キャリアを考える本質とは?8つの方向性と3つの輪で、キャリアのものさしを手に入れる!〜マネプロ#33
こんにちは!
DeNAでHRビジネスパートナーをしている坪井(@tsubot0905)です。
マネジメントの進化を探求するnote
『マネプロ』は今回が第33回目です。
このマネプロnoteのシリーズでは、5分で分かりやすく学べるシンプルな構成と、相手とのコミュニケーションで使えるようなシンクロしやすい問いを意識した内容を心がけています。
さて、今回から、キャリア編に突入いたします🎉
誰にとっても自分ごとになるテーマであり、私の専門領域である人事としても日々向き合うことなので、ボリューミーになること必至。
2022年、残り18話ありますが、
おそらくすべてキャリア編になることでしょう。
第一回となる今回のテーマは
「キャリアの視点」から始めます。
目次はこちら!
<キャリアとは、歩んできた足跡>
「キャリア」について
あなたはどんなイメージをお持ちですか?
おそらく、
キャリア=経歴・職歴
と理解している人が最も多いでしょう。
実際、ウィキペディアでも「経歴・職歴」の意味合いが1番先に書いてあります。
この「キャリア」の意味合いについて、
まずは語源から紐解いていきましょう。
キャリアは、もともとラテン語の「carrus(車輪の付いた乗り物)」から派生しており、轍(わだち)を意味します。
轍は、車輪が通った後ろに残るもので、車輪の前にできるものではありませんよね。自分が歩んできた人生を振り返ると、そこには、これまで自分が刻みつけてきた轍が残されている。
「キャリア」とは、そのようなものなんです。
ですから、
と、私は捉えています。
あなたが今まで成し得てきたことや成長してきたこと、周りに与えてきた影響の総体こそ、「キャリア」なんですね。
学校・仕事・結婚・趣味・家族など、皆さんが人生を通じて歩んでいく足跡そのものが、「キャリア」といえます。
<キャリアを考えることの本質>
キャリアとは、轍であり、
これまで歩んできた足跡である。
と先ほどの章で述べました。
であるなら、キャリアを考えるとは
一言で言えば、
『あなたはどう生きるのか?』
を考えることが、キャリアを考えるということ。
決して仕事に限った話ではありません。
「何をつかみ取るか」という目標よりも、「どんなプロセスを歩んでいたいか」について考えることが、キャリアを考えるということの本質と言えるのではないでしょうか。
同じようなゴールを掲げているとしても、それをどんなプロセスでやり遂げたいかは、人それぞれですよね。
旅だって、飛行機や新幹線で行きたい人もいれば、ヒッチハイクで行きたい人だっているんです。
“どんな足跡を残したいか”について
“どんな未来への線を描くか”と考えていくと
なんだかアーティストのような気分になります。
個々の描いてきた軌跡、これから描き出したい未来。そこには、一人ひとりの異なる人生観が、キャリア観の中にハッキリと表現されるでしょう。
<「キャリアアンカー」という視点>
自分のキャリア観を知り、未来を考える上で、『キャリアアンカー』という考え方が参考になります。
キャリアアンカーは、マサチューセッツ工科大学ビジネススクールの組織心理学者であるエドガー・シャイン博士によって提唱されたキャリア理論の概念であり、診断ツールです。
概念としてのキャリアアンカーを説明すると、自分のキャリアを決める際の指針や制約にもなる自己イメージのことです。
アンカーとは、船についている錨(いかり)のことですよね。
人生という遠洋航海において、航路から外れそうになっても、自分らしいキャリアの立ち位置に引き戻そうとする根っこの価値観。それがキャリアアンカーです。
“難しい選択を迫られた時でも放棄することのできない自己像”とも捉えられます。
自分のキャリアアンカーを知っていれば外部からの刺激(報酬/肩書)といった見えやすい外的キャリアではなく、自己基準に基づく充実・やりがいを求める内的キャリアが構築しやすくなります。
自分が本当に価値をおいていること。
どうしても犠牲にしたくない価値観。
これらはキャリアアンカーでいうと
8つのタイプに分けられています。
次の章でキャリア選択を方向づける
8つのアンカーについて紹介しましょう。
<キャリアに関する8つの方向性>
あなたは、
仕事をする上で何を大事にしているでしょうか?
あなたの仕事のプロセスへのこだわりは?
と言い換えてもいいかもしれません。
専門性を発揮できること?
