2021年、本ランキング
2021年の本ランキングを発表いたします。
今年は昨年からのペースで読み進められていたのですが、途中でピタッと止まってしまいました。 なぜかというと原書が読みたい欲が出てきてしまったからなんですよね。 当然英語の本をそのまま読んでるのでペースは落ちます。 なので、冊数は少なめです。
例によって2021年に出版されたものではなくて、「2021年にわたしが読んだ本」なのであしからず。
番外編 広告 vol.415 流通 / 小野直紀
雑誌なので番外編という扱いで。 もちろん近年兆候があったとはいえ、コロナ禍にグッと身近な話題となった流通に関する様々な視点。 それだけでなく、雑誌の体裁自体がその流通に対しての試みを含んだものであり、その部分に一番感動したかもしれない。 それこそ電子書籍では味わえないフィジカルな本ならではの体験ですよね。
10. 世界の紙を巡る旅 / 浪江由唯
元々プロダクトとしての紙が好きというのもあるのですが、それを本の装丁にもしっかり落とされているところに感動してしまいましたよね。 コロナ禍以降は旅情を求めてパラパラ眺めるようになってしまいました。 うーん、現地に行ってみたい。
9. ここじゃない世界に行きたかった / 塩谷舞
もしかしたら表紙の印象から読みはじめると面食らうかもしれないくらい実体験をベースとした地道で実直な思考の思索。 こういうものは世の中の変化とともに結びついているので、数年に一回出してほしい。 変わるものもの変わらないものもあるだろうから、それによってあぶり出されるものがあるはず。
8. Weの市民革命 / 佐久間裕美子
コロナ禍がはじまってすこし経ってから「だれとどのように自分のまわりの経済をまわしていきたいのだろう」という記事をポストしました。
ここ近年のもやもやをもやもやのまま抱えて一気に世の中の変化に入り、さらにもやもやしてしまったという気持ち。 そこに一足先に近しい状況下に入ったアメリカの視点とことばたちに、よりふさわしい言葉を定義していただいたきもちになった。 結局のところ自分で考えることを手放してはいけないのだよな。
7. 中国・アメリカ 謎SF / 柴田元幸、小島敬太、ShakeSpace(遥控)、ヴァンダナ・シン、梁清散、ブリジェット・チャオ・クラーキン、王諾諾、マデリン・キアリン、王諾諾
前情報無しでみたら意外とおもしろいものも入ってた短編映画集みたいなアンソロジー。 それぞれにそれぞれの方向でおもしろいのでとにかく一度読んでみてほしいのですが、どなたかが言っていた「ふらっと入った映画館でたまたまかかってた映画がまあまあおもしろくて『そうそう、このくらいでいいんだよ。』とおもった。」という体験が文でできる。 お気に入りは焼肉プラネット。
6. 銀河の片隅で科学夜話 物理学者が語る、すばらしく不思議で美しい この世界の小さな驚異 / 全卓樹
この本は本当にさらっと読めるしおもしろいしなので気になった方はもうすぐサクッと読んでみていただきたい。 そして読むならフィジカルな本をおすすめします。 装丁や挿絵、なかの構成などもうつくしい。 寝る前に手元に置いておきたい一冊。
5. Wonder / R J Palacio
原著を読みたい場合まずはストーリーを知ってるほうがいいとおもいます。 なのでこの本の場合はまずは映画があるので映画を、
わたしは読んでないですが日本語訳がある場合は日本語訳版を、
そこから読むと割とサクサク読めるのではないかとおもいます。 内容はいわずもがな、もう本当すばらしい物語です。
4. The Martian / Andy Weir
こちらも映画と
日本語版があるのでぜひ。
で、これは結構英語学習者にとって読みやすい本なのではないかとおもいました。 エピソードがSolで短く区切られているし、ユーモアもたっぷり。 飽きない。 もう一回映画が観たくなった。
3. 消失の惑星 / ジュリア フィリップス
こんなにもたまらない気持ちになった物語ははじめてかもしれない。 作中でてくる人物たちのそれぞれにそれぞれの地獄があり、それらは描写されるもののうまい具合に絡みあうまでもなく関わり離れていく。 でも現実ってそういうものかもしれない。 題材は重く、読み進めるのは辛いものがありますが、その価値が読み終えた先にはあります。 気になった方はぜひ。
2. チョンキンマンションのボスは知っている アングラ経済の人類学 / 小川 さやか
こちらも普段だったら読まないタイプの本なのですが、抜群におもしろかった。 そもそも知ったのがコクヨ野外学習センターPodcastで、
これ聴いてなかったら知らなかったし、読めてもいなかったとおもう。 そのくらいまずこのPodcast自体がおもしろいので聴いてみてほしい。 仕事?って?っておもう笑 そしてそのままより細かいお話が知りたい方は本へ。 本当、価値観が揺らぐとはまさにこのこと。
1. Finlay Donovan Is Killing It: Could being mistaken for a hitwoman solve everything? / Elle Cosimano
細々とした色々はもうどうでもよく、ただただ一点突破でのおもしろさでぶっ飛ばされてしまった一冊。 めずらしくストーリーを先に入れずに読んだ原著ですが、スルスル読めた。 これは映画化してほしいなぁ。。。
昨年からちょっと変わって現実逃避を求めての物語というより、エッセイとか社会についての文とか結構現実の問題を咀嚼する方向での文章を求めた傾向にありました。 このあたりがコロナ禍2年目の変化かなとおもいます。 とくに現実で直面している問題とモヤモヤに対しての考える糸口をくれる視点が欲しかったのだなと、振り返るとそうおもいます。 これからも自分で考えるためのツールとしての本、読書をつづけていきたいですね。
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