マガジンのカバー画像

その他

934
運営しているクリエイター

#刀装具

刀装具も減らすは難儀

刀装具も減らすは難儀

おかしい。

減らすはずが増えている。
少し前に立てた今年の目標は新しく刀装具を1買うなら下取に2~3を出すはずであったが。
なぜか微増している。
おかしい。

散らかりすぎたコレクションを減らしてまとめるにはジャンルを絞るか、質を高めて厳選していくしかないはずだが。
ジャンルは現代の成木鐔、桃山期の埋忠や真鍮鐔、室町以前の山銅鐔に絞っているが当面はこれ以上絞れる気がしない。
因みに目貫は一旦スト

もっとみる
大刀剣市紀行2024②

大刀剣市紀行2024②

①はこちら。

刀装具は、欲しい物が幾つか買えたので戦利品の話は後日書くとして、その他気になったものなどについて今回は書こうと思います。
大刀剣市2日目の会場待ちなどの時間にでも暇つぶしに見て頂ければ。

拵のコーディネーター

拵のコーディネーター

普段模造刀には興味が無いのですが、初めてアート的で面白いと思えるものを発見。
なんと鞘が寄木で作られています。

時代物でこうしたデザインの物はまだ殆ど見たことがなく、それ故に現代アート感を感じた次第です。
金具は如何にも模造刀に付いているような安物ですが、組み紐は綺麗なので金具だけちょっと勿体ない気も。

ただ今回のように木の良さを全面に打ち出した拵にはどのような金具が合うのでしょうね。
木の雰

もっとみる
金属分析器で刀装具の時代鑑定が出来そうな件

金属分析器で刀装具の時代鑑定が出来そうな件

いよいよ来週に迫ったボリス氏による「放射性炭素年代測定による刀装具の年代決定」をテーマにした公演があり楽しみにしている所です。

ボリス氏は以下の「刀装具屋」というHPも運営しており、そこでは質の良い刀装具や刀も販売しています。興味ある方は以下ご覧ください。

講演の内容については一切不明なのですが、炭素量という事で鉄鐔などの年代を測定できる、というものでしょうか。楽しみです。

さて先日なんとな

もっとみる
刀も刀装具も何度も見ると面白い

刀も刀装具も何度も見ると面白い

感動する物と面白い物(知的好奇心を満たしてくれるもの)は似て非なるものに感じ、この目貫は感動というよりはどちらかと言えば面白さを感じる目貫だったり。(買う時はいつも感動して買う…かは分かりませんが惹き込まれて買うのでこの差が分かるのは購入した後だったりするのですが…)

この目貫を買った時は完全に画像判断でどういうものかいまいち分からなかったのですが、胸の蛇腹の構造であったり、抜け穴の多さなどから

もっとみる
刀装具購入にあたり蒐集品を持参してみた話

刀装具購入にあたり蒐集品を持参してみた話

先日刀装具を長年取り扱ってこられた100歳近い先生をご紹介頂き、現在も御自宅にてお店をやられているという事でお伺いした。
古い刀装具を探している過程で一度お会いしておいた方が良いとご紹介頂いたのであるが、「こうした物を探している」というのは口頭で伝えるよりも自身のコレクションを持っていき実際に趣味趣向を見て頂く方が話が早いのではないだろうかと考え数点持っていき似たような物が無いか出して頂いた。

刀装具の情景

刀装具の情景

名刀を見て感動するように刀装具にも名品なるものがある。
そうしたものは名刀と同じく作品そのものの完成度がとても高く、その技量を見て心揺さぶられるものがあるが、一方で名刀で無い刀にも見所がありどこか惹きこまれる部分があるように、名品でない刀装具にもまたどこか惹きこまれる部分がある。

鐔などの刀装具の楽しみ方について、尚友会の会長でもあった橋本晴夫氏は自身の著書「文化の中の刀装具」という本の中で以下

もっとみる
メルカリに刀装具出品しました

メルカリに刀装具出品しました

ちょっと欲しい刀装具があったのと、コレクション整理の為に刀装具の一部をメルカリに出品する事にしました。
アカウント名は「刀箱師」です。
出品一覧は以下から見れます。