リーダーとして動けること?
働き方の自由度が高いこと?
仕事とプライベートを充実できること?
キャリアアンカーでは
以下の8つに分かれると述べています。
一つ一つの説明は、簡単にスライドで補足しておきます。
無料診断ができるので、ぜひ診断してみてください。百聞は一見にしかず!
<エドガー・シャインの3つの問い>
キャリアを選択する時に、一番大切な価値観や欲求。周囲がどうあれ、どうしても譲れないもの。
それがキャリア・アンカーであると先ほど述べ、
8つの価値観タイプを紹介しました。
これに加え、
エドガー・シャインは3つの問いを残しました。
キャリア観の拠り所となる
セルフイメージ(自己概念)についての質問です。
主感的に「どうありたいか」を次の3点、
Will・Can・Mustという視点から考えます。
「Will・Can・Must」は、聞いたことのある方も多いかもしれませんね。リクルートという会社を想起する方もいらっしゃるかも?
次章で細かく説明する前にざっくりいうと、
この3つの問いへの回答の重なりが大きいほど、
充実したキャリアになると言われています。
<Will・Can・Mustへの問いかけ>
Will・Can・ Mustは、それぞれ下記のように、自分の欲求に問いかけてくれる視点です。ぜひ、時間をとって、じっくりと考えてみてください。
<Will>
まずは、「意思 / 欲求」を意味するWillです。
以下のような問いが、
考えるヒントになるかもしれません。
・どのような仕事をしてみたいか?
・どんな価値を感じるテーマに関わりたいか?
・誰と一緒に働きたいか?
<Can>
続いて、「能力 / 得意」を意味するCanです。
キャリアの話でいうと
以下のような問いが、
考えるヒントになるかもしれません。
・自分の持ち味は?
・自分が得意なことは?
・伸ばしたいスキルや得たい知識は?
<Must>
最後に、「役割 / 貢献」を意味するMustです。
以下のような問いが、
考えるヒントになるかもしれません。
・どんなことで必要とされているか?
・自分が役に立てる貢献は何か?
・期待されていることは?
<スイートスポットという「ものさし」を持つ>
「Will・Can・Must」の3つの輪の自己解像度を高めるのと同じくらい大事なことが、3つの輪の重なりの解像度を高めることです。
この3つの輪が重なる部分は
いわば「スイートスポット」。
スイートスポットとは、
球技の中で使われることがある言葉です。
意味合いは、
打撃の成果が最も大きくなるポイントのこと。
つまり、「Will・Can・Must」3つの重なる部分を理解できれば、仕事の中で「会心の一撃」を打てる可能性が高まるってことです。
会心の一撃が増えることは、あなたが求めるキャリアを積み重ねることにつながります。
あなた独自のスイートスポットを、
わたしの「ものさし」として持ち歩き、
最高の軌跡を描くことによって、
未来のキャリアをつくっていきましょう!
<最後に>
正解のないテーマであるだけに、後回しにしがちですが、キャリアにおける「自分のものさし」や「自分の成功基準」という未来像は、他の誰かには作れません。
そして、あなたにとって、
あなたの人生以上に重要なことはありません。
キャリアをめぐる自分の内なる声を知ること。
真の自分の指向・動機・価値観を明確にすることで、自分らしい轍/足跡ができるのだと思います。
本当に価値をおきたいことはなにか。
どんなキャリアを歩んでいきたいか。
この機会にご自身と向き合ってみてください。
その内なる声の実践を、私は心から応援します。
<今回のQuestions>
以上が33回目のマネプロでお届けしたかったコンテンツでした!
いかがでしたでしょうか?
ということでマネプロ恒例、最後の問いです。
今回のテーマを通じて、リーダーやマネージャーの方々に問いかけたい4つの質問を選びました。忙しい皆さんの思考の整理と、新たな行動の後押しになれますように!
<次回にむけて>
今回は、キャリア編の第一回目ということで
イントロダクションとなる話をお届けしました。
次回のマネプロは
「キャリアのツボ」がテーマ。
『図解 人材マネジメント入門』の著者である
坪谷邦生さんと対話した内容になります。
日本で一番「Will / Can / Must」に詳しい
"坪”の先輩に、お話を伺ってきました。
次回は2週間後の水曜日。お楽しみに!
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最後まで読んでもらえて嬉しいです。
ありがとうございました!