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企業理念を伝えるMVVの意味と価値〜マネプロ#4

こんにちは! DeNAでHRビジネスパートナーをしている坪井(@tsubot0905)です。

マネジメントの進化を探求するnote
『マネプロ』は今回が第4回目です。

このマネプロnoteのシリーズでは、5分で分かりやすく学べるシンプルな構成と、相手とのコミュニケーションで使えるようなシンクロしやすい問いを意識した内容を心がけています。

さて、前回は「マネジメントの視座と視野」というテーマでお伝えしました。

今回のテーマは、企業理念/MVV。
マネジメントを考える上でも最重要なテーマと言っても過言ではない、企業理念についてミッション・ビジョン・バリュー(MVV)の視点からお話します。

目次はこちら!

<社格というアイデンティティー>

個々人に性格があるように、企業にも社格があります。ここでいう社格は、会社の格づけの意味合いではなく、会社としてのアイデンティティ、その会社らしい個性の意味合いです。

例えば、私が所属しているDeNAが“〇〇っぽい”と思われていたとして、この〇〇は社員やサービスなどを通じてDeNAに持たれている印象です。「内面は外見に表れる」という言葉があるように、企業への印象というのは、その企業の内面にある社格から社員やサービスを通じて外側へ醸し出されたものによって決まっていくもの。そう考えると、社格を意識することは企業にとって大切なことだと思います。

性格と社格の違いとして、性格は生得的なものではなく時間とともに環境や経験によって無意識的に創られていくもので、一方の社格は企業として生まれた時から存在し歴史と共に意識的に創られていくはずです。
創業者の想いを起点にして、企業としての考え方やあり方を身にまとう社格が始めから存在していて、それが必要に応じてアップデートされているのではないかと思います。

<企業理念を伝えるMVV>

社格は企業理念とシンクロするものです。

企業理念とは、その企業が大切にしたいあり方。つまり、その企業自身が示す、その企業らしさが示されたアイデンティティーです。

企業理念という言葉でそのままWebサイトに記載している例もありますが、企業理念という1つの言葉の中で社格を表現するのは長々しくなって難しい。結果、伝わりづらいものになるケースが少なくありません。

そこで、今回のテーマの1つでもあるMVV。
企業理念を分かりやすく伝える切り口としてミッション・ビジョン・バリュー(MVV)という3項目を活用することが経営のセオリーとなってきています。

身近な話に置き換えると、
面接で「あなたがどんな人か教えて?」と聞かれるより、
「あなたが大切にしていることは?あなたのやりたいことは?あなたのできることは?」と聞かれた方が話を整理して伝えやすいし、聞く方も理解しやすいのと同じです。企業理念も伝わりやすいように分けて伝える、ということですね。

では、MVVとはそれぞれ何を示しているものなのか説明していきたいと思います。

<MVVの意味について>

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〈ミッションとは〉

スライドにもある通り、ミッションとは果たすべき使命や存在意義のこと。使命を「命を使う」と書くので、イメージ画像として線香花火を使いました。まさにミッションは企業としての命を使って燃え尽きるまで貫くものです。
→ミッションについては「マネプロ第5話」へ

〈ビジョンとは〉

ビジョンとは目指したい行先や方向性。登る山を決めるイメージです。山って、登ろうと決めない限りは登りませんよね。散歩に出かけた人がいつの間にか富士山の頂上にいたりはしないはずです。どの山の頂を目指すか、どんな山を登ろうかという方向性、それがビジョンです。
→ビジョンについては「マネプロ第6話」へ

〈バリューとは〉

バリューとは大切にする文化や価値観。イメージとしてエスカレーターの画像を使いました。地域によってエスカレーターの左に立つか右に立つかのマナーが異なることってありますよね。あれこそ文化です(左待ちを関東方式、右待ちを関西方式と呼んだりします)。

エスカレーターに乗ることは同じでも、マナー・やり方が違う。文化があるとその文化圏内ではマナー・やり方についていちいち議論せずとも前に進めます。

例えば、関西の人が東京にきて「いや、僕は誰が何と言おうと絶対に右に立つ」という人がいたら周りは困惑しますよね。同じようなことが仕事で起こると物事が前に進まなくなります。

ですから、その企業において良しとされる行動や思考を定めて、当たり前の文化にしていくのがバリューのゴールです。
→バリューについては「マネプロ第7話」へ

ざっくりとMVVそれぞれについて述べましたが、

ミッションは、企業理念のWhyへの問いかけ
ビジョンは、企業理念のWhatへの問いかけ
バリューは、企業理念のHowへの問いかけ

と置き換えることができると思っています。

<MVVに必要なのは言行一致>

企業理念を言葉にするのは大事なこと。
ですが、ただ言葉にすれば良いというものでもありません。
言葉だけでは飯は食えない。
ビジネスにつなげないといけないものです。

