オッス!食国 美味しいにっぽん
元来の食いしん坊なため、食に関する本を読むのも好きなことの1つ。
最近読んだもので面白かったのは「オッス!食国(おすくに)美味しいにっぽん/小倉ヒラク」。
発酵デザイナーという肩書きの著者が自身の知識や経験を交えながら、さまざまな文献やフィールドワークを参考に、日本の食文化を読み解いていくというもの。
醤油や味噌といった日本食の基本調味料の成り立ちから歴史、特徴まで幅広く解説されている。
といっても学術的なというよりは、かなり親近感の湧くエピソードと語り口で書かれているので楽しく読める。
なかでも、茶の歴史に関する章に登場するエピソードは強烈だった。
非常にツッコミどころ満載である。
眠くなるのがまぶたのせいというだけでなかなかなのに、だからといって!まぶたを?ちぎる!!?まぶたを!!?!そして庭に捨てる!!?!えっ!?
そしてそこから木が生えてきて、冷静に何の木だと尋ねられる?
んで現地の人も、まぶたちぎった奴に「チャの木だぜ!」とか教えてるって?えっ?まぶたちぎってんだよその人!!ええっ?
そんで、すぐに実践して心身ともにさわやかになって?
えっ?まぶたをちぎるまでする必要あったのかな?それはもうどうでもいい感じ?
と、戸惑いが止まらず、もはやちぎったまぶたを投げた場所から木が生えるという怪現象は小事に思えてしまうから怖い。
それが文献に残っているってんだからシビれてしまう。
まあそんな感じで、全体的に楽しく読める。
他にも、主食が米か麦かに影響される国民性の違い、国家の作り方、領土に関する捉え方などについての考察は新鮮で、とても興味深かった。
日本の食文化に関して書かれているけれど、むやみな「日本食は素晴らしい!最高!アゲ!」みたいな内容に偏っていないのもとても好感が持てる。
私は日本の食文化も和食も大好きだし誇りに思えるけど、同様に、どの国のどの文化圏の食文化も素晴らしいと思うので。
そして、内容の他に印象的だったのが参考文献の構成。
参考文献って巻末にずらーっと並べられていることがほとんどだけど、本書では章ごとに主な関連書籍が紹介されている。
これは知識を広げるときにめちゃくちゃ便利だ。この本を読んだ後の事まで考えられている。
普段何気なく使っている調味料や食材にも歴史あり。
当たり前にありつけることがありがたく、そして幸せなことに気付ける1冊でした。
今日の晩ごはん
ごはん
味噌汁
大根の煮物
蓮根のきんぴら
茎わかめの酢漬け
なんとなく和食が続いている。
とはいえ、中華や洋食系はお昼にガッツリ食べることが多いだけで、和食中心というわけではないんだけどね。
大根の煮物には、お買い得だった玉ねぎボールというさつま揚げのような練り物を入れる。