基本的に過去に鑑賞日記としてブログでも書いているものなので、説明欄にその時のブログのURLを載せています。
ただ説明欄にリンクを載せると外部サイトへの誘導と見なされ禁止事項に触れる可能性もあるそうで、もしかすると出来なくなるかもしれ

もっとみる
名品が適当な箱に入っている事はない

名品が適当な箱に入っている事はない

入れ物が良いから良い物であるという判断は実に軽率でするべきでないと思うが、名品が適当な箱に入っていることもまた一度も見た事がない。

例えば鐔でいえば、適当なもの(大した物でない物)ほど以下のような感じで適当に合わせた箱に入っている傾向が非常に高い。
茎孔のサイズが合っていなければ、中敷きのクッションの素材や造りも粗悪。

一方である程度しっかりした大切にされたであろう品は以下の様に入れ物も保管や

もっとみる
忘れた頃にやってくる鐔との縁

忘れた頃にやってくる鐔との縁

約1年程前に海外のサイトで白銅地の古鏡を鐔に仕立てた鏡師鐔を見つけた。
亀甲紋に鶴二羽が向き合うように配されている。
亀甲紋の中心には菊の花のような凹凸が見られる。
古鏡についての知識は無いのでその鏡がいつのものかは分からないが、調べる中で室町期の鶴のデザインで同じものを見つけたので、室町あたりの古鏡かもしれない。

尚、古鏡の鐔への改造は見るからに単純そうで、紐を通す中央の突起を平らに削り、茎孔

もっとみる
刀装具の良い物、悪い物の判断について

刀装具の良い物、悪い物の判断について

刀装具に興味を持ってからというもののルーペで細部の世界ばかりを探索しているような気もするが、これはルーペを使う事で例えば鏨による細かな彫が見えたりする事で製作者の息が伝わってくるようであるから楽しいだけであって、基本的に「良さそうな物」や「悪そうな物」を大別する際は何もルーぺを用いる必要はない、というのがここ最近でほぼ核心に変わった事。

ここで言う良さそうな物とは時代感のあるものでしっかり作り込

もっとみる
柄巻師、飯山隆司さんの目貫を柄に付けるときの一工夫の話が面白い

柄巻師、飯山隆司さんの目貫を柄に付けるときの一工夫の話が面白い

昨日は刀装具の勉強会に参加してきました。
そこで柄巻師の飯山隆司さんの目貫を柄に付けるときの一工夫の話が面白かったので紹介します。

以下は蜘蛛と蜂を表した目貫です。
これは蜘蛛が蜂を倒しているところを表しており「知勇図」と言い、知恵と勇気をもって強き者を挫くという意味が込められた、武士が好んだ画題のようです。

さて、この目貫を柄に付けようと思った時、何も考えず上記の向きで取り付けようと思う方が

もっとみる
古美濃の龍目貫を見て気づいた特徴②

古美濃の龍目貫を見て気づいた特徴②

1年半程前に古美濃の龍目貫を見て気づいた点などまとめていました。

この目貫はお気に入りの1つで定期的に鑑賞しているのですが、今日も鑑賞していてふと灯台下暗し的に気づいた(疑問に思った事がある)点があったのでメモ。

この目貫の裏には「根(突起のようなもの)」はなく、いわゆる「無根」と呼ばれるもの。
古美濃目貫や蝦夷目貫には根のない物があり、これはこれで古い物の特徴を示しているように思うのですが、

もっとみる
第28回 特別重要刀剣が誕生!傾向など

第28回 特別重要刀剣が誕生!傾向など

第28回特別重要刀剣の新指定品が発表されました!
特別重要刀剣は民間指定の最高峰で、国指定の重要美術品の上位もしくは重要文化財に準ずるもの、という位置付けになります。
今回も無銘在銘率や、五ヶ伝毎の合格数、刀装具の傾向など前回と比較してどうかなど色々と見ていきます。

①指定品一覧

②申請数と合格率合格数は前回から刀剣-14、刀装+1、刀装具-3と、前回もかなり絞られた印象でしたが、更に更に絞ら

もっとみる