事業の成長に伴ってたくさんの人を採用して、一緒に働く人が増えたとしても社格を見失わないように。そして、ますます事業と組織が発展・成長できるようにしっかりと企業理念を言行一致で向き合わなければなりません。

つまり、言葉が行動になっていなければ意味がない、と言えます。
そうでなければ、社会や社員から信頼を失いかねません。

企業理念は最大の武器である。
しかし、道を誤れば諸刃の剣にもなりかねない。

なんだか企業理念にプレッシャーをかけている気がしてきましたね(笑)

これ以上言うと少し説教くさくなってくるので一旦ストップ。企業理念に向き合っている具体的な事例を紹介する話に移りたいと思います。

東証一部上場企業でクラウド名刺管理サービスの企画・開発・販売を事業にしているSansan社の話です。イベントでCHROの方のお話を2回聞く機会がありましたが、興味深い内容が多いのなんの。

<事例 - Sansan社>

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企業理念の浸透に5000時間と1億円ですよ!?

会社として、これだけ企業理念について時間やお金を投資していることに驚きました。1年〜2年毎に「カタチ議論」という取り組みを全社で行い、2020年時点では今までに企業理念について議論するタイミングが8回あったそうです。常に企業理念の解像度が高い状態をつくろうと本気になっていることが伝わってきた事例でした。

これだけの投資を続けることで言葉の理解や解釈が加速するのは明らかです。私の経験上、言葉の持つ意味の連鎖から価値の連鎖に変わっていくことが実感でき始めると、企業の中で企業理念/MVVの輝きが増していくのではないかと思います。

<企業にとっての“成果”と向き合う>

マネジメントを一言で表すなら「成果をあげるための機能」とマネプロ#2でお伝えしました。

成果は売上や利益といった数字だけではありません。数字を出すことは企業が存続する上で大事ですが、人が息をし続けるために生きているわけではないように、企業も売上や利益を出すためだけに存在しているのではないはずです。

企業の目指す成果は何か?(What)
成果を出すことの意義は?(Why)
どう成果を出したいのか?(How)

これらの考え方やあり方が企業理念/MVVの言葉には込められていると思います。そんな企業理念の言葉を自分たちで問いかけ続けて生きていくのが会社ではないでしょうか。

だからこそ、マネジメントにおいて企業理念/MVVを考えることは、数字以外の“成果”と向き合うために価値のあるプロセスだと思います。

<今回のQuestions>

以上が4回目のマネプロでお届けしたかったコンテンツでした!
いかがでしたでしょうか?

ということでマネプロ恒例、最後の問いです。

今回のテーマを通じて、リーダーやマネージャーの方々に問いかけたい4つの質問を選びました。忙しい皆さんの思考の整理と、新たな行動の後押しになれますように!

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※「自分はこう考える」「自分ならこれを問いかける」という考えはぜひTwitterにて「#マネプロ」を付けてつぶやいていただけたら嬉しいです!

<次回にむけて>

今回のマネプロではMVVをテーマにお伝えしてきました。

企業のアイデンティティからにじみ出る持ち味は、洗練されるほどに愛着が湧くもの。育まれた魅力は企業独自のフェロモンとなり周りを魅了します。それが企業として唯一無二の差別化につながるのではないでしょうか。

しかし、MVVはあくまで切り口。MVV全てを必ずつくることが目的ではありません。企業のフェーズや課題によって重視したいことは異なります。つまり、MVVは言語化することだけに重きをおくのではなく、何を軸にしたマネジメントが必要かの議論や対話を重ねていくことにも価値があるということです。

そのため、次回以降のマネプロではミッション→ビジョン→バリュー、の順にそれぞれの内容を深ぼってマネジメントの進化を探求していきたいと思います。

というわけで、次回のテーマはまずミッション

次回は2週間後の水曜日。
良かったらぜひnoteのフォローやシェアをお願いします。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

読者のみなさんと共にマネジメントの進化を探求できれば何よりです。Twitterのフォロリツ大歓迎です!DMでの感想も是非!(@tsubot0905)

noteで取り上げた内容について、みなさんの持論や新たな問いかけの視点をもらうことでマネジメントの探求がもっと楽しくなるはず。ですので、みなさんからのリアクションを心待ちにしております。よろしくお願いします!

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