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放課後英理はひとりで買い物に行き服を買った。今まで着たことがないデザイン、大人っぽい上下…
自信はなかった。それに、と英理は思う。もし全部がうまく行ったとしても、男が不倫をやめる気…
密会現場を撮ったら男を尾行して、どこの誰かを突き止める計画。昨日見た男は母と同年代だった…
翌日登校しても英理は授業に身が入らなかった。真面目にやってるクラスメイトたちが子供に見え…
英理の父、要が帰ったのは10時半。 帰りはいつもこのぐらいだった。もっと遅い日もある。恭子…
ラブホテルに入っていく母を見ても英理は棒立ちだった。大声で呼んだり追いすがったりできなか…
日が暮れて帰らないわけにいかず英理は帰宅したが「ただいま」を言えないまま2階に上がった。自分の部屋に入った。 着替えていると階下から「おかえり英理」と母の声がする。「ご飯よ」 いつもと同じ声だった。不倫してきて男と寝てきて、いつも通りにできるってどお? 英理は怒りが込み上げる。しかし冷静にならないと。ラブホテルに入ったからと言ってすることをしたとは言えない。カラオケがあると聞く。ゲーム機もあると聞く。出先でただふたりになりたかっただけ。 帰宅までに何度かそう言い聞か
英理は繁華街を引き返して母を探し、あるカフェの中に見つけた。窓に背を向けて座る母の正面に…
中間テストの最終日で英理は放課後、学校の女友達3人と遊びに行った。高校は隣りの市にある。…
英理は家に帰らず近くのアスレチック公園に行った。広大な山林にいくつもアスレチックの遊具が…
急激な地殻変動と温暖化により地表の大半が水没して久しい未来。浮島で暮らす一家のもとに旅人…
人が足を踏み入れない山奥には今も小人が住んでいる。体長20cm。狩猟採集で暮らし我々人間を「…
昔々あるところに人目を避けて暮らす男がいた。そのもとに突然現われた口の利けない少女。ふた…
この雨はいつまで続くのか…朝めざめるたびに疑問がよぎり、寸前に見た夢が現実になる。繰り返される悲劇を防ぐために彼は立ち上がる。 ※収録の短編集は4月20日発売(税込400円)↓ 雨音のなかでアラームが鳴っている。スマートフォンの振動も。 佐山和樹はベッドから手を伸ばす。床にスマートフォンを置いていた。枕元に置かないのは近いとすぐとめて二度寝するため。携帯電話の電波が「脳に悪い」と聞いたのもある。しかしアラームのとめ方は体が覚えていて、スマートフォンを手探りで見つけると適