忘れた頃にやってくる鐔との縁
約1年程前に海外のサイトで白銅地の古鏡を鐔に仕立てた鏡師鐔を見つけた。
亀甲紋に鶴二羽が向き合うように配されている。
亀甲紋の中心には菊の花のような凹凸が見られる。
古鏡についての知識は無いのでその鏡がいつのものかは分からないが、調べる中で室町期の鶴のデザインで同じものを見つけたので、室町あたりの古鏡かもしれない。
尚、古鏡の鐔への改造は見るからに単純そうで、紐を通す中央の突起を平らに削り、茎孔と櫃孔を開ければ鐔になる。
大きさは7~8㎝位で厚みも5~6㎜くらいと鐔にするには丁度良いサイズ。
古鏡をそのまま使っているので意匠は片面のみで裏はツルツルである。
古鏡を鐔に仕立てようと最初に考えた人は実にユーモラスな気もする。
鏡師鐔というと山金を素材に鋳造技術を用いて作られたものをそう呼んでいて、売り物としては以下のような物を見る事の方が多いが(といってもかなりかなり少ない)、中には今回の様に実際の古鏡をそのまま鐔に改造した物もあり、これもまた鏡師鐔として扱われている。
という事でこんな鐔を見つけてこれは欲しいと当時問い合わせたものの、在庫はあったはずだが探しても見当たらないと言われてしまい結局購入は出来なかった。
それから1年程経った今日、「あった!」と連絡が。
何とも忘れた頃に縁がやってくる。
最近は刀装具も刀も厳選して所有しようと試みている最中だったが、やはり今見てもそそるものがあり購入の話を進めている。
唯一心残りとしては円安が進行して当時より高くなってしまった事だろうか。
まだ確実に手に入るか分からないものの、購入が出来無事受け取れた際はまたこのブログで紹介しようと思います。
海外の取引は基本的に知らない人とする事が多いですし、輸送時の物品の紛失リスクもあり結構怖いです。
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それでは皆様良き刀ライフを!
↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)