【ダークファンタジー小説】ウィルトンズサーガ『古王国の遺産〜受け継がれるレガシー』 第14話
マガジンにまとめました。
「アントニー、俺は過去に何があろうとも、これから先どんなことがあろうとも、お前を信頼し、心から大事に思う。これから一生だ」
「一生の誓いなんて、簡単にするものではないですよ」
背中の方で苦笑めいた言葉が聞こえる。
「簡単に言ってるんじゃない」
声に怒気がはらむのを抑えられない。伝えたいのは怒りでもいら立ちでもないのだが、自分の想いを上手く言えない。
沈黙。前を行く一行の話し声と足音が聞こえる。ウィルトンの足音は静かで、あまり音を立て