聴いてなかったら知らなかったし、読めてもいなかったとおもう。 そのくらいまずこのPodcast自体がおもしろいので聴いてみてほしい。 仕事?って?っておもう笑 そしてそのままより細かいお話が知りたい方は本へ。 本当、価値観が揺らぐとはまさにこのこと。
1. Finlay Donovan Is Killing It: Could being mistaken for a hitwoman solve everything? / Elle Cosimano
こんなにもがんばらず楽しく読めた原著はない。タイミングや誤解が重なって殺人事件に巻き込まれていく作家とその周りの様子が超愉快!しかもなんだかんだで上手くいってっちゃうっていう。これは早々に映画化してほしい。最高のコメディに仕上がるとおもう。 #ElleCosimano #FinlayDonovanIsKillingIt pic.twitter.com/CZfi4teNJ4
— 足下研 / スニーカー文化研究家 (@KenAshimoto) November 7, 2021
細々とした色々はもうどうでもよく、ただただ一点突破でのおもしろさでぶっ飛ばされてしまった一冊。 めずらしくストーリーを先に入れずに読んだ原著ですが、スルスル読めた。 これは映画化してほしいなぁ。。。
昨年からちょっと変わって現実逃避を求めての物語というより、エッセイとか社会についての文とか結構現実の問題を咀嚼する方向での文章を求めた傾向にありました。 このあたりがコロナ禍2年目の変化かなとおもいます。 とくに現実で直面している問題とモヤモヤに対しての考える糸口をくれる視点が欲しかったのだなと、振り返るとそうおもいます。 これからも自分で考えるためのツールとしての本、読書をつづけていきたいですね。
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