ウィルトンズサーガ【厳然たる事実に立ち向かえ】第7作目『深夜の慟哭』第44話
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一刻が過ぎてからも、まだ長く歩き続けた。二刻目になった。
「ブルーリア、大丈夫か? 少し休んだ方がいいんじゃないのか」
「あら、私なら大丈夫よ。あなたたちはいいの?」
「俺は大丈夫だよ」
ウィルトンは自分の体に『血の契約』の精気がみなぎっているのを感じていた。三つ頭の巨犬との戦いの後は、しばらく地面に座り込んでいたが、もう今となっては疲れはない。
「アントニー、それにロランはどうだ ?」
一応聞いてみる。ロランは背負い袋の中に