見出し画像

誤算の話

転職を先月した。昨年末まで働いてた滋賀の老健から、引っ越して京都の特養に移った。理由は家の事情によるものだが、大きな誤算があった。

それは過疎化が進んでる湖北の介護施設よりも、人口増加で確実に需要が大きい京都のベッドタウンの介護施設の方が自然と合理化、進化の度合いが高く、洗練されハイレベルだろうという推測である。

実状は逆だった。これは京都的な内輪で仲よくする排他的な気質、新駅や新道路などのインフラに伴う人口の急増に対して、介護業界や市政のフォローが追い付けてないという現況、病院系列のグループでは他の機関での外部研修をせず、あるいは極少規模で新しい技術を導入するとば口がないことなどが原因であろうと、従事一か月で仮説を立てた。この三つは、裏打ちされる根拠が、自分の見聞きした範囲でしかないので、非常に恣意的な仮説だが、たぶん正しいだろう。

たとえば軽介助で立位が取れない利用者の部屋にスライディングボードが置いてあるが、誰も転倒を恐れてボードを使ってない。先月末、最初に主任に起こし方を教わった時「ボード、もし良かったら使っていいから」と、お手本を見せてくれた。非常にぎこちない移乗で明らかに尻がボードから浮いていて、腰に悪そうな介助だった。何か変やなーと前職場の理学療法士の友達にメールで尋ねてみたら、その場合(両手で脇を支えないと立位が取れない場合)はスライディングボード適用外と、明答された。もともとこの利用者が元気なころは、これを使って移乗してたんだろうか?そういう風に、良心的に推量してはみたが・・・

京都は、おむつフィッターの自己研さん組織というたらいいのか、むつき庵の拠点でもあり、それぞれの施設の介護技術には、学ぶ姿勢とかボスの経営意識で格差があるのだと推測する。

腰をいわす前にとっととましな職場を見つけて再転職をすべきか、一人でこつこつと状況改善に努めるべきか。前者の方が圧倒的に有利な気がするが、今のところ悩み中である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?