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実存は本質に先立つ: あなたが誰で何を望むのか、全部あなたが決めていい

哲学にも流行りがあり、アイドルがいます。

受賞年:1957年
受賞部門:ノーベル文学賞
受賞理由:「この時代における人類の道義心に関する問題点を、明確な視点から誠実に照らし出した、彼の重要な文学的創作活動に対して」

アルベール・カミュ - Wikipedia

受賞年:1964年
受賞部門:ノーベル文学賞
受賞理由:アイデアが豊富で、自由の精神と真実の探求に満ちた作品は広範囲にわたる影響を及ぼしたため(受賞辞退)

ジャン=ポール・サルトル - Wikipedia

20世紀の第二次世界大戦は実存主義が熱い時代でした。何もかも説明できる理論や思想は極端な可能性があります。数学や物理も例外はありますよね。だから、実存主義も全ては扱えません。けれど、自己決定に関してと、ニヒリズムへの態度、人間が絶望することに対して、示唆に富む哲学です。

何より、あなたの人生に、ノーベル賞文学賞(サルトルは辞退したけど)級の知恵を召喚して味方になってもらうの、頼もしくないですか?

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哲学には流れがあります。アリストテレス (前384-前322)は現実主義、形而上学、論理学、倫理学、政治学、自然学を扱いました。プラトンの弟子でありながら、師のイデア論を批判し現実主義を唱えました。

その思想は、トマス・アクィナス (1225-1274)に引き継がれ、アリストテレス哲学とキリスト教神学の統合が図られ、スコラ哲学が発展しました。

デカルト (1596-1650)は、中世スコラ哲学を批判し、新たな哲学方法論を提唱しました。合理主義、方法的懐疑、「我思う、ゆえに我あり」という命題、そして心身二元論を展開しました。

一方、キルケゴール (1813-1855)は、ヘーゲルの体系哲学に反対し、個人の存在を重視する実存主義の先駆けとなりました。不条理や信仰の跳躍といった概念を提示しました。

デカルトの流れを汲むフッサール (1859-1938)は、現象学を創始し、意識の志向性と本質直観の概念を導入しました。デカルトの方法的懐疑を現象学に発展させたのです。

フッサールの弟子であるハイデガー (1889-1976)は、師の現象学を発展させ、現存在の分析と存在の意味の探究に焦点を当てました。存在論の革新者として知られています。

そして、ハイデガーの存在論を実存主義に展開したのがサルトル (1905-1980)です。自由と責任、そして「実存は本質に先立つ」という考えを提唱しました。

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ジャン=ポール・サルトルの有名な言葉「実存は本質に先立つ」は、今から79年前、1945年10月29日にパリで行われた講演「実存主義はヒューマニズムであるか」で初めて公に述べられ、その後、1946年に出版された同名のエッセイでも繰り返されています。

私の理解で言うと、人間はまず存在が先にあって、その後本質を育てて獲得します。自己形成しますよね。生まれた瞬間に全部決まってはいない。だから自分で決めていける。自分でビルドアップし、自分でデザインできる。そう勇気づけてくれる哲学です。

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カミュの場合は、実存ということに関して、この世の不条理を扱いました。無意味とか。頭の明晰な方ほど疲れちゃうこと無いですか? 疲れるとどこに行くかというと、絶望してニヒリズムに行くわけです。虚無的になっていく。カミュの場合はニヒリズムには行かず、実存主義で踏み留まりました。

このカミュの粘り強さというのは何かというと、意味があろうがなかろうが不条理だろうが、それでもやるときに、そこに実存があるだろうと言っているわけですよね。例えば、『シーシュポスの神話』が分かりやすい。


いろんなことに圧倒されてしまう私たち現代人。例えば、SNSにら様々な人がいるから、他人と比べて元気が出ない日もあるでしょう。あるいはフェイクニュースとか。昔からああしたものはありましたけども、ネットってリンクにより膨大なネットワークが形成されて、それをGoogleなどで整理すれば、自ずと興味関心で繋がるわけです。だから実社会と比べるとネットの方が自分と話が合う人と出会いやすい設計です。自分と意見が近い人と接しやすくなると、どんな偏った意見であっても誰かしら話が合う人はいるし、そうするとエコチェンバー現象が起きて、自分の周り全部そう言っていると錯覚します。

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実存主義は自己決定、対ニヒリズム、対絶望に関して、現代でこそ必要です。20世紀の有名な哲学者がそんなことを考えていたのかと、お守り代わりに彼らの哲学を自分のフレームワークとして持っておくと、緊急時に受けるダメージを減らしたり、安全確保をしたり、あなたがダウンして潰れている時間を減らせるから、総合的に見て人生の質が上がるでしょう。

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前世紀の哲学だから、もちろん批判や課題もあるけれど、現在でも入門書が売られているし、逆境に強い哲学です。知識人や哲学者は時代を先行したり、時代を切り開く面があるので、現代人の抱える孤独や満たされなさを、彼らが哲学の流れの中で考え抜いてくれてあることは、文明の恩恵だと思います。ことに、虚無や絶望や無意味さへのカウンターとして、0から考えなくても、彼らという巨人の肩を借りれば、あなたのご自身の人生が様々な局面で有利になる。絶望に侵食される時間を無くせますから。


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